NHK大河ドラマ「天地人」の影響なのか,最近,書店で歴史小説のコーナーが設置されているがありましたので,のぞいてみると,面白そうな本がありましたので,思わず買ってしました。
その本が,「箱根の坂(上)・(中)・(下)」司馬遼太郎 講談社文庫です。
上巻680円,中巻680円,下巻730円,合計2090円
物語は,戦国時代の先駆けとなった,「北条早雲」が,箱根の坂を越えて,伊豆小田原を攻略し,後北条氏の祖となるまでの生涯を描いた小説です。
北条早雲は,応仁の乱から戦国時代に変わるときに,下剋上(下位の者が上位の者を打倒する)で,一介の素浪人から大名までになった代表的な人物です。この代表的な人物としては,北条早雲,斉藤道三と豊臣秀吉の3人の人物が挙げられています。
ただし,最近の研究では,
・北条早雲=室町幕府の中央官僚の伊勢氏の支流の出身となっており,身分的には,かなり高貴な身分となります。(小説も,将軍義政の弟の義視に仕えたとなっています。)
・斉藤道三=油売りから,美濃の大名に成り上がったことになっていますが,最近の研究では,長井新左衛門尉と斉藤道三の親子二代にわたる話とのことです。
・豊臣秀吉=百姓の子として生まれ,太閤まで成り上がった話は,有名な話で,百姓の子は,間違いないでしょう。
「箱根の坂」は,3巻とかなりのボリュームがありますが,とてもおもしろくて,読む終わるのにそれほどかかりませんでした。
また,応仁の乱から戦国時代になる時期は,事柄や人物がごちゃごちゃでよく分からないのですが,この小説は,なぜ応仁の乱がおこったか,室町幕府の守護大名と戦国大名の違いがよくわかりますので,お勧めです。
ちなみに,北条早雲と言っていますが,北条を姓にするのは,二代目の氏綱(早雲の子)からです。本当は,伊勢新九郎,早雲庵宗瑞と名乗っていました。
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