Ubuntu 10.4でiPod touchのファイルを直接操作できるのか(iPhoneやiPadも?)

※この記事ではJailbreak(JB,脱獄)に関する内容は扱いません。筆者のiPod touchはJBを一切行っていません。

これまで,DAP「Cowon iAUDIO M3」とPDA「Sony CLIE PEG-TH55」を使っていたのですが,どちらもバッテリがヘタってきたこともあり,二台の機能をまとめる意味を込めて,昨年末にiPod touch 3G 64GB(MC011J/A)に乗り換えました。

iAUDIOもCLIEもドラッグ&ドロップでファイルを操作できたのですが,iPodはご存知の通りiTunes経由でファイルを転送しなくてはなりません。
iPodの容量を超えない範囲のメディアファイルしかない場合は一発同期で便利なんでしょうけど,我が家には3000枚を超える音楽CDがあり,曲セレクト→プレイリスト作成→ファイルの入れ替えを頻繁に行います。

毎回面倒だなと思っていたところ,Ubuntu 10.4ではiPhone/iPod touchに標準対応か?とのtweetを発見。
で実際,Ubuntu 10.4を入れたノートPCにiPod touchをつないだところ,普通に認識されてデスクトップにマウントされました。ご丁寧にアイコンもiPodの形をしています。

iPodのアイコンをダブルクリックしたところ,,,中身が見えました。windowsのエクスプローラからだと写真が入っているフォルダしか見えないのですが,「ApplicationArchives」「Downloads」「Purchases」「Safari」「iTunes_Control」などといったフォルダが丸見えです。
「iTunes_Control」→「Music」と入っていくと,「F00」「F01」…「F49」といった連番のフォルダがあり,その中にmp3などの音楽ファイルが300個くらいずつ入っています。

ただしファイル名が “大文字のアルファベット4文字に変更” されています。デスクトップなどにドラッグしてコピーすることはできますが,曲名・アルバム名・アーティスト名などの並び順は完全にランダムです。
もちろんID3タグの情報は保持されていて,右クリックでプロパティを見ると曲名・アーティスト名などの情報が確認できるのですが,「iPodに直接ドラッグ&ドロップで曲を追加」という夢は潰えたのでした。
まあ,iPodから曲ファイルを抜き出すことはできるので,最悪の事態を想定してバックアップとしては使えるかも。。。
頑張ればいらない曲を手動削除することも可能かもしれませんが,目的のファイル探すのが大変だし,iTunesの操作でチェックボックスを外して同期から除外したほうが圧倒的に楽でしょう。

linux版iTunesは2010年6月現在では存在しないので,代わりになる「Rhythmbox」という携帯オーディオ・プレイヤーがUbuntu 10.4には入っています。しかし,同期がらみのバグ報告を色々耳にするので,ここでは「gtkpod iPod Manager」というアプリケーションを紹介します。
「Ubuntuソフトウェアセンター」で「gtkpod」と検索すれば見つかると思います。

操作の前の下準備として,まずファイルブラウザでHomeにある隠しフォルダ「.gvfs」を開きます。
iPodが接続されていると,そのiPodの名前のついたフォルダが見えるので,その名前を覚えておきます。

gtkpodを起動し,「編集」メニューの「Repository/iPod Options」を開きます。
右上にある「Add new repository/iPod…」ボタンをクリック。
 Repository name: に任意の名前を入力
 iPod mountpoint: に「home/(ログインユーザ名)/.gvfs/(iPodの名前)」を入力
 iTuneDB backup: に任意のフォルダを指定
 Model: はお使いのiPhone/iPod/iPadの種類を選択
「追加」ボタンを押すと,gtkpodの左ペインのプレイリスト欄に新しいiPodが登録できました。
ここで「iPodから読み込み」ボタンを押すと,左下に読み込みの経過が表示されます。
途中,「アートワークに対応する曲が見つかりません」とか警告されるかもしれませんが,OKしていくと右ペインにiPodに入っている曲が一覧表示されます。

この状態で曲の追加・削除や同期・非同期の設定ができるようになりました。新規プレイリストの追加もiTunesと同様にできます。
操作後は,「変更を保存」ボタンでiPodに反映(同期)させます。

ここで素晴らしいことを発見!
iTunesでは,自動おまかせ選曲機能「Genius Mix」を設定しても,各mixに実際どんな曲が登録されたのか確認することができませんが(秘密にすることで選曲の意外性が高まるからでしょうが),gtkpodからだとプレイリストの一つとして表示されるので一目瞭然。曲の追加や削除もできます!
Geniusのくせに馬鹿だ(?)とお嘆きの方は,ぜひお試しください。

あと,曲やプレイリスト,あるいはiPod自体のアイコンを右クリックして「曲をファイルシステムにコピーする」を選ぶこともできます。
ファイルブラウザで見たときにはランダムなアルファベットに書き換えられていたファイル名も,元に戻っています!
でもこれって,Appleさんの提唱する「著作権の保護を目的とした云々」に抵触しないのかな?
開発チームの見解は不明ですが,ちょっと心配です。

京都コンピュータ学院(KCG)
京都情報大学院大学(KCGI)

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