ひじき,と言えば・・・ひじきのレシピ

ひじき,と言えば。
ひじきの煮物,炊き込みご飯,色々あるのだが,原材料のことをまず。

乾燥させた干しヒジキが,乾物屋に売られている。一般には,これを水で戻して,煮ものにする。これは子供の頃から定番であったが,筆者はあまり好きではなかった。
最近,大分産だとか長崎産,熊本産,三重産とか,時々,スーパーに生のひじきが売られている。圧倒的に,生のほうが美味い。昆布やワカメと異なり,ひじきは,どうしてか,干したのを戻すと,喉に引っかかる。生のは,そうではない。

さて,よくあるひじきの煮物のレシピ。
生のひじき5に対して,1から2くらいの油揚げ。
あとは,醤油と出汁と日本酒。それだけ。
日本中のあちこちで,砂糖を入れるのが一般化しているが,砂糖は入れない方が,絶対に良い。乾燥ひじきの味の抜けを補うために,砂糖で甘みととろみを加える知恵が生まれたのだろう。
乾燥ひじきの場合は,まる一日くらい水に漬けたままにしておいて,とことん,戻す。あせらずに,戻す。これをきちんとするかどうかで,かなり変わってくると思う。うまく戻ったら,砂糖はいらないのではないだろうか。

油揚げは,できるだけ美味いものを使う。地元の豆腐屋が,店自慢の一品として売っているようなのを使いたい。湯どおしして,余分な油を落としておく。

ひじきをよく洗い,ひたひたの水にして鍋で煮る。出汁は,できればカツオ節から取りたいが,化学調味料の入ったなんとかの本だしでもいいや。
醤油は,良いものを使いたいが,なければ,家にある普通ので良い。
水で煮る前に,油で炒めるという手があるが,これはおそらく,水戻しの乾燥ひじきのために編み出された技ではないかと思う。生ならば,炒める必要はない。

うどんや蕎麦のかけ汁よりも薄いくらいの味付けにする。酒,醤油,出汁だけで良い。塩加減は,塩で調節しても良いが,醤油と酒と出汁だけが良い。ちょっと薄味だな~と思うくらいから煮詰めていく。

上質の油揚げと,醤油と酒,そして,海藻が本来持つ甘みだけ。それだけで,十分美味いものになる。煮あがったら,そのまま食しても良いが,一日,冷蔵庫で寝かせると,ひじきの芯にまで味がしみ込んで,さらに美味い。

昆布やワカメは,それだけでかなり滋味あふれる濃いィ味の海藻だが,ひじきはそれらに比べるとあっさりしている。そこに醤油や酒や油揚げの風味がしみ込んでいくと,なんとも言えないハーモニーが出来上がるのだ。

日本酒とひじきと油揚げの煮物,それだけ。たったそれだけで,一日を終えることができる。しみじみと,一日を噛み締めて,海に漂い,布団に包まれるのである。

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