KCGレーシングチーム

KCG レーシング
梅雨真っ只中。雨に関連した話題です。

一般に使用されるタイヤは,ゴムと路面の摩擦によりグリップを得ます。そしてタイヤの表面は,静粛性や低燃費,また排水性を確保するために,トレッドパターン(溝)が彫られています。これにより,私たちは,晴れた日も雨の日も同じタイヤで安全に走行することができます。
一方,レーシングタイヤは,グリップを得るための方法が異なります。一般のタイヤはゴムと路面の摩擦によりグリップを得るのに対し,レースタイヤはタイヤ表面を溶かして路面に粘着することでより大きなグリップを得ます。そのことから,乾燥舗装路面では接地面積を増加させるため,溝をなくしたスリックタイヤが使用されます。また,レーシングタイヤは溶かしてグリップを得ることから,タイヤ表面が充分に加熱されていないと本来の性能を発揮することはできません。スタート前のオープニングラップで,蛇行したり急発進を繰り返す場面を見かけますが,これはタイヤに熱を加える目的もあるのです。

レインタイヤ

この写真は,KCGシビックが使用するレインタイヤです。見た目は一般のタイヤのように見えますが,排水性を向上させるための大きな溝と,ウェットコンディションの低い路面温度でもグリップするように,非常に柔らかいゴムでできています。

(日本では道路運送車両法により,溝のないスリックタイヤは公道で使用することができません。)

レーシングカーには,デフロスター,いわゆる曇り止めのための送風機などは装備していていません。
そのため,ウェットコンディションでは,走行前に曇り止め剤を大量に吹き付けて曇らないようにします。
また,高速走行をするレースでは,ワイパーが風圧で浮いてしまい,その機能を果たさなくなるため,外側のガラス面には雨弾き剤を塗り込みます。

フロント



次戦は,第4戦鈴鹿(2008.7.12-7.13)です。

KCG レーシング
ホンダエキサイティングカップワンメイクレース2008シビックシリーズ
京都コンピュータ学院自動車制御学科

京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

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KCGシビック 第3戦(決勝)

KCG レーシング

岡山決勝

6月8日決勝
前日の天気予報では曇り時々雨。しかし,岡山国際サーキットは朝から快晴。
(最近の天気予報はぜんぜんあたらない…が,気持の良い朝)

午前10時25分の決勝のスタート時間が迫るにつれて,どんどん気温が上がり,28℃。
路面温度の上昇に合わせて足回りのセットアップに若干の修正を与えねばならない。
思案の末(ギリギリまで悩んで),ほんの少しだけ修正。

全車コースイン,グリッドまでの試走。
それぞれの選手がセットアップの確認や,タイヤの熱入れを行いながら各自のグリッドに整列する。
KCG村本選手も入念にタイヤに熱を入れる。
村本選手は,既に集中力を高め,あえて言葉は交わさないがスタートでのジャンプアップを狙っているようだ。

スタート3分前。
メカニックを含む全員がコース上から退去。
この時いつもドライバーに一言だけ言葉をかけるのだが,いつもなら「落ち着いてレースを組み立てろ」と言っているのに,なぜか今回は「行けるところまで行ってこい」と声をかけてしまった。

後から分かったことですが,この言葉を聞いてドライバーのテンションが最高潮に達してしまい,「よっしゃ!行けるとこまでいったるで!」と思ったとのこと。

フォーメーションラップ開始。
全車タイヤを温めるためにウェービング(蛇行走行)を行う。
1周のフォーメーションラップを終え,全車グリッドオン。レッドシグナル点灯。
ブラックアウト(スタート)!

村本選手は絶妙なスタートを決め,予選5番の選手に並びました…が,その選手が抜かれまいと必要以上に幅寄せを行い,村本選手に軽く接触!!
その接触で運が悪く左のドアミラーを倒され,左後方の視界を閉ざされてしまいました。
この接触にひるむことなくなんとか5番手をキープして1コーナーに進入,2コーナーから高速S字区間をクリア,アトウッドカーブに進入する時,またしても先ほどの選手が村本選手のイン側に突っ込んできました。
危険を感じた村本選手は一瞬ステアリング操作を遅らせて接触を回避し,脱出ラインをクロスさせてコーナーを抜けていったのですが,ワンメイク最高峰と言われるインターシリーズ。この2台のバトルの間に後続の選手にまで抜かれてしまいました。

この状況で一気に爆発寸前。続くバックストレートエンドのヘアピン手前でのブレーキング競争!
・・・・・・!!!?。
やってしまいました。完全なオーバースピード。ブレーキロックを起こし大きくポジションダウン。
おまけに,フロントタイヤにフラットスポットが出来てまともに止まれないような状態。

それでもなんとかリカバーしようと懸命にドライビングするも,2周目の1コーナーでまたしてもブレーキロック!コースアウト…。

なんとかコースには復帰できましたが最後尾の選手からも約400mの遅れ。
その後1台は捉えることができましたが結果は13位。
シリーズポイントも10位に後退…。

前戦もてぎ同様,ブレーキロックによってレースが終わってしまいました。
今回のレースではいろいろなアクシデントが重なり,残念な結果となりましたが,ここ数戦の経験を経て,少し表彰台が近くに見えてきた。そんな気がします。
次回第4戦鈴鹿(7月13日)は,得意なコース。今年の前半戦の締めくくりとして,「レース」を組み立てて,表彰台を目指します。

岡山決勝

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空冷ポルシェ 911(タイプ964)

KCG レーシング

ポルシェ 911

ポルシェ 911 1990年式(タイプ964)

944のことばかり書いてきましたが,もちろん空冷911のことは忘れていません。空冷911も上手に買うと,かなり廉くゲットできますから,○○ドロ的にポルシェを選ぶとすると,944か968の水冷FR,空冷964,そして初期型のボクスターあたりでしょうか。

空冷911は,街中でエンジンをかけたり止めたりという繰り返しをしているとオイル漏れしやすくなるのですが,豪快に行くなら,それでもいいかと思い始めました。964が廉くなっているから,というわけでもありませんが・・・,944系をレストアして乗ることを考えると,もしかしたらボクスターのほうが安上がりかなとか考えてみたりしているうちに,964でも道程度の予算で可能かも,などと思い始めました。オイルを漏らそうが,少々オーバーヒートしようが,根性入れてそれを仕事に使う,というのも,ひとつのあり方かと。
他方,イージーに行くなら,水冷ボクスターあたりのほうが944などの水冷FR系よりは,総額では安くつくかもしれません。

しかし,水冷FRで,極めてバランスの良い素直なハンドリング,ポルシェの技術でFR,というところが良いのですね~。
空冷911は,その当時の944や928に比べると,とてもクセの強い,個性的な車でした。今の911は,エンジンが後ろにあるということ以外,あの頃のポルシェとの共通点は無いように思います。エンジンも,ずいぶん大人しくなりました。944のエンジンは,今のポルシェに比べると,音も震動も,ずっと空冷時代の911に近いものを感じますね。


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KCGシビック 第3戦(予選)

KCG レーシング

岡山予選


6月5日(木)早朝,岡山国際は走りなれたサーキット,ドライバー自身も戸惑うことなくきっと良い結果が得られるだろうと期待をしての現地入りでした。

木曜日のテスト1日目はあいにくの雨,予定していたプログラムに若干の変更があったものの,金曜日までの2日間のテストは全体ではまずまずの仕上がりを見せていました。

土曜日予選
あれ?タイムが短縮できない・・・なんで??
昨日までの仕上がり具合を考えると,もっと上位を狙えるはずなのに・・・・?。
予選終了。
結局6位。
上位陣は開幕戦とほぼ同じ顔ぶれ。

早速,データロガーからデータをダウンロードし解析。
・・・・・。 ん?
やってしまった。またしても,ミス?ミス!ミスです。

以下,データ解析による状況解説。
ファーストアタック,気合いを入れすぎて,2コーナーでインに付けずタイムロス。
出したタイムが1分46秒07,ロスしたタイムが0.6秒。

続いて,セカンドアタック。
1~2コーナーを無難にまとめて,ファーストアタックより0.33秒タイムを削ってアトウッドカーブに進入!
・・・ん?
またしても欲張り(オーバースピード)すぎてオーバーラン。
・・・・。

気を取り直して3回目のアタックに挑むも,時すでに遅し。
スリックタイヤの発熱の良いところは既に超えてしまい,思うようなグリップ力は得られずに結局1分46秒06どまり。

きちんとまとめ上げていれば3番手は確実だったのに残念でなりません。
しかし,ペースは悪くないので明日の決勝に期待しつつ,気持ちを切り替えてサーキットをあとにしました。

タイヤ

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KCGレーシングチーム マツダスピードカップ サーキットトライアルに参加

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RX-7

6月7日,岡山国際サーキットで行われた,マツダスピードカップ サーキットトライアルに参加しました。
このイベントは,他車を追い越して順位を決めるのではなく,規定時間内にサーキットを周回走行してベストラップタイムで順位を決定するので,自由に各自のペースで走ることができます。
この大会はマツダ車しか参加できないため,KCGレーシングチームからは2台がエントリーしました。
「2008 パーティレース」に出場しているkcg.eduロードスターは,セッティングとタイヤテスト,また他の選手との情報交換のために。もう1台のRX-7は,京都コンピュータ学院自動車制御学科の実習車両です。この車には昨年度の卒業実習で制作した,エンジンの回転計とアクセルの開口値をデジタルで表示する計測器が組み込んであります。この計測器の動作チェックは市内の公道だけで行ったため,アクセルの開口値については十分なチェックができませんでしたが,今回の走行で正常に動作していることが確認できました。
また,同日は岡山国際サーキットでは,ホンダエキサイティングカップワンメイクレース2008シビックシリーズ 第3戦も開催されており,この日のサーキットはkcg.eduがあふれていました。

ロードスター

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KCGシビック 第3戦(2日目)

KCG レーシング

岡山2日目


昨日午後のウエットコンディションでの走行で,左フロントに少しダメージを受けましたが修復も完了し,今日はドライでの走行です。
今日のテストでの他の選手のタイムをチェックしてみると,なんと3番目!!
しかし,まだまだ満足できるセットが見つからず試行錯誤の状態です。
明日の予選に備えてイメージトレーニング中。

??なぜか今回は,4速ギヤが壊れるトラブルが続出しているようです。??

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KCGシビック 第3戦(初日)

KCG レーシング

okayama0605

今日から第3戦岡山国際が始まります。
今週は梅雨入りの影響もあって微妙な天気になりそうです。
朝から空は曇り空で今にも雨が降りそうでしたが,お昼前より雨が降ってきました。
幸いにも午前の2回の走行はドライで走ることができました。
ドライバーはお昼の休憩を利用して,過去の記憶と車載映像を照らし合わせて,イメージトレーニングをしていますが,・・・午後の走行は雨のセッティングになります。

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スポーツカーで仕事する ポルシェ

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スポーツカーで通勤する,得意先周りをする,配達をする,etc.

国産ワンボックスを新車で買う予算より経済的に,すこし旧いスポーツカーを日常で使うプロジェクトです。

長い間コンピュータの分野に関わっていると,技術の進化のめざましさと,人類がまだまだ発展する可能性がよく見えるのですが,同時に,コンピュータ・IT技術の現状と,人間が元来持っている素晴らしい能力との差異にも敏感になります。

ここでは自動車に限って論じますが,技術が進化するのは常に,「ある特定の分野についてそれを進化させようとした結果」に過ぎません。換言すれば,「技術の進化によって置き去りにされてしまう部分が常に少なからずある」ということです。

例えば,キャブレターからインジェクションに移行した技術の進化発展を考えてみましょう。70年代初期のものから,現代の最先端のインジェクションコントロールのシステムすべてを見ても,まだ,キャブレター独特の俊敏性や,そこから聞こえる音や,そしてそれらが総合的にかもし出す独特の味わいや風情は,技術開発の対象にはなっていません。それは,「移動のために走る」という合理性から見たときには,あまり重要ではないからです。移動のためだけではなく,「運転を楽しむ」とか,「音を味わう」とか,異次元の目的を求める人のことは,当然,無視されています。

人間と言うものは勝手なもので,少年期の思い出や感情や感覚をとても大切にします。そしてその瞬間瞬間に出会ったモノや人や情景を心に留めますね。技術は理論を積み重ねていくものなので,自然科学です。他方,感覚や人情や感情は人文科学の対象です。ここに,実は,技術の難しさと,そしてさらにはIT・コンピュータ技術のほぼ永遠と言って良いようなテーマがあるのです。すなわち,数値で測れるような技術の結果やそれを支える理論が,実際の人間存在の人文科学的側面に対処しうるか否かということです。

ありていに言えば,自動車は,年代とともに理論や技術は進化していきますが,人間の観念は決して時代とともに進化していくのではなく,唯に「変化していく」に過ぎない,ということなのではないでしょうか?70年代の技術は,技術という側面から見れば80年代よりも前時代で未熟であり,90年代の技術は,さらに進化した結果であり,21世紀の今の自動車技術は,70年代よりは遥かに勝っているのですが,人間の情念は,そのいずれを選ぶかは,その人の勝手な嗜好に過ぎないということなのです。

そして,ここで,「スポーツカーで仕事する」という言葉の真意は,「貴方が,それをスポーツだと思うような車で仕事をしたら,人生がもっと豊かになるのでは?」というテーゼと,もうひとつ,「日常でも四畳半を引きずるよりは,肉体の鍛錬をしたほうが良いのでは?」というテーゼと,そしてさらに,「自分が自分であるように,自由に発想を展開したら如何なものか」というテーゼを含むわけです。

冒頭の議論に戻りますが,「技術」はいつも,人間の情念を後回しにして,理論を優先する「結果」です。そればかりに左右されることなく,自分にとって大切なものを常に自覚し,それを求めることが大事であって,実は,それこそが,真の技術の進化発展に寄与する人類本来の有るべき姿ではないかと思うのです。

したがって,スポーツカーで仕事する。四畳半を引きずり,家財道具の一切合財と移動して家族に貢献する利便性は,それはそれで決して否定する根拠のない,別の方向の技術進化のテーマです。そして他方,自動車とストイックなスポーツの道具と規定し,そのように使うことも同様。それらがこれからの自動車文化の夫々の「ひとつ」のあり方だと思うわけであります。即ち,ワンボックスカーが仕事で使われることが認められるなら,スポーツカーを仕事で使うことも認められてしかるべき。そう言いたいのです。

ポルシェ911,フェラーリ,アストンマーチン,ジャガー,ルノー,ランチア,BMW,なんでもかまいません。「貴方が,スポーツできる車」を,仕事に使いましょう。貴方が,自身を進化発展させることのできる車のことです。そういった車に乗ることは,人類の技術を進化発展させることに寄与します。

だから堂々と,スポーツカーに乗りましょう!

ET-WEST2008のkcg.eduブースもがんばってください!

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スポーツカーで仕事する ポルシェ

KCG レーシング

スポーツカーで通勤する,得意先周りをする,配達をする,etc.

国産ワンボックスを新車で買う予算より経済的に,すこし旧いスポーツカーを日常で使うプロジェクトです。
比較対象は,『200万円~300万円程度の国産新車か最近の中古車を買って維持すること』です。
最近の新車は,品質管理が行き届いていて,5年で壊れて買い換えないといけないようになっていってます。しかも,壊れると,「修理する」のではなくて,「壊れたユニットを取り替える」ということになっています。地球環境問題を考えると,旧い車を大切に乗り続けるほうが良いかもしれません。そういった車の維持の仕方に対して,エンスーな趣味人は,ちょっと旧いベース車を探して,「スポーツカーで仕事する」のです。

team_zさんのブログには,カワサキZ2のことや諸々の空冷Zについて書かれています。その中でも少し記しておられますが,その,バイクの世界では,カワサキZ2とその後のカワサキZ750FやD-1との論争があるようです。それと同じように,ポルシェは「911がポルシェで924や944,968はポルシェではない」とかいった妙な論争があります。
バイクの世界では,カワサキZ2とZ750FとZ750D-1の全部の所有経験がある人は,何がZ2だとか,D-1はZ2なのかそうでないのかなどといったくだらない論争はしません。ポルシェも,911か,944のいずれかしか所有経験がない人,あるいは,どちらも知らない人たちが「水冷FRはポルシェではない」とか,「944はアウディの部品を多用しているから亜流だ」などと言うのではないでしょうか。そういった議論には参加しないことです。

空冷911の時代に,924や944は,RRの癖の強い空冷911に比べると,バランスが良くて,あまりにも「普通の車」でした。しかし,それを他のメーカーの車や,水冷化された後の911に比べると,924系は,「とってもポルシェ」です。そして今,水冷化されたRRの911や,カイエンやケイマンなどに比べたら,旧き良きポルシェの味が強く出ています。

また,ティプトロの空冷911や水冷911よりは,マニュアルの924系のほうがずっとスポーツカーです。ティプトロというオートマに乗りながら911こそがポルシェだなんて言われても,ちょっと「?」と言いたくなります。オートマの現行水冷911よりも,マニュアルの944のほうがずっと,スポーツカーで,旧き良きポルシェなのですよ。フェラーリも最近の360モデナなどよりも,昔の512BBのほうがずっとフェラーリスポーツカーです。何がスポーツカーを定義するのかにもよりますが,「スポーツする車」という意味では,ね。

水冷911を一台所有するよりも,それより廉価で空冷RRの911と水冷FRの924や944,968の二台を所有するほうが,エンスーです。ずっと,「ポルシェパラノイア」,です。

さらには,たった一台のスポーツカーで日常から非日常をすべてまかない,しかも,ポルシェ!と言うならば,街ノリから高速長距離までオールマイティな944がベストだと言えるでしょう。ボクスターは,現在の他のメーカーの車に比べたら,相対的にはポルシェの味ですが,昔の944に比べたら,マツダのロードスターかと思ってしまうほどです。水冷化されたあとの911は,エンジンが後ろにあるという以外,特徴に薄い。

車というものは,相対的に見てはじめて解ることや,絶対的にそれでなくてはならないような個性もあって,難しいですね。

もうひとつ,自動車ジャーナリズムのいつものスタンスを考慮しておく必要もあると思います。自動車のジャーナリストは,限られた取材の時間内に,取材対象の車に試乗して,レポートを書きます。空冷911の時代にも,同じように,短時間のインプレッションで数多くの記事が書かれていました。同じく短時間の試乗で944についても。でも,それは,長期間それを所有して,日常に使うというスタンスとは違うのです。
長期間にわたって両方を所有して,それぞれに乗っているとわかるのですが,空冷911は,疲れる車です。他方,水冷944は,マイルドで,長距離も楽です。どちらか一台,という妥協を考えると,944だと思うのです。
毎日944に乗っていて,たまに911に乗ると,もちろんもっと刺激的で面白いのですが,でも,911に毎日乗っていて,944に乗ると,車はこうあるべきだ,なんて思ってしまうはずです。

ともあれ,「スポーツカーで仕事する」,そのために,何が良いのか。巷に溢れる偏見に惑わされずに,自分の好みに従いましょう。もちろん,水冷911やボクスターだって否定はしません。フェラーリ308やロータスエスプリでも良いではありませんか。いっそのこと,ケーターハムのスーパーセブンでかっ飛ぶのもアリでしょう。子供の頃に憧れた,あのスポーツカーを所有して,それで,仕事するのは,素敵な大人になった証拠です。
ここまでスポーツカーが少なくなってしまった時代になって,四畳半を引きずって走っているようなワンボックスの車より,ずっとフォーマルで素敵な話ではありませんか?

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