平城宮大極殿の中は,巨大な空間です。
【高御座】
中央に,高御座(たかみくら)が置かれています。高御座(たかみくら)とは,天皇の玉座です。
平城宮の大極殿には,実寸大の復元模型が建物中央に設置されています。
ちなみに,現在の高御座はどこになるかと言いますと,なんと,京都になるのですね。
京都御所内の紫宸殿(ししんでん)に安置されている。明治天皇・大正天皇・昭和天皇の即位の大礼は高御座のある京都御所で行われた。
今上天皇の際には,高御座と御帳台(皇后の着座)を東京の皇居まで運び大礼が行われたが,再び京都御所の紫宸殿に戻された。
4月に実施される京都御所の一般公開で見ることができますので,ぜひ。
【四神】
四神(しじん)とは,4つの方向を守る聖獣で,キトラ古墳や高松塚古墳の壁にも描かれていたので有名です。最近では,韓国ドラマの「太王四神記」にも出ていましたので御存じかもしれませんが,高句麗の王子タムドク(ペ・ヨンジュン)が,苦難を乗り越えながら,四神の神器とその守り主を探し出し,真の王になるという物語です。
4つの方向とは,北=玄武(げんぶ),亀と蛇が合体したような聖獣です。東=青龍(せいりゅう),青い色のドラゴンです。南=朱雀(すざく),鳥の形の聖獣で,鳳凰(ほうおう)として知られています。西=白虎(びゃっこ),白い虎の形をしています。大極殿にも,高御座を中心に,この四神が4つの方向を守っています。
天井の4つの方向の壁に,四神が描かれていますので,ぜひ,見上げてみて下さい。ちなみに,四神の間の壁には,十二支が描かれています。
北(玄武)
東(青龍)
南(朱雀)
西(白虎)
【四神相応】
四神相応(しじんそうおう)とは,四方に四神にふさわしい地勢・地相をもった地形を言い,平安京(京都)は四神相応の地形として,都が作られました。
つまり,北の玄武=山(船岡山または貴船山,鞍馬山),東の青龍=川(鴨川),南の朱雀=池(巨椋池),西の白虎=道(山陰道)となります。
現在,巨椋池は,1933年から1941年の干拓事業で埋め立てられ,農地になってしまいました。ということは,今の京都は南の守りが手薄?
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