これは悲劇としか言いようがない「血涙」

ども,昔の本を紹介しているサスペンダーです。

でも,今回は昨日読了した,北方謙三著「血涙」(上下)をご紹介します。

血涙上血涙下

副題(新楊家将)にもあるように,これは楊家将の続編にあたります。
楊家将とは,中国は宋代初期の軍閥である楊家の物語です。
楊家を率いるのは,楊業,そしてその息子7人の戦いを描いたものです。敵は,宋の北部に位置する遼。そしてそこには「白き狼」の異名をもつ耶律休哥がいます。
楊家将は楊業の死(味方の裏切り)で幕を閉じます。

血涙(新楊家将)は,その息子たちが,楊家軍を再編し,耶律休哥に立ち向かうというお話です。
楊家は,楊業の死の際,長男(延平),二郎,三郎が死に,四朗,五郎は行方不明となりました。生きて戻ったのは,六郎,七郎の2人。他に戦争に参加していなかった八娘,九妹がいます。 そして,楊家は六郎が中心になり,七郎,九妹とともに戦います。
四朗は,記憶をなくして敵である遼の将軍になって,楊家の前に立ちはだかります。
五郎は,生きていましたが,楊家に加わることなく,四朗との一騎打ちに敗れてしまいます。
なんと,楊家は,六郎,七郎,九妹VS四朗となるのです。 しかも,途中で四朗は記憶が戻り苦悩の果てに遼の将軍になることを決めます。 
最後に,九妹は命を落とし,七郎は四朗に切られ,四朗は六郎に切られて終わります。 兄弟同士で殺しあうなんて,なんという悲劇でしょう。

男として,強く生きるという生き方には少し憧れるものはあるものの,読み終わったあとすっきりとはしませんでした。 結局,楊家が犠牲になり,宋と遼は講和という形で決着したのです。 戦争には犠牲がつきもので史実を曲げるわけにはいかないですが,物語はハッピーエンドのほうが僕は好きです。

おススメは,★★★です。

次は,ハッピーエンドのものを読みたいな。

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