革靴とスーツと就活と:革靴編

さて,ご機嫌いかがでしょうか。ぜんのーです。
2回目ですが,私はスーツと革靴が好きです。

6月になって就活の選考が解禁となった企業も多いからでしょうか。街中でも新しいスーツに身を包んだ学生と思しき方々をよく見ます。
ですが,正直革靴がつらい意見をちょいちょい聞きます。
そんな就活生に,ちょっとでいいからポジティブに革靴を履いてもらえないかなあなどとぼんやり考えています。好きなものを周りが嫌いだと,ちょっと悲しいじゃないですか。
というわけでただ単に革靴とスーツが好きという観点から,就活の革靴やスーツといったところを書いていこうかと思った次第です。今回は革靴編です。

何で革靴履かなきゃいけないの?

なぜでしょう?もうそういうものだからとしか言えません。なんで昔の日本人は日常的に着物を着ていたの?て言われているような気持ちです。古くはヨーロッパの貴族がカジュアルダウンしていった結果が庶民の服(スーツ)となっていったという話を聞いたことがあるのですが,その際に履いていたのが革靴だったからビジネスの世界はスーツと革靴なんだと思われます。革靴は基本的に天然皮革を使用したものですが,合成皮革を使用したものもあります。
郷に入っては郷に従えという言葉もありますが,明治以降西洋化が進んだ日本では仕事の時の服装も徐々に西洋化していきます。スーツに革靴というのはその西洋の文化に沿った考え方と思います。

手入れって面倒じゃない?

もちろん面倒です。合皮の靴やガラスレザーなどと言われる靴は手入れもメンテナンスも楽なものが多いですが,スムースレザーと言われるような,「The 革靴」という類のものは定期的にメンテしなければ寿命が縮みます。ここで,履きつぶすかメンテと修理を繰り返して大切に使うかが分かれてきます。

履きつぶすという選択肢

ありだと思います。ただし,汚れた靴は想像以上に悪目立ちします。なので履きつぶすにしても何らかのメンテナンスはした方が良いと思います。
靴のクリームなどメンテナンス用品は100均でも売っています。最低限汚れ落としから艶出しまでこれ一本でOKみたいなものはゲットしておき,その道具で定期的に手入れをしていかれることをお勧めします。就活に必要なのは高価な革靴というわけではなく,きれいに手入れしている靴だと思います。たとえそれが数千円の合皮の靴だったとしてもきっちりきれいにしておきたいですね。
もし1足30万円近い靴を買ったとしても,ボロボロだったら残念な感じですよね。

履きつぶさないという選択肢

踵を筆頭に靴底も擦り減ります。すり減ったものは取り換えるということが可能な靴と不可能な靴があります。多くの靴は踵の部品は取り換えられると思いますが,あまりにもすり減りすぎると交換もできなくなるので要注意です。まずは近くの靴屋や靴修理屋に勇気をもって話しかけることをお勧めします。今の時代ネットで調べるのも良いかもしれません。革靴好きの先人たちが恐ろしいほど丁寧に情報を残してくれています。
で,大体ある程度お金を出したほうが長く修理しながら使える靴となりやすいです。
現在の一つの目安は3万円程度と思われます。あとは靴の製造方法が大きく関わります。
とはいえ,就活にお金もかかるのに就活用に靴を買うために3万円かかるのは非常に頭が痛い話です。なので,履きつぶす前提で作られた靴でも丁寧にメンテしてみてください。愛着がわいてくるようであれば,社会人になったらちょっと奮発して数万円の靴を買ってみる,という発想でも良いと思います。

革靴の色

ビジネスの世界では黒が不動の人気です。ですが,ネイビースーツには茶靴も合います。フォーマルな場に近しいほど黒にした方が無難です。これはスーツの色以上に明確な気がします。茶色はどっちかというとカジュアル寄りの色なんです。
後,ネイビーやバーガンディといった色もかっこいいですが,リクルートには非常に不向き(悪目立ちするし,基本は黒)です。黒の靴と次いで茶の靴を買って,その後のお楽しみに取っておきましょう。
正直,色は履き心地に直結するものではないので,TPO考えずに靴を選ぶという点だけを考えれば,見た目の好みを追求しても大丈夫な要素です。嬉しいですね。

革靴のデザイン

革靴好き以外には全く持って不思議な世界に映るようですが,革靴のデザインには結構な種類があります。一つの分かれ目は内羽根式か外羽根式かという違いです。
分かりにくいので写真を貼っておきます。こっちが内羽根でよりフォーマルと言われています。なお,このデザインは内羽根のストレートチップと言われる形です。

こちらが外羽根でカジュアルと言われています。

貴族の靴をルーツに持つ内羽根式と,軍人の靴をルーツに持つ外羽根式となっていて,結婚式などフォーマルな場は内羽根の靴を履いていくのが望ましいと言われています。が,まあ結婚式なんて祝う心優先ですよ。そのあとで装いがついてくれば良いと思うわけです。
で,就活でもフォーマルな内羽根の方が~とか言われたりしますが,まあ靴の種類よりはきれいにしているかの方がよっぽど大切です。
つま先のも多々あって,ビジネスの世界ではつま先にキャップが付いたものの中でも最もシンプルなものが一足あるとまず安心です。日本ではストレートチップと呼ばれるものになります。
その他,穴飾りのついた様々なタイプの靴があるのですが,それはおいおい別の記事にて。

内羽根と外羽根それぞれの良さ

内羽根の中でもストレートチップは最もフォーマルなため冠婚葬祭全てに対応できる万能選手です。リクルートスーツも冠婚葬祭どれでも行けるっていうので黒スーツを選ぶのであれば靴も黒のストレートチップにしておくのが一番良いと思います。日本のメーカーであるリーガルの靴なんかが最初の一足としては人気と聞きましたが,私は足に合わなかったので見送りました。ブランドがどことかいう話よりも自分が履いて歩きやすいかが何よりも大事だと思いますので,その上でどんな価格帯のものにするかを考えていくのがいいかなあと思います。実際のところ,就活って結構歩くと思うんですよね。近年ではオンラインでの面接も増え,そこまで移動距離は無くなったかもしれませんが,まず第一に歩きやすさとデザインと価格をどうバランスをとっていくかが大事だと思います。
外羽根は軍用の靴からの派生なので内羽根の靴より紐での調整が利きやすいのもあり,サイズ合わせはしやすいと思います。で,外羽根であればプレーントゥというキャップが付いていない靴が良いのではないでしょうか。

革靴のサイズ感

革靴に関する困るポイントは,サイズがスニーカーに比べてちっさくなりがちというところです。大体の日本の男子学生は緩めに靴を履いていると勝手に思っていて,その感覚で革靴を買うとガバガバな靴のフィット感となり,えらいこっちゃになります。タイトフィットと言って最初はきついくらいがいいという話もありますが,実際どの靴がどのくらい緩くなっていくかなんて買ってしばらく履かなければわかりません。なので,出来る限りジャストorちょっとだけきついかもで購入してユルユルになったらインソールという中敷きを入れるという作戦がおすすめです。
大きさこそ正義という時代ではないのです。靴もスーツもジャストサイズでバシッと決めたいものですね。
とはいえ,どれくらいきついと足が痛くなるかも人それぞれですので,最初はちゃんとした靴屋で店員さんと相談しながら検討いただくのがいいと思います。
なお,靴擦れが怖くて大きく緩いサイズの靴を買うと結果的に靴の中で足が動き,靴と擦れて靴擦れになったりもします。サイズ選びはくれぐれもお気を付けください。

女性の革靴

なんで就活の時の女性のベーシックな足元はパンプスなんでしょうね?女性にも革靴があるのでそれを選んでもらえる時代が来たら革靴好きとしては感涙ものなのですが。もともと社交界の正装とかでハイヒールという選択肢が上がるわけですが,正直履いている方を見ていると履きにくそうにしていらっしゃる方も多くいらっしゃいます。
パンツスーツを選んだとしても履く靴に応じて裾上げはしてもらえるはずですし,フラットなシューズでもいいんじゃないかと思うのですが,世の中の採用担当の皆様,その辺りいかがでしょうか。
なお,革靴にもハイヒールタイプは存在しますし,私の妻はフラットな革靴もハイヒールの革靴も愛用していらっしゃいます。

無理やりのまとめ

靴は服に合わせて選択されます。就職活動がスーツである場合はもちろんですが,オフィスカジュアルでも足元は革靴としている企業も多くありますので,就活を機に革靴と向き合い手入れも学ぶというのは非常に良いことではないかと革靴好きは思うわけです。
きちんと革靴を使いまわすには最低3足とは言いますが,結局のところ就活のために3足用意するのは現実的ではないですし,就職後も使用するために買うにしても先行投資が大きすぎます。
なので,まずは1足しっかり選んで大切にメンテしながら履いてみてください。スーツのシワが気になる人は多くても,靴は意識の外になりがちで,ボロボロでも案外気づかなかったりするものです。ですが,皆さんはデートにボロボロの服装で行くでしょうか。気合を入れて,ばっちりキメて,デート相手に会う前にトイレで身だしなみの確認をする人もいるかもしれません。なら就活も一緒です。特別な人に会いに行くのだからきちんと身だしなみは整えたいものです。

ぶちゃけ,ボロボロの靴で過ごしているサラリーマンも多いだけに,靴をシッカリきれいに保っていたらそれだけでも「こいつ,出来る…!」となる可能性は高いわけです。革靴をマメにきれいに手入れしていれば,仕事も同様にきっちりこなしてくれそうという印象を与えるとは言いますが,そんなことより汚い靴ときれいな靴,どちらを履きたいかと言われればきれいな靴じゃないですか?そんなシンプルなことでいいと思うのです。きれいな靴を履けばなんだかんだ背筋が伸びます。背筋が伸びれば見える景色も変わるってもんです。
そして就活を通してスーツとともに革靴が気にいったのなら,是非素敵な靴を手に入れて,5年10年と大事にしていってもらえるといいなと,靴好きとしては思うわけです。

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