トヨタ自動車が4日,F1世界選手権シリーズからの撤退を発表しました。
トヨタの撤退により,日本人ドライバーの出場チャンスが減るばかりか,モータースポーツ全体の地盤沈下も懸念される事態となりそうです。モータースポーツ界では,世界的な自動車不況の波を受け,昨年末にホンダが昨季限りで撤退。三菱自動車はダカール・ラリーでのワークス参戦を中止。世界ラリー選手権(WRC)では,スバルとスズキが昨年で撤退するなか,世界最大の自動車メーカーでもあるトヨタの判断がモータースポーツ界に及ぼす影響は計り知れないとの観測です。
先日の最終戦で6位入賞を果たし,今までの日本人ドライバーにはなかった才能に期待していた小林可夢偉の来期のトヨタでのシートがなくなったことは,非常に残念です。どこかのチームで走ってくれたらと祈るばかり。
また,中嶋一貴がウィリアムズを離脱した理由の一つに,トヨタがウイリアムズへのエンジン供給を打ち切ったこともあるとのことです。この2人は,トヨタが進めているTDP(トヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム)によってF1ドライバーになったことから,トヨタとしては今後も2人のF1残留に向けて支援していくことを表明しています。
トヨタは2002年からF1に参戦し8年間で2位が5回。ついに優勝をすることなくF1を撤退します。世界最大の自動車メーカーが威信をかけて戦ってきたにもかかわらず優勝ができなかったこと。これこそF1レースの面白さではないかと思います。
ホンダの撤退に続き,F1ファンの落胆は大きいでしょうね。
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