F1が存続の危機

KCG レーシング

F1参戦チームによる団体FOTA(Formula One Teams’ Association)と,国際自動車連盟FIA(Federation Internationale de l’Automobile)は,懸案となっていた予算制限の合意が出来なかったことから,FOTAが新たなシリーズを立ち上げると発表したことにより,現行のF1グランプリが存続の危機に立たされている。
昨年の12月,ホンダが経済危機を理由にF1からの撤退を発表。それに続いてWRC(世界ラリー選手権)でも,スバルとスズキが同時期に撤退するなど,3つの主要な自動車メーカーがモータースポーツシリーズから撤退したことから,FIAとFOTAの両者がコスト削減を実行する必要があると確信したことに始まる。
まず,FOTAから提案しされたコスト削減案では,プライベートチームにとってF1参戦を維持できるレベル(高額すぎ)ではないとFIAが反対。FIAは新規プライベートチームの参加も考慮しつつ,自動車メーカーらが妥当な水準の投資で競うことができるようにする方向で解決する意向だった。
しかし,FIAは突然レギュレーションを修正して2010年シーズンからの導入を決定。それに対して“2重構造”のレギュレーションが導入されるとしてFOTAから異議が噴出した。
そのレギュレーションの内容は,年間約44億円のコスト制限を受け入れるチームは,エンジンの回転制限なし。テスト禁止も免除,さらに2つの可動式ウイングなどを含むその他のアドバンテージを自由に利用することができる。しかし,この計画を拒み,無制限の年間予算での参戦を続けるチームは,2009年のレギュレーションに近い制限で戦わなければならないというもの。
FOTAはこの2重構造となるレギュレーションと,F1年間予算の80%以上を削られることになるチームがあることから,F1がレースカテゴリーや新技術の頂点に立つことが阻止されるとして,FIAの提案を拒否。両者の交渉が始まり,FIAは年間予算を約60億円に引き上げる議論に同意したものの,実施時期についての調整がつかないまま話し合いは続いていった。
その後,ウィリアムズ,フォース・インディアが,FIAに来年度のエントリー書類を提出したことから,6月19日,残り8つのチーム(フェラーリ,ルノー,トヨタ,BMWザウバー,ブラウンGP,マクラーレン,レッドブル,トロ・ロッソ)は新しいモータースポーツ・チャンピオンシップを創る意図を発表した。
現状では,来年のF1は13のプライベートチームがグリッドに並ぶことになり,既存のチームはウィリアムズとフォース・インディアだけになる。
F1の財政関連の専門誌(Formula Money)によると,8チームを失うことで,1年間の投資で約2,130億円もの損失が出ると予測されている。

今後,同意に達することも可能性としてあるとのことですが・・・・・。
FOTAが主張する高次元での競争のための技術開発と予算の関係と,FIAのコスト削減 による新チーム参入誘導での活性化。いずれも将来のF1の発展を思っての主張ですが。
どうなるのでしょうか。

KCG レーシング
京都コンピュータ学院自動車制御学科
京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

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