先日、所用で出身大学の研究室へお邪魔したところ‥
月周回衛星「かぐや」の1/50模型が置いてありました。
JAXA(じゃくさ・宇宙航空研究開発機構)が昨年9月に打ち上げた月探査機です。
模型は先生が授業でお使いになるので、購入されたそうです。何でも若干お値段も‥なのだとか。
写真だと質感が判りにくいですが、本体は硬いプラスチックの様な感じ。
アンテナや太陽電池パネルが可動したり、2機の子衛星(「おきな」と「おうな」)が分離する様になっています。
「かぐや(SELENE)」には14種類の観測機器の他に、
NHK提供のハイビジョンカメラが搭載されています。
撮影された映像は、既にNHKやCSなどで放映されたので、ご覧になった人も多いでしょう。
昨日付のプレスリリースで、また新しい映像が公開されていました。
*JAXA | 月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)による「満地球の出」撮影の成功について
映像を見ると厳粛な気持ちになりますね‥ (‘o’)
プレスリリースでは高解像度の画像も数点公開されるのでパソコンの壁紙などにもお薦めです。
ついでにこれまで公開されたハイビジョン撮影のプレスリリースもあげておきます。
*月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)動画撮影成功について (2007-10-01)
*月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)による「地球の出」撮影の成功について (2007-11-13)
1つだけ(細かいことですが)言及しておくと‥
月は地球に対して常に同じ面を向け続けているので、
実際月面に立って待っていても地球の位置は変化しません。
「アポロ」や「かぐや」などの宇宙船や人工衛星が月の上空を飛行して移動しているので、
あたかも地球が昇ってくる様に見えるのですね。
地球で見る日の出・日の入りと少し違うところです。
では‥月が地球に対して常に同じ面を向けているのは、偶然でしょうか?
実はこれには理由があるのですが、少し意外な感じがするかも知れません。
興味がある方は調べてみて下さい。 (‘_’)/
私が前述の研究室の大学院生だった頃‥
地球の周辺の宇宙環境計測を行っている人工衛星の、
オペレーションをお手伝いしたことがあります。
JAXA(当時は「宇宙科学研究所」)所属の責任者の先生方の指導を受けながら、
1日1回、人工衛星から転送されてくるデータに目を通して、
衛星の軌道や機器の状態に異常が無いか
データが正しく観測されているかチェックしたり、
観測器を制御するコマンドを並べたプログラムを作成して
衛星に転送したり、などの簡単な作業(めっちゃ気疲れしますが)を実施しました。
これらは衛星の運用という業務と、
大学院生の教育という2つの目的を兼ねて行われています。
その様な場所へ行ってみて初めて知ったことなのですが、
そういった観測(業務)は製作から運用まで、JAXAや各地の大学・研究機関の方たちだけでなく、
重工系や大手電機メーカー系の企業の方々も大勢たずさわっておられました。
そんな中でよりIT寄りの企業は、例えば‥
*NEC東芝スペースシステム
*三菱スペース・ソフトウエア
‥などが挙げられます。
宇宙とか月探査、人工衛星・ロケットなどと聞くと、ロマン先行、格好良い漫画やアニメの世界、
自分たちの生活や進路からはとても遠い、という印象を受ける方も多いかもしれません‥
しかしそこは最先端の技術の粋が集められる現場であり、
ITや制御などを本学院で学んでいる皆さんにも
決して縁遠いところではありません。
宇宙に限らないですが‥進路を考える際、
自分のロマンや憧れ、好きなものなども大事にしながら、
いろいろ調べてみると面白いかもしれませんね。