KCGアルファロメオ1750GTVの室内です。サーキットを走るために,軽量化と安全対策をしてあります。
こちらはデータロガー。
車を快適に速く安全に走らせるためには,走行中の車の状態を把握し,常に変化する道路状況に応じてエンジン,サスペンションなどを最適の状態に保つことが必要です。
しかし,車を運転しながらその状態がわかる人は,経験豊かなプロドライバーなど一部の人に限られます。
現代の車には,主要な箇所にセンサーが着いており,各種のデータをデジタル数値化し解析することにより,道路状況と走行状態を的確に把握し,運転をサポートするようにできています。そういったことのために小さなコンピュータが動いているのですが,それを動かしているのが,「組込みシステム」です。
現在の自動車は,IT化が進化しており,一台に数種類の組込みシステムが搭載されています。高級車では,そういったエレクトロニクス関連の生産コストが,3割以上に達しています。
また,モータースポーツの最高峰であるF1では,レース中のマシンの状態を把握するために,120個を超えるセンサーを搭載し,送られてくる膨大なデータを解析して,300km先のゴールを目指してレースマネージメントを行っています。それらセンサーより送られる情報量は1周あたり数字に置き換えると3500万字を超える膨大なものです。
KCGのアルファにも,F1には及びませんが, いくつものセンサーを取り付けています。
その目的は,自動車制御学科で学ぶ組込み技術に必要なデータロガーシステムの解析技術の習得です。
サーキットや一般道の走行をとおして,エンジンの点火時期,エンジン回転数,アクセル開度,燃料の混合比と流量,選択ギアなどが,燃費・出力効率などにどのように関係し影響するのかを実験しています。
ヒストリックカーを選んだ理由は,最初から電子制御のパーツが一切装着されていないから,かえってそういった部品を装着しやすいことと,そしてもちろん,かっこよくて楽しい昔のアルファロメオだからです。(今の車は,エンジンが中途半端な電気モーターのようで,あまり面白いとは思えません。)