「サク単! 線形代数」の読み方0 高校で行列を学んでいない世代が大学へ入学

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 高等学校の学習指導要領が脱ゆとりになりました。しかし,高等学校で1973年以来指導が続いた「行列」が2013年度の高校3年生が卒業と同時に消えました。2015年春,行列を見たことも聞いたこともない世代が,大学や専門学校に入学してきました。これは大変です。それよりも,脱ゆとりなのに,なぜ学習内容が減ったのかという疑問はわくばかりです。ソ連がなくなって,スプートニックショックもないので,行列なんかせんでええなんていうブラックジョークはやめましょう。

 とにかく,2015年春から線形代数を学ぶ方のために1年前に出版して備えてきました。
簡易目次をご覧ください。

  • 1章 座標幾何とベクトル
  • 2章 ベクトル
  • 3章 ベクトルと行列
  • 4章 連立方程式
  • 5章 線形変換
  • 6章 固有値問題と応用

 前書きで進めている順番は以下のとおり。
1章→2章→3章→5章→6章
         ↓
        4章

 「1章 座標幾何とベクトル→2章 ベクトル」という流れは一見当たり前です。
 「3章 ベクトルと行列」という流れは従前の著書である「線形代数と幾何」と同じです。ベクトルを複数並べると行列になります。この流れでとらえると,逆行列の定義などがわかりやすいです。特に,逆行列が存在しないことがスムーズに分かります。
 「4章 連立方程式」と「5章 線形変換」で流れが分かれます。
通常の線形代数の本は,4章と5章だけ述べているようなものです。

  • 4章=行列式論
  • 5章=線形変換・線形写像

 最後には,5章から続く流れとして「6章 固有値問題と応用」が語られます。固有値問題は多変量解析には必須です。

 4次以上の行列は表計算ソフトで扱うべきだと言っています。つまり,4次以上の行列式や逆行列の求め方を理解するなんて,今の時代にルートの開平の手計算をマスターするのと同じです。そんな暇があれば,表計算ソフトの行列に関係する関数の使い方をマスターしましょう。

【詳細目次】

第1章 座標幾何とベクトル    
第1講の講義    2次元座標幾何
第2講の講義    2次元ベクトル
第3講の講義    3次元座標幾何と直線
第4講の講義    2次曲線
    
    
第2章 ベクトルの内積・外積    
第5講の講義    内積
第6講の講義    3次元ベクトル
第7講の講義    3次元ベクトルと平面
第8講の講義    3次元ベクトル外積
    
    
第3章 ベクトルと行列    
第9講の講義    2次元ベクトルから行列
第10講の講義    行列の積
第11講の講義    逆行列
第12講の講義    ベクトルから行列
    
    
    
第4章 連立方程式    
第13講の講義    二元一次連立方程式
第14講の講義    三元連立一次方程式
第15講の講義    はき出し法
第16講の講義    不定・不能
第17講の講義    4次以上の逆行列の求め方
    
    
第5章 線形変換    
第18講の講義    2次元線形変換
第19講の講義    いろいろな線形変換
第20講の講義    線形性
第21講の講義    退化型の線形変換
第22講の講義    3次元の線形変換
第23講の講義    複素数平面
    
    
第6章 固有値問題と応用    
第24講の講義    固有値問題
第25講の講義    行列のn乗と対角化
第26講の講義    固有値問題の応用
第27講の講義    行列の線型微分方程式
第28講の講義    固有値重解とジョルダン標準形
第29講の講義    二次曲線の主軸変換
第30講の講義    群論

【参考】

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