空冷カワサキフラッグシップ

kawasaki Z1000R FCR

マーケットでの言説に乗せられてJ系よりもZ系を選び,あまり改良も加えずに乗り,「なんだこんなもんか」,などと思われた向きには,ぜひJ系のノーマルを体験してもらいたい。ノーマルのままで,確実に,心を打つだろう。

Z系は,特に国内向け750モデルでは,エンジンが重ったるく回るので,あまり驚きもないかもしれない。空冷カワサキは,少なくとも1000cc,できれば1100ccくらいの排気量で,軽くチューンすると異次元の鳴動を発する。
従い,ノーマルで最低1000ccであるJ系は,そのままで,その領域に達しているといえる。Z系エンジンのファクトリーチューンだと思ったら理解しやすいかもしれない。

J系のノーマルに乗って何も感じなかったら,カーカーでもいいし,リプロダクションでもいいから,何か集合管に変更してみる。そして,それでもさほどの感動が無かったら,空冷カワサキの世界とは縁が無い感性であるということだ。

オートバイにおいて大事なことは,まずはエンジンとの相性である。エンジンの鳴動を聴いて感じて,それに惚れることができるかどうか。そして次にシャーシ,車体である。車体を見て,触って,跨って,それに惚れることができるかどうか。
エンジンの鳴動に共感が無ければ,それは唯の高速トランスポーターに過ぎない。車体と肌が合わなければ,乗り続けることもできないだろう。

「オートバイ」,「バイク」という単一概念で括ることができないほど,二輪はメーカーや車種によって様々に個性があり,ライダーの個性との相性は多種多様である。自分にとっての最高の一台は,自分だけの一台であるから,良き伴侶を探してもらいたい。空冷カワサキは,どの一台を取っても,それなりの魅力があるので,数台体験してみると自分の個性にミートする一台に出会えると思う。

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