手術日編(その2)

コントローラ

シンプルなUIを有する介護ベッドの有線コントローラ。

その他色々な説明をしてチャキチャキ姉さんは,それではまた後で会いましょうねー(はぁーと),と退場。あれ,剃毛は? まあいいや,どうせあるんだ。あるって,冊子にも書いてあるし。あるし…

そして,また少し時間が空く。痛みに関しては,ベッドで大人しくしているとまだ皆無。ビバ内臓脂肪。動くとさすがに痛いので,大人しくしている。しかし,入院というのは慌ただしいものなんだな。体感では,次から次へと人がやってくる。なんて考えてると,検査のお知らせ。レントゲンと,肺活量系。

ここで初車椅子。点滴をキャスター付きポールから,車椅子用ポールへ移し変える。車椅子自体は,押してもらえるので楽。ただ,病院内には,建物を増築した跡があり,1センチ以下の段差がある。この乗り物,後輪は大径ホイールなのでこのぐらいの段差は体感できない程だが,問題は前輪だ。機能上,キャスターにしなければならない事と,車体レイアウト上近くに足が存在する為,一般的にどうしても小径ホイールとならざるをえない。これが,数ミリの段差であっても影響を及ぼす。エレベータの乗り降りにしても,段差を超えますねと,もれなくアナウンスをしてくれる程に。病院こそ,こういう数ミリの段差にも気を遣って欲しいものだと思う。エレベータも同様。虫垂炎で初めて分かる視点。また,エレベータの車椅子用行き先ボタンパネルの押し易さに感動。ドンピシャ(死語)。

肺活量系検査(正式な名前は不明)は,肺活量と吸う力および吐く力の測定。車椅子に乗ったままなので楽だが,お腹に力が入らない状況が辛い。その状況下でも,肺活量は平均値。吸う力および吐く力は,平均以上の良い数字が出た様子。禁煙8年が効果を出してる? 麻酔用の検査なのかなと思い,先生と話をする。全麻? 局麻? と聞かれる。そうか,全身麻酔,局所麻酔はそんな風に略すのか。よし,看護士とコンパをするような事があったら使おうと脳内メモ。

検査も無事終わり病室へ。大人しくしている分には大丈夫だが,起き上がったり,寝転がったりの速さはご老体級。それを助けてくれるのが,電動ベッド。介護ベッドとでも呼ぶのだろうか,最高。起き上がるのがすごく楽。これ,ふつうに自分用に家に欲しい。ただ,出力上げるかギアレシオ変えて,もっと速く動くようにしたい。また,有線コントローラの良い置き場がない。カールコードの曳きが強く,落とす事が数度。高さを高い状態で落としてしまうと,今の体調では拾うのが大変。大仕事。

検査から戻り暫くすると,本日の担当看護士さんが登場。おへそのゴマを取ります。あ,はいお願いします。オイルみたいなもので,おへその穴をほじほじ。あっという間に終了。

…を剃らせてください。来た,ついにこの時が。さあ,どこでも剃ってくれ。やはりこういう時の頭の中は,般若心経(高校は仏教系)だな。かなり久しぶりな読経準備を整えてると,怪訝そうな顔でのぞきこまれる。え,下腹部じゃない? 太もも? あれ。手術中は,電位差を取り除く為(うろ覚え)に,太ももに電極シールを貼る。これが,剥がす時に毛が抜けてとても痛い思いをするので,あらかじめ剃らせてくださいとの事。軽く肩透かしをくらいながら了承。電動バリカンであっという間に終了。剃るというより,刈り上げる感じか。

手術には病衣を着なければならない。その場で着替える。ズボンは,手術室への移動直前までそのままで良いようだ。これで全ての準備作業が終了。あれ,剃毛はテイモウ。テーモー。すると,最近は手術部位以外の体毛は剃らないんですよとの返答。え!? なんだって!! テイモウが無い? この冊子にも書いてあるのに? そうか,周辺は関係ないのか。ちょっと待て。じゃ,俺が昨夜振り絞ったあの勇気の意義は一体。

そんな気持ちとは裏腹に今日も良い天気。

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