近江牛と近江の米,酒,野菜,玉子

近江牛

草津から彦根,米原へと,琵琶湖の東側を湖東と言う。琵琶湖のそばであるから水が豊富で,田園が広がり畑も多く,農産物が美味い。
その中で育成された近江牛は昔から有名である。

霜降りであるのに,さわやかに軽く,牛肉独特のしつこさがない。焼き上がりを待つのもほどほどに,次から次へと食べてしまった。

写真は,英語ではウイングというが,日本ではミスジとかいう,肩の骨の内側の肉である。一頭から2kgくらいしかとれない希少部位であり,繊細な筋肉が特徴である。筆者の好物のひとつである。

昔,昭和の時代には,国産牛はほぼすべてに雑穀の配合飼料と牛舎の匂いが染みついていて,独特の臭みがあったのだが,近年は輸入肉に対抗してか,そういう飼育方法に関する問題がほとんど無くなった。しかし,日本人は油脂が好きで,霜降りは世界に誇る日本の技術の結果でもあるから,霜降りがやたら増えており,どこで売っている国産牛でも脂っこい。

近江牛も同様に油脂が多いのだが,味わいがあまりにもあっさりしていて驚いた。さらりと胃の中に流れ込んでいくようであった。

近江は牛だけではない。米もあっさりとしていて美味いし,野菜も美味い。水口あたりの国道を走っていると,あちこちで農家が野菜や玉子を直売している。そういうのを見つけたら必ず買って帰って,琵琶湖の水の恵みを堪能するようにしている。

近江米は,新潟のコシヒカリなどにくらべるとずっとあっさりしていて,すこし頼りないような気にもなるのだが,透明な風を感じる。そして日本酒もおなじようにあっさりとクリアで美味い。

水は,農産物にとっては,その味を決する大きなファクターである。近江あたりの野菜や鶏卵には,大地の味,風邪の味,水の味が調和しているように想う。都会でスーパーに並ぶ大量流通品が失った,ものの味の基本が,滋賀県には多く残っている。琵琶湖は偉大である。

最近開店したイオンモールKYOTOは,京都駅の南に隣接するので,もっと滋賀県の農産物を並べて欲しいと思う・・・。

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