ぎお門の親子丼—京都の和食,日本食

ぎお門

 うどん,蕎麦,丼,焼き鳥,串カツなどを日本料理・和食のディナーだと勘違いしている人がいるが,これらは日本の伝統的ファストフードである。ヨーロッパのサンドイッチや,アメリカのハンバーガーなどに比較するものであって,決して,フルコースディナーの比較対象ではない。間違っても,「ディナー」だとは思わないこと。ファストフードでありながら,健康的で,美味いところが,そんじょそこらの洋もんを寄せ付けない,和の文化の深遠なのである。さて,京都・和の文化の伝統的ファストフードと言えば,トップバッターはぎお門の親子丼やデ♪

京都コンピュータ学院洛北校から東へ20分。京都コンピュータ学院白河校(旧浄土寺校)から北上しても20分,北大路通りと白川通りのT字路から北東に入ったところに「ぎお門」がある。蕎麦・うどんの類から定食までメニューは色々あるが,なんといっても親子丼が有名である。

 やや甘すぎる嫌いがあるが,玉子の溶き方,火加減,出汁と具の比率,何をとっても申し分無い。玉子はあくまでも半熟でありながら,他の具には完全に火が通っている。この状態でテーブルに出すには,加熱時間は一瞬のタイミングしかない。よくあるように,固まった玉子がしゃぶしゃぶ出汁に浮いているようなものでは,断じて無いのだ。頃合,間合い,タイミングの勝負を見せつけてくれる。

 東京でこういった丼物を注文したら,玉子がガチガチに固まっていて,黒い汁がかかっていて,醤油と塩がきつくて,いつも驚く。そんな丼ものに慣れた関東の人から見ると,京都の親子丼はお菓子の一種かと思われるかもしれない。それくらいまったりと甘く,ほんわりとしているのだ。京都の食べ物は,例え昼のファストフードでも,塩辛い労働のためのエナジーではなくて,たゆたう日常の心和むひと時なのである。

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