花山星空ネットワーク第3回講演会

先日の土曜日、講演会にお誘いいただきましたのでボーリングをキャンセルして聴講してきました。
2本とも大物の講演ということで、なかなか盛況でした。

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【また後ほど‥追記します】

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京の宇宙学(2)

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以前5月にこの場で紹介した
京大博物館の企画展「京の宇宙学」‥

7月25日付けの京都新聞であらためて取り上げられていたそうです。

*宮本博士の火星儀や研究ノート京大総合博物館で展示(京都新聞)
 http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008072600080&genre=G1&area=K00

記事で紹介されている宮本正太郎博士は
京大理学部の教授・花山天文台の台長を務められた、
日本の宇宙科学・惑星科学分野の先駆的研究者。

業績を記念して小惑星や火星のクレーターにその名が刻まれていることでも
知られています‥だけでなく、(私が書くまでもなく読者の方はご存知の通り)
本学の現学院長の恩師であり、名誉学院長を務めておられた方ですね。

前回の記事では余り詳しく書きませんでしたが、4月に見てきたときも、
京大の宇宙科学分野の研究室を牽引してきた教官たちを紹介するコーナーがありました。

ですが火星儀には気づかなかったので‥展示物が追加されたのかも知れません。

因みに私が関わっている展示も、夏休みの小学生をターゲットにということで、
今週から内容が差し替えられました。 (‘_’ 😉

なので、未だの方はもちろん、既に見に行った方も、機会がありましたらまたぜひどうぞ。
新たな発見があるやも知れません。
また時節柄、夏休みの宿題のネタなどにも良さそうです。

展示は8月末までです。月・火は休館日なのでご注意を。

以下は前回の記事で載せなかった写真‥

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磁石の力を体感できるおもちゃです。
上手いことやると、写真の様にコマを空中に浮かべることができるようです。
他にもいくつか磁石や光の性質を学ぶことができるおもちゃが置いてあって、
自由に遊べるコーナーになってます。

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松本紘次期総長のグループが推進している
宇宙太陽発電衛星(SPS)のためのマイクロ波送電の実験機材。
地上から照射したマイクロ波を受信して、飛行機を飛ばす実証実験です。
実験の様子を撮影したDVDも上映されていました。格好良いです。

関連記事リンク
*京の宇宙学 -千年の伝統と京大が拓く探査の未来(京都大学総合博物館)

*京都大学総合博物館「京の宇宙学」(京都大学理学研究科付属花山天文台)
 2008年4月9日掲載新聞記事 読売新聞 毎日新聞 京都新聞
 3社で少しずつ紹介内容が異なります‥それだけ盛りだくさんな展示なのですね。 (‘_’ 😉

*KCGブログ内
 講演会
 京の宇宙学

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梅雨

今月曹操にいや早々に台風の影響で梅雨入りが発表されたのですが‥

*気象庁 | 平成20年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)

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昨日の天気予報京都市左京区

晴れの日、夏日(最高気温25℃以上)が続くようです。

梅雨は初夏に、南からの暖かい空気と、北からの冷たい空気が
ぶつかり合って日本付近に前線が停滞する季節です(秋なら秋雨前線)。
毎年気象庁から梅雨入り・梅雨明けが発表されていますが、
実は機械的な定義はなく、最終的には職員の協議で決められるとか
(気象大学校で学んでいた後輩の話によります‥)。

上の予報で梅雨らしい天気なのは、上海くらいですね。
ちょうど日本列島の中心より少し緯度が低いあたりでしょうか(?)
この前線がもう少し北上すると雨の日が増えるのでしょう。

天気がよい日は、お布団を干したり、お出かけしたり‥

ただ、6月は夏至の時期で日射の時間も長くなり、
また単位時間あたりの日射量も多くなります。紫外線の影響にも注意が必要ですね。

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今月の気になる(?)講演会

以前こちらで紹介されていた講演会が
今週末の土曜にせまりました。

*NPO法人 花山星空ネットワーク 第2回 講演会

1人目の講演者である松本紘・京都大学研究・財務担当副学長ですが、
先日の総長選挙で10月より京都大学の総長を務めることに決まったそうです。(‘o’)

*asahi.com: 京都大の次期総長に松本紘副学長、23日に正式決定
*次期総長に松本紘理事・副学長を選出 – 京都大学

講演会と選挙の時期が近かったのは偶然でしょうけれど、
なんというかタイムリーなニュースですね。

私が出身研究室の大学院生になったばかりで、
初めて関連する学会へ参加した頃‥ちょうど松本紘教授が学会長でした。
超高層電波研究センターのトップとして、研究室を率いておられ‥

ひとくちに研究者と言っても実にいろいろなタイプの人が居らっしゃるのですが
# 紳士的な人や、天才肌、秀才派、仙人の様な雰囲気の人から、マッドサイエンティスト(?)まで‥(^_^;)
松本紘教授は‥この「率いる」という言葉が実に良く似合う、
強いリーダーシップを発揮するスタイルです。

自分たちの研究室主催のイベントで、
学生相手の講演をお願いしたこともあるのですが、
非常に熱い語り口ですっかり圧倒されました‥
自分たちの研究室では密かに「炎のカリスマ」と呼んでいたくらい。(笑)

学生時代は体育会少林寺拳法部に所属しておられたそうで、
開発したシミュレーションコードに"KEMPOコード"という略称をつけたとか。
当時はたまたま(?)、松本研究室の助教授も、助手も、揃って少林寺拳法部OBだったとか。
えらく硬派な研究室ですね (@_@;

もっとも重要な業績は、宇宙空間での電磁波現象の人工衛星による直接観測に関するものでしょう。
ですが、今回の講演内容である、宇宙太陽発電(SPS)に関する研究もよく知られています。

*What is SPS? 宇宙太陽発電所 

先週の地球惑星科学関連学会の、
分野横断型のスペシャルセッション「21世紀は温暖化なのか、寒冷化なのか? ~ 地球温暖化問題の真相」でも
講演があったようです。

*宇宙環境利用による持続的生存圏の拡大 (講演予稿)

SPSは、もし実現すれば人類のエネルギー問題の解決に
大きな貢献が期待できる巨大プロジェクトです。
1970年代にはNASAでも計画が進められていましたが‥結局打ち切られてしまいました。

当時のNASAの判断は、実現性とコストパフォーマンスに?ということだったのでしょうけれど‥
他にもアメリカの宇宙開発の予算は政権交代のたびに、大幅な増減がありますから‥
そのあたりの影響もあるのではないかと(←ちゃんと調べてませんが)。

そう言えば日本でも、先日宇宙基本法が成立したというニュースで流れていました。
防衛目的での宇宙利用が可能であると明文化し、
宇宙産業を活性化する狙いで、内閣官房に「宇宙開発戦略本部」を設置する、など。

アメリカほどではないにしても‥日本の宇宙開発や探査に於いても、
今後は政治の影響も徐々に大きくなっていくのかも知れません。

ま、土曜日の講演でどこまでお話が広がるかわかりませんけれど‥
面白い話が聞けるのではないかと、期待したいです。

と、こんだけ長々書いておいてアレですが、予定を確認すると、
私自身はこの土曜は所用があって聴きに行けないのでした。

もうひとつ今月、気になっている講演があるのですが‥
滋賀県の嘉田知事による琵琶湖に関する講演です。
以下にリンクをあげておきます。

*京都大学未来フォーラム(第33回) 「近畿における琵琶湖の価値」

滋賀県民の方は必見ですね。
6/16(月)18:15から。場所は時計台のホールです。
事前に申し込めば(先着500名)どなたでも参加できます。

知事選や東海道新幹線栗東駅白紙撤回のニュースで名前は聞いてましたが、
なんとなく中央の官僚出身かと思っていました‥

最近でこそ身の回りに滋賀県在住の人がやたら多いのですが、
そもそも滋賀県に対して余り関心がなかったし‥ (^_^;

なんと京大の農学部出身の研究者だったんですね。全く知りませんでした。

この「京都大学未来フォーラム」は、
数ヶ月に1度に開催されている、各界で活躍する卒業生による講演会のようです。

過去の講演者でIT系で変わったところでは‥ドリコムの内藤社長でしょうか。
経済学部在学中に起業したベンチャー企業の経営者です。
でも中退なので厳密には卒業生ではないですが。 (^_^;

なかなか著名な人が多いので、関心がある分野の講演者の場合は、
おすすめかも知れません。近くですし、無料ですし。
(一度も行ったことがないのでどの程度お客さんが入るのか良く知りませんが‥)

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KOMTRAX

一般の車にもこのようなデータロガーを搭載すれば,
事故原因の究明と未然防止が可能になりますね。

*KCGシビック 第2戦(決勝コースアウトの原因解析)

販売している全ての車両に、データロガーを搭載し、
それもリアルタイムでモニタリングしているメーカーがあるのです。
どこでしょうか‥? TOYOTAでしょうか?GMでしょうか?

それは‥KOMATSU。
# って一般の車とちゃうやん‥ (>_<#

石川県小松市発祥の、建設機械・重機メーカーです。
ご当地(近く)出身のニューヨークヤンキース・松井秀喜選手を起用したCMをよく見ますね。

KOMTRAXのことはテレビ東京系の経済番組で知りました‥
*カンブリア宮殿 2008年2月4日放送 ゲスト:坂根正弘氏 (コマツ 会長)
「世界に羽ばたく日本のモノづくり ~どん底からのダントツ経営改革に学べ!」

もともとは、販売した大型の建設機械の修理やメンテナンスに先手を打つため
構築されたリアルタイムで情報収集するシステムです。

全世界で10万台、どの車両にも各種機器のセンサー+GPS搭載で、
どの場所でどの機材がどれだけ稼働しているか、
地図上にマッピングされていてたちどころに判るそうです。
番組では、実際の画面の様子が紹介されていました。

こちらのプレスリリースやサイトにも少しスクリーンショットがありました。
*機械稼働管理システムKOMTRAX搭載車両が10万台を達成
*KOMATSU > 話題の商品PickUp – 2005年6月

収集した情報を元に、的確なメンテナンスを行うだけでなく、
顧客へ向けて管理情報を公開し配信するサービスもあるようです。

さらには‥その稼働率から、景気判断までできてしまうそうです。
昨年の11月などはアメリカの景気後退が喧伝されたけれども
販売数は落ちたものの稼働率は上昇したとか、
2004年中国の金融引き締め政策で、
中国国内の稼働率が50%程度まで落ちたとか。 社長さんが事例を紹介していました。 (‘o’;

「ユビキタス」ということで、
ネットワークに繋がっていればどんな機器でも‥

メンテナンス情報がデータベースセンターに蓄積されて。
消耗品が切れてきたら交換部品が、故障が見つかれば修理の手配が、
購入者が意識しないところで進んでいく、という未来もすぐそこでしょう。

モノだけでなく、人間も。
健康状態などを定期的にチェックしたりなど、需要がありそうです。
これは意識させないセンサーというのが少し難しい問題設定でしょうか。

何でもかんでもログを取っておく、というのはもう珍しくない様です。
となると‥たくさん貯まる各種データから、有用な情報を勝手に判断して、
取り出してくれるアルゴリズムが、永遠の課題かも知れません。

オールマイティなものは1つというわけではなく、
最終的には1人1台(1プロセス?)ずつ
自動学習でカスタマイズする形になるでしょうか。
# 思い出せないのですが、何とかの定理ですね‥

データ構造の定義なんかも、自動で適切にできて欲しいですね。
メタデータとドキュメントのはざまで
(↑ってこれは月曜の講演やディスカッションで出た話題ですが)
自然言語処理もますます重要になってくるでしょうか。

ITの未来はまだまだ拓けていきますね。

*京都コンピュータ学院
*京都情報大学院大学

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火の玉(2)

前回の続き‥
正解はプラズマボールでした。
ときどき博物館なんかに置いてあることがあるそうです。

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明るいところですと、発光が判りにくいですね。
USBで給電されているガジェットです。
手に入れた方によると、2000円くらいだったとか。

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ガラス球を触っても安全です。触ったところに発光が集まります。

以下のサイトの写真が綺麗です。( ‘o’)/
*ThinkGeek :: USB Plasma Ball
*USBプラズマボール – Engadget Japanese

プラズマとは‥短く言うなら気体が電離した状態です。
通常、地上ですと気体はプラスのイオンとマイナスの電子がペアを組み、
中性の状態で存在しているのですが、
エネルギーが高い、希薄な状態だと、ペアの縛りが緩くなりばらばらに運動し始めます。

ボールの中には、薄いガスが封入してあり、
中央から高い電圧がかけられていて、中はプラズマ状態に。
電子との衝突によりガスの粒子(分子や原子やイオン‥成分による)は励起され、
もらったエネルギーを光として放出します(なので色も封入されたガスの成分による)。

これと同じ原理を使ったものは、皆さんの身の回りにもたくさん。
例えば、蛍光灯。
あとプラズマテレビも。3原色のフィルタの中は同じ発光原理です
(なので映像によっては発光が少なくなり液晶より省エネになるとか)。

季節によっては‥夏は稲妻。冬は静電気のパチッとなるやつ。
通常の大気中は電気が流れないはずなのですが、
あまりの高電圧になると、途中崩落してプラズマ状態になっています。

そして忘れちゃいけない‥極夜を彩るオーロラですね。 (u_u)
オーロラの発光がおこるのは高度80km~300kmあたり、
まさにプラズマと中性大気が混ざり合った領域です。

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京の宇宙学

castorさんが取り上げておられたので、
この機会にこちらでは少し写真を載せておきます。

*京都大学総合博物館 [2008年春季企画展]
 京の宇宙学 -千年の伝統と京大が拓く探査の未来-

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プロローグは、平安時代の歌人・藤原定家の「名月記」
# 定家は朝廷お抱えの陰陽師たち(暦学・天文観測も業務だった)と親交があり、
# 超新星爆発(客星)や低緯度オーロラ(赤気)の記録を日記に綴ったのですね。
つまり千年前から始まるのですが‥

‥展示は主に現在、
京都大学が関連する最新の研究の紹介や、その研究成果の解説です。

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一口に宇宙と言っても、対象となる場所(領域)は
地球大気の上層(超高層大気と言います)から遠く宇宙の果てまで、
対象とする現象の時間幅は1秒もないものから宇宙の年齢まで、
驚くほど多岐に渡ります。

手法も、望遠鏡やレーダーによる観測や、人工衛星やロケットによる直接観測、
コンピュータシミュレーション、などなど様々です。展示は理学系だけでなく、
工学系分野では、宇宙太陽発電所の実験機(!)まであります。

その様な感じで、展示は盛りだくさんなのですが、
やはり一番楽しいのは、「4次元デジタル宇宙シアター」でしょう。
理学部の宇宙物理学教室(理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 宇宙物理学教室)の提供です。
本学にもOB・OG(OG・OBと書くべきかな?)がたくさんいらっしゃるところですね。

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銀河の大規模構造のシーン
右はメガネをかけたお客さん

用意されたメガネをかけて眺めると、3D映像を楽しむことが出来ます。
毎週土・日は解説員の人がいて、1時間ごとに様々なプログラムが上映されています。
プラネタリウムの様なスタイルですね。

私も先週の日曜日に見てきましたが、解説もスムーズなもので
噂以上に迫力があって良かったです。星の海を通り抜けるような感覚を味わいました。

立体表示の仕組みは、偏光フィルタを通したプロジェクタ2台の映像を
同じフィルタの付いたメガネで見る、という簡単なもの。
左右の視野が少しずれて重なるので、立体視になるようです。

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他にもGoogleEarthを使った展示などもあります。
こちらはメガネがなくても立体になっています‥
詳しい原理は企業秘密(というか一目瞭然ですが)。 (^_^;

解説パネルはたくさんありますし、
人工衛星に搭載する観測器や実験機材など本格的なものから、
遊びがてら学べる小物なんかもあります。
もちろん上に挙げたおすすめの他にもデジタル展示物も幾つかあって‥本当に盛りだくさんです。

展示は8月末まで、京大博物館の企画展にしてはずいぶん長いです。
普段はなかなか気軽に見に行けないものも多いですし、この機会にぜひ!
特に4次元デジタル宇宙シアターは必見です。

因みに入場料は大人400円。また月曜・火曜は休館日なのでお気をつけ下さい。
場所は‥百万遍から少し南、東大路の東側に面したところです。

尚、念のためですが展示室は写真撮影禁止です。
上の写真は展示設営の際にスタッフの方により撮影された物です。

さらに追記しておくと‥
自然系と史学系、2つの常設展も見応えがあります。

一通り企画展を見た後、1階の史学系の展示を見ていたのですが‥
展示された書状に天下布武の印章・鶺鴒の花押・虎の印判と次々に見つけたとき、
2階に居たときより(?)浮き足だってしまいました。 ミ( /^o^)/

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and/or

from wikipedia

画像はWikipediaより

2つの条件PとQがあったときに‥
Pに当てはまるグループと、Qに当てはまるグループの
両方合わせたグループを、PとQの「論理和」と言います。
「P or Q」とか「P または Q」と表現します。
数学やプログラミング言語では‥それで良いのですが。

Pのグループの人と、Qのグループの人、両方に呼びかけたい場合、
自然言語の場合は‥ and を使うような気がします。例をあげると
英語だと"Ladies and Gentlemen"。
日本語だと「Pの皆さま ならびに Qの皆さま」。
因みに「ならびに」を英辞郎on the WEBで調べると‥ちゃんと"and"と出てきます。

論理演算の"and"は、論理積。
「両方の条件を満たす」という意味で、日本語では「かつ」ですね。
上の図で言うなら、Pの円とQの円の重なっている部分。

自然言語の「または」は排他的論理和("xor")になる‥という説明も
Wikipediaにありました。確かにそうかも。
「コーヒー または 紅茶」、"Fish or Beef"と聞くと、どちらか一方だと捉えるのが自然ですよね。
図で表現するなら‥「P or Q」から「P and Q」を除いた部分ですね。

文脈に依りけりですが‥なかなか難しいですね。 (‘_’;)
一度知ってしまうと何でもないことで、自然と使い分けられるのでしょうが、
論理演算を初めて学ぶときには、こういうところも注意する必要があるのかも知れません。

しかし‥自然言語では列挙の"and"、択一の"or"が、論理演算では何故こんな使われ方に?

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かぐや

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先日、所用で出身大学の研究室へお邪魔したところ‥
月周回衛星「かぐや」の1/50模型が置いてありました。
JAXA(じゃくさ・宇宙航空研究開発機構)が昨年9月に打ち上げた月探査機です。
模型は先生が授業でお使いになるので、購入されたそうです。何でも若干お値段も‥なのだとか。
写真だと質感が判りにくいですが、本体は硬いプラスチックの様な感じ。
アンテナや太陽電池パネルが可動したり、2機の子衛星(「おきな」と「おうな」)が分離する様になっています。

「かぐや(SELENE)」には14種類の観測機器の他に、
NHK提供のハイビジョンカメラが搭載されています。
撮影された映像は、既にNHKやCSなどで放映されたので、ご覧になった人も多いでしょう。

昨日付のプレスリリースで、また新しい映像が公開されていました。
*JAXA | 月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)による「満地球の出」撮影の成功について

映像を見ると厳粛な気持ちになりますね‥ (‘o’)
プレスリリースでは高解像度の画像も数点公開されるのでパソコンの壁紙などにもお薦めです。

ついでにこれまで公開されたハイビジョン撮影のプレスリリースもあげておきます。
*月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)動画撮影成功について (2007-10-01)
*月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)による「地球の出」撮影の成功について (2007-11-13)

1つだけ(細かいことですが)言及しておくと‥
月は地球に対して常に同じ面を向け続けているので、
実際月面に立って待っていても地球の位置は変化しません。
「アポロ」や「かぐや」などの宇宙船や人工衛星が月の上空を飛行して移動しているので、
あたかも地球が昇ってくる様に見えるのですね。
地球で見る日の出・日の入りと少し違うところです。

では‥月が地球に対して常に同じ面を向けているのは、偶然でしょうか?
実はこれには理由があるのですが、少し意外な感じがするかも知れません。
興味がある方は調べてみて下さい。 (‘_’)/

私が前述の研究室の大学院生だった頃‥
地球の周辺の宇宙環境計測を行っている人工衛星の、
オペレーションをお手伝いしたことがあります。

JAXA(当時は「宇宙科学研究所」)所属の責任者の先生方の指導を受けながら、
1日1回、人工衛星から転送されてくるデータに目を通して、
衛星の軌道や機器の状態に異常が無いか
データが正しく観測されているかチェックしたり、
観測器を制御するコマンドを並べたプログラムを作成して
衛星に転送したり、などの簡単な作業(めっちゃ気疲れしますが)を実施しました。
これらは衛星の運用という業務と、
大学院生の教育という2つの目的を兼ねて行われています。

その様な場所へ行ってみて初めて知ったことなのですが、
そういった観測(業務)は製作から運用まで、JAXAや各地の大学・研究機関の方たちだけでなく、
重工系や大手電機メーカー系の企業の方々も大勢たずさわっておられました。

そんな中でよりIT寄りの企業は、例えば‥
*NEC東芝スペースシステム
*三菱スペース・ソフトウエア
‥などが挙げられます。

宇宙とか月探査、人工衛星・ロケットなどと聞くと、ロマン先行、格好良い漫画やアニメの世界、
自分たちの生活や進路からはとても遠い、という印象を受ける方も多いかもしれません‥

しかしそこは最先端の技術の粋が集められる現場であり、
ITや制御などを本学院で学んでいる皆さんにも
決して縁遠いところではありません。

宇宙に限らないですが‥進路を考える際、
自分のロマンや憧れ、好きなものなども大事にしながら、
いろいろ調べてみると面白いかもしれませんね。

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