「ラグーナ蒲郡」の3Dプロジェクションマッピングを観てきました。

週末に愛知県の「ラグーナ蒲郡」というアミューズメント施設に行ってきました。
ここでは,2012年8月26日まで,パーク内の広場で『リリと魔法のラビリンス』というタイトルの3Dプロジェクションマッピングが上映されています。

昼間の写真:

ラグナシアのエントランス広場(昼)

上映中の写真:

ラグナシアのエントランス広場(夜)
『リリと魔法のラビリンス』

プロジェクションマッピングというと,壁が突き出してきたり崩れたりするなど,派手でテクニカルな演出をYouTubeなどでよく見かけますが,単に抽象的な映像の羅列だけだと3分も見れば飽きてしまいます。
その点,今回観てきた『リリと魔法のラビリンス』は,映画の予告編みたいな形で,起承転結のストーリーがあって観客を上手く惹きつけてくれます。5分という上映時間もちょうどいいです。また,正面右側+右側側面,正面中央,正面左側+左側側面,と3つの部分でそれぞれ異なるタイプの演出がなされており,どこを眺めてもそれぞれ別の驚きがあります。

実は今回,初めて実物のプロジェクションマッピングを観たのですが,動画サイトなどで見るより格段に迫力があります。
正面の壁に幅50メートル,左右の壁に幅15メートル(いずれも目算)と広場の3面の壁面に,少なくとも5台のプロジェクターで投影されており,人間の視野を大きく超えるスケールで物語が展開されます。一度ではとても全てを見きれません。

パノラマ合成した写真:

『リリと魔法のラビリンス』

「ラグーナ蒲郡」では,『ファイア ファイア ネクスト』というシューティング・ライドでもプロジェクションマッピングを用いられているそうです。こちらは年中行われているので,東三河方面へ行く機会があれば,ぜひ体験してみてください。

プロジェクションマッピングは,どんどん進化・普及しているイベントアトラクションです。
関西方面では,2012年8月に京都の二条城で,同じく8月に奈良の「ならファンタージア」で,USJでも『ワンピース』のショーでプロジェクションマッピングが上映されました。

機会があればぜひ実物をご覧になることをオススメします。動画サイトで見て感じる以上の迫力を味わえると思います。

※追伸:ラグーナ蒲郡では,花火スペクタキュラ『ミスティノーチェ』というショーも鑑賞してきました。こちらもすごい迫力でしたよ。

comments

デスクトップPCを購入

先日の記事のとおり,6年以上使ってきた自宅デスクトップPCが限界に近づいてきたので,買い換えました。

DELLとhpで比較検討していたのですが,「5年後も使える」という目標のスペックで組むと,どうしても予算オーバーしてしまいます。
秋モデル発表前ということで,オトク感も低い感じ…

そんな折,8月末までの限定価格という触れ込みのDMがDELLから届きました。
で,ミニタワー型の VOSTRO 430 というモデルをベースに,以下の構成で見積り。

 OS:Windows 7 Professional 64bit
  - メモリが2GB以上欲しいので,64bit版に。現在の32bit環境から移行できることは確認済み。

 CPU:core i7 870 (2.93GHz)
  - 5年後を考えると,i5では少し心許ない。i7 900番代は消費電力が高めだし,800番代に。

 MEM:8GB
  - 正直8BGも要らないし,あとで追加できるけど,なんとなく。

 HDD:1TB
  - データ用外付けHDDで500GBのを使っているので,C:500G,D:500G(バックアップ)に分割するのを前提で。

 グラボ:GeForce GT220 (1GB)
  - ゲームをしないので特にこだわりはないが,HDMI出力できる一番安い選択肢だったので。

 光学ドライブ:Blu-ray書込
  - Blu-ray再生環境は絶対欲しかった。ついでだし,書き込みもできるドライブを選ぶ。

これで,通常購入で15万以上するのが,10万ちょい。予算ギリギリオーバーでしたが,ポチってしまいました。

8月26日(木)に納品され,子どもが寝静まってからセットアップ作業開始。
アカウントの設定をしてOS起動後,MicrosoftUpdateをかけたのですが,デフォルトで入っているウィルスバスター16が一々小窓を出してきて少々ウザい。アップデート完了後に再起動してから即,アンインストール→「再起動してください」。すると,早くもマシンが正常起動しなくなってしまいました!(泣)

症状:
1. 「Windowsを起動しています」の画面でフリーズ(2回に1回くらい)
2. 「スタートアップの修復」を求められる(1.の症状の次の起動時)
3. BIOS起動画面でプログレスバーが進まない(3回に1回くらい)
4. そもそもBIOS起動画面すら表示されない(5回に1回くらい)

運良く立ち上がったときにmsconfig.exeで調べてみると,スタートアップの項目にウィルスバスターが残っていました。
スタートメニューにあった項目「ウィルスバスターのアンインストール」が,正常に働いてくれなかったようです。
トレンドマイクロのサイトを見ると,専用のアンインストールツールをダウンロードして削除しなければならないとのこと。
それだったら,最初からスタートメニューに削除するための項目なんてなければいいのになぁ。
心を取り直し,ダウンロードした削除ツールを実行するも,途中で「エラーが発生しました。再起動してください」となり,削除が完了しません。
CDから再インストールを試みると「既にインストールされています」。

どうせサラの状態なんだし,OSから入れ直そうか,,,リカバリディスクからの起動中にもフリーズ!
うむ。これは一般的な事例ではないと判断し,ハードウェアのテストツールで問題ないことを確認した上で,DELLとトレンドマイクロ(以下TM)のサポートページから問い合わせを打って,返信を待ちます。

DELLの返信:(色々対処法を示してくれた上で)「CMOSクリアしてみてください」
マザーボードからボタン電池を抜き,念のため3分放置。電池を嵌め直して起動してみると…内部時計の設定を求められ…無事立ち上がりました。何度か再起動しても大丈夫みたい。
DELLさんのサポートメール,大変丁寧な対応で,症状も的確に判断していただき,非常に好感が持てました。ありがとうございます。

一見これでOKなようですが,依然,スタートアップ項目にウィルスバスターが残っています。
OS起動時に,削除したはずのプログラム本体を探しに行くので,ちょっと気持ち的にすっきりしない。
しかもmsconfigでスタートアップから除外すると,起動時に「スタートアップの修復」の画面が。

TMの返信1:「アンインストールツールをダウンロードして実行してください」→途中で止まる
TMの返信2:「セーフモードでアンインストールツールを実行してください」→途中で止まる
TMの返信3:「管理者ユーザを新規作成してログインして,アンインストールツールを実行してください」→途中で止まる
TMの返信4:「regedit.exeでTrendMicroのエントリを削除してから,アンインストールツールを実行してください」→途中で止まる

うーん,すでに全部試してみたことなんだけどなぁ。一般的な対処マニュアルに沿って順番に回答している感じ。
結局,ウィルスバスター2009体験版のインストーラをダウンロードしてきて,解凍したものから「Tools」フォルダにあった「TISTOOL.exe」を実行,アンインストール→「ウィルスバスター2008」を選んで,無事削除できた模様。スタートアップ項目から消えており,レジストリのエントリを削除しても,正常起動してくれました。

てな感じで1週間くらい格闘した甲斐あって,非常にキビキビ動いてくれます。
現在の主な用途,息子:「ポケモンだいすきクラブ」のゲーム,妻:mixiのゲーム,僕:YouTubeの閲覧,くらいなので明らかにオーバースペックではあるのですが,以前のマシンのモッサリした感じが全く無いので気持ち良いです。

あと,Blu-rayの再生ですが,GeForce GT220 のDVI出力からモニタへ,HDMI出力からRegza Z8000への2画面でセッティングし,Regzaの方にプレイヤーを全画面表示することで問題なく動作しています。
最初,音声が出なくてアセったのですが,PC側のオーディオデバイスの設定を,デフォルトの「ライン出力」から「HDMI経由(NVIDIA High Definition Audio)」に切り替えればRegzaのスピーカから鳴ってくれました。

最近,Blu-rayとDVDのセットパッケージで販売される映画が増えてきたり,Blu-ray版のみ特典映像を収録したタイトルもあったりして,再生環境もないのにBlu-rayのディスクが貯まっていたのですが,これでようやく消化できそうです。
DVDしか出てない映画もまだまだ多いですが,新作の購入はBlu-rayに切り替えたいな。

comments

自宅のデスクトップPCにトラブル

お盆の帰省から戻ってきたら,自宅デスクトップPC(Windows XP)が起動しなくなっていました。

おそらく熱でやられたのでしょう,起動途中でどこかのパーツが「カッ」と鳴って固まってしまいます。
音からして電源かHDDのどちらかだろうと思い,まずはDVDからKNOPPIXを立ち上げると無事起動。電源およびメモリ,CPUなどはOKなようです。
そこでPCからHDDを取り出し,外付けケースに入れて別のノートPC(Windows 7)にUSBでつないでみると,認識はするのですが3分くらい経つと同じく「カッ」と音がして止まってしまいました。

これは本格的にヤバい。ハードディスクが物理的に壊れている感じです。

バックアップはとってあるのですが,同じHDDデバイスの別パーティション(D:ドライブ)に保存しています。制限時間3分以内にこれらのファイルをどこかに移さなくてはなりません。
少しコピーしては3分程で固まり,ケースをつなぎ直してまた少しコピー,を何度か繰り返しているうちに無常感が溢れ,気が遠くなってきました。
どうせ固まるんだし,サルベージするなら元ファイルもバックアップも同じ,と考え,思い切ってD:ドライブに設定していたパーティションを削除して読み込まない設定にしてみました。もしかしたらD:ドライブだけに不良セクタがあって,C:ドライブは無事かもしれないとの一縷の望みに賭けて,,,これがビンゴ!!何分たっても固まらなくなりました。

「なんでD:ドライブのエラーでシステムが止まってしまうんだ」という疑問はさておき,元C:ドライブから必要なファイルを別の外付けHDDにバックアップし,ノートPCからUSB接続経由でチェックディスク後,元のデスクトップPCに接続しなおしてみると,見事起動! D:ドライブは失ったものの,とりあえず新しいバックアップが取れてラッキーでした。

さあ,デフラグでも掛けて今日は寝るか。一応扇風機でもあてておこう。。。朝起きてみると,PCが止まっていました…

HDDを取り出して調べてみると,シーク音どころか異音すらもしません。完全に停止の状態です(泣)
「ヘタりかけのHDDにはデフラグの負荷はキツい」という教訓を胸に刻みこんでおきます。

このデスクトップPC,6年ちょっと使っていて,メモリの増設とクーラーファンの交換をしたくらいだったのですが,動作は全体的に超モッサリだったので,そろそろ寿命だったのかもしれません。一旦復旧しただけに諦めはつかないですが。。。

リカバリの手間を考えると,新規購入のメリットの方が大きいので,次回購入候補として,hpの HPE 280jp/CT か,DELLの Studio XPS 8100 を考えています。DELLの方は電源が少し弱いみたいなので,hpが第一候補。
いかんせん予算が殆ど無いので,即購入はできないっぽい。
秋モデル発表まで待てるかな。

comments

お隣さんのPCの面倒をみる Windowsが起動しなくなった時の対処法

お隣さんが,ノートPCが起動しなくなったので見て欲しいと持ち込んで来られました。
OSはWindows Vistaなのですが,起動画面でしばらく止まった後,青い画面になって英文の警告が表示されます。
意訳すると,起動ディスクに問題があるので,ウィルスのチェックをしてください,それでも解決しなければ,システムを入れなおしてください,とのこと。

とりあえずウィルスのチェックをかけようと,CDブートできる無料のアンチウィルスソフトを探してみました。
AVG Rescue CD
サイトからisoイメージをダウンロードしてCDに焼き,CDから起動してスキャン開始…幸い,ウィルスは見つかりませんでした。

購入時についてきたリカバリディスクを預かったのですが,出荷時の状態に戻すことしかできないようです。
大事なデータがあるからOS再インストールは避けたいと言われたので,1.CD起動でchkdskをかける,2.何らかの方法でデータをサルベージする,の二本立てで対処を考えることにしました。(実はこれはマズかった。追記を参照)

CDから起動できるユーティリティーツールとしてUltimate Boot CDを試してみました。古いバージョンのUltimate Boot CD 4.1.1日本語版もあるようですが,英語最新版の方が機能が多く,問題も少ないでしょう。
メモリ,CPUのテストは問題なく,HDDのテスト「DiskCheck」でエラーが見つかりました。問題のある箇所がわかり,壊れたファイルの特定まではできたのですが,リカバリディスクからはその元ファイルを抽出することができません。手元に他のVistaのマシンがあればいいのですが。

やはりデータをサルベージするしかないか。幸い500Gの外付けHDDが余っていたのでそれを接続し,KNOPPIX6.2DVD日本語版で起動させました(KNOPPIXは,CDやDVDから起動できるlinuxディストリビューション)。
この段階で,Windows Visaの入っている内蔵HDDは認識されたのですが,肝心の外付けHDDがマウントされない!Google先生に質問しまくって,あらゆる手段を講じても無理でした。何故だ。。。

途方に暮れたのですが,KNOPPIXをいじっているうちに,色々できることに気づきました。なんだ,KNOPPIXにウィルススキャナが入っているじゃん。とりあえずチェック。スキャンディスク(testdisk)もできるぞ。再起動。。。あ,Vistaが立ち上がった!はやる気持ちを抑えてWindowsのスキャンディスクをかけて再起動。。。問題なし!念のためもう一回再起動。。。問題なし!

なんとか無事復旧できたようです。お礼にアイスクリームをいただきました。

追記:
上で紹介した手順は,あくまで「たまたま」うまくいっただけで,一般的にはお勧めできません。
あとで調べて冷汗をかいたのですが,ディスクのスキャンはファイルシステム全体を壊してしまう可能性があるので,本来の手順は「ウィルス駆除」→「データのバックアップ」→「スキャンディスク」が安全です。

comments

伯方雪日『死闘館 我が血を嗣ぐもの』

ニュージーランドの山奥,嵐と火山で閉ざされた日本家屋。格闘家一族をめぐる不可解な連続殺人。刑事・城島がたどりついた異形の真相とは?新鋭が満を持して放つ初長編。

——————————

仕事や恋愛に行き詰まりを感じ,ニュージーランドへと旅立った刑事・城島。かつて事件捜査で出会った格闘家のガトロ・スチュードたちとともに,ガトロの祖父で一族の長テ・ケレオパの邸宅へ向かうことになった。その人里離れた山奥に佇む日本家屋には格闘家一族が呼集されており,テは彼らに対し,最も強いものにすべての権力と財を譲ると告げる。具体的なことをなにも知らされず,一族が困惑する中,嵐と火山噴火によって屋敷が孤立したのと同時に,一族の男の扼殺死体が発見された。はからずも日本から遠く離れた異国で捜査をすることになった城島。しかし第二の殺人が勃発し…。予想外の展開の末に待ち受ける,驚天動地の真相とは?気鋭が満を持して放つ,たくらみに満ちた傑作本格ミステリ。

格闘技をテーマとしたミステリ小説。
これだけで食指が動く諸兄は,ぜひご一読願いたい。

逆に,ゲテモノテイストを感じて距離を置いてしまう人もいるだろう。
勿体無い。
本作には,読者を唸らせる多くの企みが仕掛けられているのだ。

なぜ登場人物が格闘家なのか,なぜ舞台がニュージーランドなのか,こうした題材が奇を衒ったものではなく,絶対的な必然性を持って物語の本筋とダイナミックにからみ合っていくさまは見事だ。
この作品には無駄な贅肉など存在しない。
枝葉末節と思われた部分までもが伏線となり,全ては事態収束への糸口となる。

冒頭,9世紀大洋州での部族抗争から始まり,近世,現代と時を飛び越えて描かれる一族の叙事詩。
全体の構成や下世話とも言える物語展開は,マイケル・スレイドからの影響を色濃く映し出している。
しかし,冒頭以外の各章からは,スレイドのバカバカしいまでの厚かましさは感じられない。
なんだか微妙な軽さが本作の残念なところなのだが,その点を考察したい。

物語には語り部がいる。
ミステリというジャンルにおいては,この語り部による情報コントロールが展開のキモとなる。

ある作品では,「わたし」なる人物が語り部となり,「わたし」の知り得た情報が徐々に核心に迫り,読者に提示されていく。
読者の知り得る情報は「わたし」によって制限される。
「わたし」が誤認することによって,読者のミスリードが誘われることも多い。

またある作品では,複数の「わたし」がそれぞれの見聞きした内容・それについて思うところをバラバラに語る。
読者は彼らからの情報を再構築して事態の全体像を想起することになるだろう。
こうした複数の「わたし」の場合は,各々の誤認が絡み合い,謎解きの妙は高度化する。
この技法は「一人称のナラティヴ」と呼ばれる。

一方,演劇や映画のシナリオのように登場人物を客体化し,「彼は~した」「彼は~と感じた」という三人称の叙述(地の文)と登場人物の会話で物語が展開していく形式も非常に一般的である。
この場合,創造者としての作者が語り部となり,各キャラクターや状況設定を的確に描写あるいは巧みに隠蔽し,物語を構築する。

本作『死闘館 我が血を嗣ぐもの』の話法は基本的にはこちらになるが,主人公・城島刑事は物語が佳境に入ると,次第に一人称的な語り部としての役割をはたし始める。
さすがに地の文で「わたし」と記述されるまでにはならないものの,主語を伴わずに(城島のものと思われる)主観描写がなされる。
こうした叙述の破綻による未成熟な印象が,前述した軽さの一因なのだが,言葉を変えればここが個性的な魅力となっている。
読者は一気に城島の行動・発言・思考に引きつけられるのだ。

この手法がフロックでないことは,格闘シーンで垣間見られる高度に客体的な描写からも伺える。
むしろ,主体・客体が一体化して怒涛のように押し寄せる混沌感を読書体験として味わってほしい。

「格闘技」が作品の重要テーマの一つになっていることになぞらえて,僕は本作の叙述を「実況リングアナのナラティヴ」と呼びたい。
リングアナは格闘家に対して第三者であり,試合の語り部の役割を持つ。
しかし時として,格闘家の心象風景を我が物かのように述べることで,視聴者を昂ぶらせるのだ。

作者は今後の作品で上記の手法を確立していくのだろうか。
あるいは,新たな手法で読者を楽しませてくれるのだろうか。
ミステリ作家としての物語構築力は本作でお墨付きだ。
次作の発表を心して待ちたい。

京都コンピュータ学院(KCG)
京都情報大学院大学(KCGI)

comments

IE9 Platform Preview 3

昨日2010年6月23日,IE9のPlatform Preview 3が公開されました。
http://ie.microsoft.com/testdrive/

今回の目玉は,canvas要素の実装でしょう。
既に他のブラウザでは対応しているので特に目新しさは無いですが,IE様対応のお墨付きが付いたということで,HTML5の普及に向けて大きな足がかりになるのではないでしょうか。
サンプル(IE8以下では動きません)を見る限り,オーサリングツールの登場次第では,まあFLASHの代替にはなるかと。
↑のような見た目の派手なヤツではなくても,高機能なWebアプリケーションが今後どんどん出てくると思われます。
開発者側の観点からすれば,コーダーとデザイナーの垣根が無くなって両方のスキルを持った人材が求められる時代がやってきました。

その他の更新点は,開発者ブログによると…

・video/audio要素の実装
他ブラウザでは既に対応済み。
IE9でのビデオコーデックはH.264で,Theoraを採用しているFirefoxとの間で一悶着おこりそうです。

・JavaScriptパフォーマンスの向上
Firefox3.6よりは早くなっているようですが,Chrome5,Opera10.5,Safari5には負けています。

・Web Open Font Format(WOFF)の実装
これも他ブラウザでは既に対応済み。
欧文のように文字数が少ない言語だと色々いじくれるかもしれませんが,日本語のフォントを一々サーバからダウンロードしてくるのは現実的ではありませんね。

・Acid3テストのスコア向上
はい,おめでとう。頑張ってください。

・CSS3への対応強化
「border-radius」と「opacity」に対応しましたが,これも他ブラウザでは既に対応済み。

注目すべきは,策定中のCSS3プロパティをベンダープリフィックス無しで記述している点。
現在,正式な仕様としてまだ確定していないCSS3のプロパティを使用する際には,Mozilla系のFirefoxでは「-moz-」,Webkit系のChromeやSafariでは「-webkit-」のプリフィックスを付けて未対応ブラウザでの誤動作を防いでいます。
例えばボックスの角を丸める設定をする「border-radius」ですが,

div {
-moz-border-radius: 10px; /* Firefox用 */
-webkit-border-radius: 10px; /* Chrome,Safari用 */
}

のように,面倒ですが同じ内容を複数書くことになっています。
そもそもCSS3の仕様確定前に実装しているブラウザベンダーの勇み足なのですが,ここでIE9が「俺様が世界標準」とばかりにプリフィックスなしで「border-radius: 10px;」のように記述するということになれば混乱が生じるかもしれません。

—————
ベンダープリフィックスにも一長一短があって,誰もが感じる短所は「ソースコードが長くなって面倒くさい」なんですが,「少なくとも指定したブラウザでは確実に表示できる/指定していないブラウザで不審な挙動を起こさない」というメリットもあることを指摘しておきます。

IE8でも,「filter」や「scrollbar」など独自仕様のCSSプロパティには「-ms-」のプリフィックスを付けることが推奨されています。
—————

以上まとめますと,なんだかんだあったけど,ようやくIEも競合ブラウザに「追い付く可能性を示し始めた」といったところでしょうか。

ところで,正式版はいつ出るの?

京都コンピュータ学院(KCG)
京都情報大学院大学(KCGI)

comments

[イオンモールKYOTO] ÆONの「Æ」はどうやって出すの? -欧文特殊文字の入力方法

そんなに頻繁ではないのですが,「á」などの欧文特殊文字を入力することがあります。
IMEの設定で入力言語の追加を行えば「フランス語」「ドイツ語」などを入力できるのですが,キーボード配列が異なるため少々慣れが必要です。

HTMLの知識がある人なら,「á」のようにソース内に書き込めば「á」と表示されることもご存知でしょう。
ただし,検索エンジンの入力ボックスなどにはこの形式では書き込めませんね。

そこで,個人的な便宜も兼ねて,以下にコピペ用の一覧表を作成しました。

A: Á á À à Â â Ä ä Ã ã Å å
C: Ç ç
E: É é È è Ê ê Ë ë
I: Í í Ì ì Î î Ï ï
N: Ñ ñ
O: Ó ó Ò ò Ô ô Ö ö Õ õ Ø ø
U: Ú ú Ù ù Û û Ü ü
Y: Ÿ ÿ
-: ß Æ æ Œ œ ¿ ¡

↑から必要な文字をコピーすれば,テキストボックスなどに貼り付けることができます。

おまけとして,Microsoft OfficeのWord限定なのですが,少し便利な入力方法があるので紹介します。

例えば,「á」と入力したい場合は,直接入力モード(半角英数)にしてから,[SHIFT]と[CTRL]と[ ’(アポストロフィ。ひらがなで「や」のキー)]の三つを同時押しした後,一旦手を離してからアルファベットの「a」キーを押します。
大文字の「Á」を打ちたい場合は,先程の三つを同時押しした後で,一旦手を離してから[SHIFT]を押しながら「a」キーを押します。

ちょっとややこしいので,一覧にまとめてみました。

á: [SHIFT]+[CTRL]+[ ’(や)] → [a]
à: [SHIFT]+[CTRL]+[ `(@)] → [a]
â: [CTRL]+[ ^(へ)] → [a]
ä: [CTRL]+[ :(け)] → [a]
ã: [SHIFT]+[CTRL]+[ ~(へ)] → [a]
å: [CTRL]+[ `(@)] → [a]
ç: [CTRL]+[ ,(ね)] → [c]
ø: [CTRL]+[ /(め)] → [o]
ß: [SHIFT]+[CTRL]+[ &(お)] → [s]
æ: [SHIFT]+[CTRL]+[ &(お)] → [a]
œ: [SHIFT]+[CTRL]+[ &(お)] → [o]
¿: [SHIFT]+[CTRL]+[ALT] +[ ?(め)]
¡: [SHIFT]+[CTRL]+[ALT] +[ !(ぬ)]

これらの応用で,「ÆON」とか「Être à même」などと入力できるはずです。
覚えると便利なので,せめてIEだけでも対応してくれないかなあ。

京都コンピュータ学院(KCG)
京都情報大学院大学(KCGI)

comments

[イオンモールKYOTO] ぶらぶらしてみました

2010年6月4日に京都コンピュータ学院京都駅前校の近くでグランドオープンしたイオンモールKYOTO。
話題になっているので,様子を覗いてきました。

どのお店も開店直後ということもあって大賑わい。
開店祝いの花輪が飾られている店もあって,中でも2Fのヘアサロン「air-KYOTO」は,女優さんやモデルさんたちから贈られた花輪がひときわ目を惹いていました。

ちょっと笑ったのが,木下優樹菜さんの花輪の隣に,FUJIWARA・藤本敏史さんの花輪が飾られていたこと。
二人でお得意さんなんでしょうね。

京都コンピュータ学院(KCG)
京都情報大学院大学(KCGI)

comments

Ubuntu 10.4でiPod touchのファイルを直接操作できるのか(iPhoneやiPadも?)

※この記事ではJailbreak(JB,脱獄)に関する内容は扱いません。筆者のiPod touchはJBを一切行っていません。

これまで,DAP「Cowon iAUDIO M3」とPDA「Sony CLIE PEG-TH55」を使っていたのですが,どちらもバッテリがヘタってきたこともあり,二台の機能をまとめる意味を込めて,昨年末にiPod touch 3G 64GB(MC011J/A)に乗り換えました。

iAUDIOもCLIEもドラッグ&ドロップでファイルを操作できたのですが,iPodはご存知の通りiTunes経由でファイルを転送しなくてはなりません。
iPodの容量を超えない範囲のメディアファイルしかない場合は一発同期で便利なんでしょうけど,我が家には3000枚を超える音楽CDがあり,曲セレクト→プレイリスト作成→ファイルの入れ替えを頻繁に行います。

毎回面倒だなと思っていたところ,Ubuntu 10.4ではiPhone/iPod touchに標準対応か?とのtweetを発見。
で実際,Ubuntu 10.4を入れたノートPCにiPod touchをつないだところ,普通に認識されてデスクトップにマウントされました。ご丁寧にアイコンもiPodの形をしています。

iPodのアイコンをダブルクリックしたところ,,,中身が見えました。windowsのエクスプローラからだと写真が入っているフォルダしか見えないのですが,「ApplicationArchives」「Downloads」「Purchases」「Safari」「iTunes_Control」などといったフォルダが丸見えです。
「iTunes_Control」→「Music」と入っていくと,「F00」「F01」…「F49」といった連番のフォルダがあり,その中にmp3などの音楽ファイルが300個くらいずつ入っています。

ただしファイル名が “大文字のアルファベット4文字に変更” されています。デスクトップなどにドラッグしてコピーすることはできますが,曲名・アルバム名・アーティスト名などの並び順は完全にランダムです。
もちろんID3タグの情報は保持されていて,右クリックでプロパティを見ると曲名・アーティスト名などの情報が確認できるのですが,「iPodに直接ドラッグ&ドロップで曲を追加」という夢は潰えたのでした。
まあ,iPodから曲ファイルを抜き出すことはできるので,最悪の事態を想定してバックアップとしては使えるかも。。。
頑張ればいらない曲を手動削除することも可能かもしれませんが,目的のファイル探すのが大変だし,iTunesの操作でチェックボックスを外して同期から除外したほうが圧倒的に楽でしょう。

linux版iTunesは2010年6月現在では存在しないので,代わりになる「Rhythmbox」という携帯オーディオ・プレイヤーがUbuntu 10.4には入っています。しかし,同期がらみのバグ報告を色々耳にするので,ここでは「gtkpod iPod Manager」というアプリケーションを紹介します。
「Ubuntuソフトウェアセンター」で「gtkpod」と検索すれば見つかると思います。

操作の前の下準備として,まずファイルブラウザでHomeにある隠しフォルダ「.gvfs」を開きます。
iPodが接続されていると,そのiPodの名前のついたフォルダが見えるので,その名前を覚えておきます。

gtkpodを起動し,「編集」メニューの「Repository/iPod Options」を開きます。
右上にある「Add new repository/iPod…」ボタンをクリック。
 Repository name: に任意の名前を入力
 iPod mountpoint: に「home/(ログインユーザ名)/.gvfs/(iPodの名前)」を入力
 iTuneDB backup: に任意のフォルダを指定
 Model: はお使いのiPhone/iPod/iPadの種類を選択
「追加」ボタンを押すと,gtkpodの左ペインのプレイリスト欄に新しいiPodが登録できました。
ここで「iPodから読み込み」ボタンを押すと,左下に読み込みの経過が表示されます。
途中,「アートワークに対応する曲が見つかりません」とか警告されるかもしれませんが,OKしていくと右ペインにiPodに入っている曲が一覧表示されます。

この状態で曲の追加・削除や同期・非同期の設定ができるようになりました。新規プレイリストの追加もiTunesと同様にできます。
操作後は,「変更を保存」ボタンでiPodに反映(同期)させます。

ここで素晴らしいことを発見!
iTunesでは,自動おまかせ選曲機能「Genius Mix」を設定しても,各mixに実際どんな曲が登録されたのか確認することができませんが(秘密にすることで選曲の意外性が高まるからでしょうが),gtkpodからだとプレイリストの一つとして表示されるので一目瞭然。曲の追加や削除もできます!
Geniusのくせに馬鹿だ(?)とお嘆きの方は,ぜひお試しください。

あと,曲やプレイリスト,あるいはiPod自体のアイコンを右クリックして「曲をファイルシステムにコピーする」を選ぶこともできます。
ファイルブラウザで見たときにはランダムなアルファベットに書き換えられていたファイル名も,元に戻っています!
でもこれって,Appleさんの提唱する「著作権の保護を目的とした云々」に抵触しないのかな?
開発チームの見解は不明ですが,ちょっと心配です。

京都コンピュータ学院(KCG)
京都情報大学院大学(KCGI)

comments

IE8の「開発者ツール」は案外使える

2009年3月20日に公開されたIE8は,MSにしてはまともにW3C規格に沿って表示できるブラウザで,一年程経過した現段階ではまずまずの評価を下してもよいのではないでしょうか。
ただ,HTML5対応は他ブラウザに比べてかなり弱いので,IE9での巻き返しに期待しましょう。

KCGで僕が担当しているウェブの授業では,4月5月でHTML・CSSの範囲を終え,6月からJavaScriptの内容に入っているのですが,毎回,学生の入力ミスなどによる動作エラーがおこりがちで,教員としてはデバッグのお手伝いをできるだけ手早く行いたいところです。

Dreamweaverがインストールされている実習機だと,リアルタイムのデバッグ機能があるので,学生も自分でバグの場所を見つけて修正しているのですが,すべての教室のマシンにAdobeCS4が入っているわけではありません。
秀丸などのテキストエディタでソースコードを入力し,いざブラウザで表示確認してみるとエラー,「先生,わかりませーん」で一緒にバグ探しをするというのが以前まではよくある風景でした。

今年度からは,Mac以外の実習機はすべてwindows7になり,IE8が標準搭載されています(Macの教室にはすべてAdobeCS4が入っています)。このIE8には「開発者ツール」というものがあるのはご存知でしょうか。
「ツール」メニューから「開発者ツール」を選ぶか,F12キーを押すと立ち上がります。

「HTML」タブを選ぶと,ドキュメントの構造が一目瞭然で表示され,要素の親子関係が把握しやすくなります。各属性の設定値や,マージンなどのレイアウトの設定なども直接書き換えて表示確認することが可能です。また,各要素に設定されたスタイルシートのプロパティと値を外部ファイルも含めて一覧表示できます。カスケーディングによって無効にされた値には取消し線が引かれ,どの設定がページ内で「活き」なのかすぐ分かります。

「CSS」タブを選ぶと,外部*.cssファイルごとにすべてのプロパティに対するチェックボックスが用意され,on/offの切り替えで表示を確認することができます。値の変更も可能です。

「スクリプト」タブを選ぶと,JavaScriptのデバッグが行えます。ブレークポイントを設定して,細かく動作確認することもできます。Firefoxのアドオン「firebug」にも似たような機能がありますが,ブラウザシェアNo.1のIEでチェックできるというのが大きいですね。

「プロファイラー」タブを選ぶと,JavaScriptがクライアントに与える負荷を調べることができます。不必要なループや細かすぎるタイムアウトなど,ブラウザの動作が重くなる原因を探すときに便利でしょう。

「開発者ツール」とありますが,開発者はもちろん,授業担当の教員にとっても非常に便利なツールです。

京都コンピュータ学院(KCG)
京都情報大学院大学(KCGI)

comments