空冷ポルシェ 911(タイプ964)

KCG レーシング

ポルシェ 911

ポルシェ 911 1990年式(タイプ964)

944のことばかり書いてきましたが,もちろん空冷911のことは忘れていません。空冷911も上手に買うと,かなり廉くゲットできますから,○○ドロ的にポルシェを選ぶとすると,944か968の水冷FR,空冷964,そして初期型のボクスターあたりでしょうか。

空冷911は,街中でエンジンをかけたり止めたりという繰り返しをしているとオイル漏れしやすくなるのですが,豪快に行くなら,それでもいいかと思い始めました。964が廉くなっているから,というわけでもありませんが・・・,944系をレストアして乗ることを考えると,もしかしたらボクスターのほうが安上がりかなとか考えてみたりしているうちに,964でも道程度の予算で可能かも,などと思い始めました。オイルを漏らそうが,少々オーバーヒートしようが,根性入れてそれを仕事に使う,というのも,ひとつのあり方かと。
他方,イージーに行くなら,水冷ボクスターあたりのほうが944などの水冷FR系よりは,総額では安くつくかもしれません。

しかし,水冷FRで,極めてバランスの良い素直なハンドリング,ポルシェの技術でFR,というところが良いのですね~。
空冷911は,その当時の944や928に比べると,とてもクセの強い,個性的な車でした。今の911は,エンジンが後ろにあるということ以外,あの頃のポルシェとの共通点は無いように思います。エンジンも,ずいぶん大人しくなりました。944のエンジンは,今のポルシェに比べると,音も震動も,ずっと空冷時代の911に近いものを感じますね。


KCG レーシング
京都コンピュータ学院自動車制御学科

京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

comments

スポーツカーで仕事する ポルシェ

KCG レーシング

スポーツカーで通勤する,得意先周りをする,配達をする,etc.

国産ワンボックスを新車で買う予算より経済的に,すこし旧いスポーツカーを日常で使うプロジェクトです。
比較対象は,『200万円~300万円程度の国産新車か最近の中古車を買って維持すること』です。
最近の新車は,品質管理が行き届いていて,5年で壊れて買い換えないといけないようになっていってます。しかも,壊れると,「修理する」のではなくて,「壊れたユニットを取り替える」ということになっています。地球環境問題を考えると,旧い車を大切に乗り続けるほうが良いかもしれません。そういった車の維持の仕方に対して,エンスーな趣味人は,ちょっと旧いベース車を探して,「スポーツカーで仕事する」のです。

team_zさんのブログには,カワサキZ2のことや諸々の空冷Zについて書かれています。その中でも少し記しておられますが,その,バイクの世界では,カワサキZ2とその後のカワサキZ750FやD-1との論争があるようです。それと同じように,ポルシェは「911がポルシェで924や944,968はポルシェではない」とかいった妙な論争があります。
バイクの世界では,カワサキZ2とZ750FとZ750D-1の全部の所有経験がある人は,何がZ2だとか,D-1はZ2なのかそうでないのかなどといったくだらない論争はしません。ポルシェも,911か,944のいずれかしか所有経験がない人,あるいは,どちらも知らない人たちが「水冷FRはポルシェではない」とか,「944はアウディの部品を多用しているから亜流だ」などと言うのではないでしょうか。そういった議論には参加しないことです。

空冷911の時代に,924や944は,RRの癖の強い空冷911に比べると,バランスが良くて,あまりにも「普通の車」でした。しかし,それを他のメーカーの車や,水冷化された後の911に比べると,924系は,「とってもポルシェ」です。そして今,水冷化されたRRの911や,カイエンやケイマンなどに比べたら,旧き良きポルシェの味が強く出ています。

また,ティプトロの空冷911や水冷911よりは,マニュアルの924系のほうがずっとスポーツカーです。ティプトロというオートマに乗りながら911こそがポルシェだなんて言われても,ちょっと「?」と言いたくなります。オートマの現行水冷911よりも,マニュアルの944のほうがずっと,スポーツカーで,旧き良きポルシェなのですよ。フェラーリも最近の360モデナなどよりも,昔の512BBのほうがずっとフェラーリスポーツカーです。何がスポーツカーを定義するのかにもよりますが,「スポーツする車」という意味では,ね。

水冷911を一台所有するよりも,それより廉価で空冷RRの911と水冷FRの924や944,968の二台を所有するほうが,エンスーです。ずっと,「ポルシェパラノイア」,です。

さらには,たった一台のスポーツカーで日常から非日常をすべてまかない,しかも,ポルシェ!と言うならば,街ノリから高速長距離までオールマイティな944がベストだと言えるでしょう。ボクスターは,現在の他のメーカーの車に比べたら,相対的にはポルシェの味ですが,昔の944に比べたら,マツダのロードスターかと思ってしまうほどです。水冷化されたあとの911は,エンジンが後ろにあるという以外,特徴に薄い。

車というものは,相対的に見てはじめて解ることや,絶対的にそれでなくてはならないような個性もあって,難しいですね。

もうひとつ,自動車ジャーナリズムのいつものスタンスを考慮しておく必要もあると思います。自動車のジャーナリストは,限られた取材の時間内に,取材対象の車に試乗して,レポートを書きます。空冷911の時代にも,同じように,短時間のインプレッションで数多くの記事が書かれていました。同じく短時間の試乗で944についても。でも,それは,長期間それを所有して,日常に使うというスタンスとは違うのです。
長期間にわたって両方を所有して,それぞれに乗っているとわかるのですが,空冷911は,疲れる車です。他方,水冷944は,マイルドで,長距離も楽です。どちらか一台,という妥協を考えると,944だと思うのです。
毎日944に乗っていて,たまに911に乗ると,もちろんもっと刺激的で面白いのですが,でも,911に毎日乗っていて,944に乗ると,車はこうあるべきだ,なんて思ってしまうはずです。

ともあれ,「スポーツカーで仕事する」,そのために,何が良いのか。巷に溢れる偏見に惑わされずに,自分の好みに従いましょう。もちろん,水冷911やボクスターだって否定はしません。フェラーリ308やロータスエスプリでも良いではありませんか。いっそのこと,ケーターハムのスーパーセブンでかっ飛ぶのもアリでしょう。子供の頃に憧れた,あのスポーツカーを所有して,それで,仕事するのは,素敵な大人になった証拠です。
ここまでスポーツカーが少なくなってしまった時代になって,四畳半を引きずって走っているようなワンボックスの車より,ずっとフォーマルで素敵な話ではありませんか?

KCG レーシング
京都コンピュータ学院自動車制御学科

京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

comments

スポーツカーで仕事する ポルシェ

KCG レーシング

スポーツカーで通勤する,得意先周りをする,配達をする,etc.

国産ワンボックスを新車で買う予算より経済的に,すこし旧いスポーツカーを日常で使うプロジェクトです。
比較対象は,『200万円~300万円程度の国産新車か最近の中古車を買って維持すること』です。
最近の新車は,品質管理が行き届いていて,5年で壊れて買い換えないといけないようになっていってます。しかも,壊れると,「修理する」のではなくて,「壊れたユニットを取り替える」ということになっています。地球環境問題を考えると,旧い車を大切に乗り続けるほうが良いかもしれません。そういった車の維持の仕方に対して,エンスーな趣味人は,ちょっと旧いベース車を探して,「スポーツカーで仕事する」のです。

ポルシェ944ばかりにこだわる必要はありません。
旧いスポーツカーならば,国産という手もあるでしょう。フェアレディ,スカイラインGTR,RX-7,お好みで。外車ならば,フェラーリのV8モデル,BMWのM3,ロータス,アルピーヌ,色々とあります。カーマガジン風に言うと100ドロ(100万円で泥沼)に入るようなのが狙い目ですが,エンスー度合いはすこし少ない目にしたほうが実用性が上がりますね。

こういった旧車を楽しむための心積りやコツを書いておきます。

・ベース車は安く仕入れて,プラス50万~100万円くらいの予算はとっておく。(ポルシェ944の例だと,ベース車10万~30万,パーツ代に50万~100万程度で十分でしょう。ただし,大半の整備は自分でするという条件付きですが。)
・パーツは,オークションや海外の専門ショップから廉く仕入れる。
・できるだけその車を理解し,自分で整備する。そうは言っても,プロの整備に依頼しなくてはならない部分も必ずあるので,懇意の町工場を確保する。
・その車の生産国の言語も多少は勉強する。電子辞書で読める程度にはなりたい。
・もちろん,整備マニュアルとパーツリストはゲットしておく。

以上の条件を満たせば,そんなに難しいものではありません。あとは,「それを楽しむ」というスタンスです。
「外車は高価」という思い込みは,実はパーツ代金が高いわけで,整備代金は国産車とさほどかわりません。パーツを適切な値段で仕入れる能力を得れば良いだけです。20世紀のインジェクションモデルは,制御回路も単純なので理解しやすいし,代替できるパーツがたくさんあります。おそれる必要はありませんが,それを楽しむ精神は重要です。

フランス語やドイツ語を始めるよりは,中学のときに習った英語でとりかかるほうが手っ取り早いので,すこしイギリスはじめ英語圏のことも書いておきます。
イギリスは英語圏でもあり,「車は自分で維持する」という文化の国なので,旧車を維持しやすい環境が出来上がっています。ポルシェやフェラーリでさえ,イギリスで中古パーツを買うと安い場合があります。しかも,右ハンドルの国なので,フェラーリBBの右ハンなどが普通に流通しています。(BBは右ハンのほうがポジションが良いのですよ)
イギリスやオーストラリアにも,アメリカにも,中古部品専門の解体業者などが,雑誌に掲載されています。「クラッシックカー」などの,英語の雑誌を購入しましょう。旧車に関する情報を仕入れることが第一です。ネットでも調べて見ましょう。そしてEメールで交信すれば,あとはVISAやマスターカードで支払うだけです。買い方のコツは追って書きます。

日本では,ディーラーで車を購入して,整備は全部ディーラー任せで,「大枚はたいて車を維持する」のが当たり前になっていますが,諸外国では,「自動車を庶民感覚で廉く維持する」という文化が,普通に根付いています。高級車も,中古になってしまうと庶民の趣味の対象です。そうった人々と文化にアクセスできるようになることがコツといえばコツでしょうね。

実際に中古車を買うならば,「日本は世界でも有数の中古車の廉い国」,です。イギリスは税金の関係もあって,こと車両に関しては,イギリス国内価格はとても高いですね。しかし,中古パーツはとても廉いです。

色々と,よく調べて,世界中から,これと思った一台を探しましょう。ポルシェ944,928,924,968,などの往年の水冷ポルシェ,あるいはナローや911の空冷ポルシェ,フェラーリV8モデルの308や328,GT4などの4シーターも良いですね。ロータスエスプリ,アルピーヌA310(これは熱対策が面倒ですが),ランチアデルタも最近はずいぶん廉くなってきました。あるいは,徹底して経済的に,往年のMINIをモンテカルロラリー仕様にするなんてもの楽しいでしょうね。

それを仕事に使う場合,通勤特急にするとか,得意先まわりをするとか,用途は色々あるでしょうが,ビジネスはタイムイズマネー,速く移動できることを最優先にしましょう。取引先との関係から,大人しく「羊の皮を被ったオオカミ」系も良いのですが,ド派手な「走り屋」系でも「スーパーカー」でも良いじゃないですか。人生の大半は働く時間。その間の移動時間くらいは,趣味の自動車で楽しみましょう。
10年前なら後ろ指さされたエンスーの世界も,今となっては,「お好きなんですねえ」の一言で済むことが多くなってきました。日本の自動車文化もそろそろ熟成の時期が来ているのではないかと思っているのですが・・。

KCG レーシング
京都コンピュータ学院自動車制御学科

京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

comments

スポーツカーで仕事する ポルシェ

KCG レーシング

スポーツカーで通勤する,得意先周りをする,配達をする,etc.

国産ワンボックスを新車で買う予算より経済的に,すこし旧いスポーツカーを日常で使うプロジェクトです。

一見してスポーツカーに見える車と,そうでない車があります。一見して,スポーツカーに見えない車は,近所の手前や諸般の事情で地味なのが良い,とか,目立たないのが渋い,とか,色々と価値観がありますから,それぞのの好みでは有ります。

しかし,「スポーツカーで仕事する」というコンセプトの場合,一見してスポーツカーに見えることが大切です。何故なら,人が道を譲ってくれるからです。

KCGのランチアデルタやアルファロメオなど,いくら色が赤だの黄色だのと派手な色でも,普通のファミリーカーに見える車だと,一般車の流れに入ることを強いられます。KCGデルタは黄色ですが,普通に見ると,色が派手なだけのただのファミリーカーに見えるようで,なかなか道を譲ってもらえません。

他方,一見して,それがスポーツカーだとわかる車の場合,特に,車に多少は詳しい人の間で,それと知られているアイコンを持っている場合,実際に運転してみるとわかりますが,人が道を譲ってくれます。道がどんどん開けていくのです。これが,実は,ビジネス特急としては,ありがたい。仕事の効率も上がります。

筆頭はもちろん,ポルシェやフェラーリです。バックミラーにその顔が映ったとたん,あわてて車線を譲ってくれるという例を何度も経験しました。ご好意はありがたくいただいて,お先にいかせてもらいます。これがあるのとないのでは,実はかなりの違いがあります。

つまり,迅速に移動できるのは,スポーツカーの性能が理由であるというだけではなく,他人がそれをどのように認知するか,という交通システムの文化の問題であったりします。

KCG レーシング
京都コンピュータ学院自動車制御学科

京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

comments

スポーツカーで仕事する ポルシェ

KCG レーシング

スポーツカーで通勤する,得意先周りをする,配達をする,etc.

国産ワンボックスを新車で買う予算より経済的に,すこし旧いスポーツカーを日常で使うプロジェクトです。

95年式のE36のBMW M3を95年からしばらくメイン車に使用したあと,あるきっかけで,90年のポルシェ944,それも普通のOHCのATに乗り始めました。住む街が変わったという事情なのですが,このとき,944の良さに,遅ればせながら気付いたわけです。

比較対象は,M3,もちろん。M3はとても良くできた日常使えるスポーツカーですが,2ドアしたが所詮は3シリーズ,ヤワなボディだということが良くわかりました。944のほうがずっと剛性の高いボディなのでした。そして,足回りのバランスも,944が上だと感じたものです。最初からスポーツカーとして設計するのと,普通のセダンを締め上げるのとでは,結果が違うのだと思ったものです。
それからしばらく944を街中車にしていました。同じ頃,友人がボクスターを買ったので,運転させてもらいましたが,どうもピンと来ませんでした。ポルシェとしての味が無い。空冷911(964)にも乗りました。もちろん,これのほうがずっと刺激的ですが,街中で普通に使ったり,長距離を走るには,ちょっと疲れる車です。あれはあくまでも,2時間程度をスポーツする車です。そういう意味でも,944のほうは実用的なんですな。

最近,また別の944にも乗ることがあります。現代の車に比べると決して速くはありませんが,乗っていて,「気持ちが速くなる」。ドラポジも往年のスポーツカーで,楽しいのです。
KCGのバイカーズたちとも同意していることですが,今後,自動車やバイクは,実用品と楽しみのための道具とに二分していくだろうと思うのです。そうすると,乗って楽しいかどうかが最大の価値基準です。

最近のスポーツカーは,すさまじく性能が良くて,本当に速い。トラクションコントロールやABSが発達しているので,誰でもトップスピードに乗れます。しかし,法定速度を遥かに超える領域に達しないと,何も起こらず,何も楽しくありません。普通に街の中では,足回りがカタイだけの大きな車という感じです。側突の関係で,今のスポーツカーは大きくて重いですね。これが,いくら馬力アップして速くても,軽快さを感じない理由です。

そこで,944は,街中でも楽しい,昔のポルシェ。かつての911に一番近い味わいの,水冷ではないかと思うのです。扱いきれるエンジンとシャーシ。それが街中での楽しさにつながるわけです。

911が水冷になって996になって以来,ポルシェは普通の車になったと言われます。944は,911ポルシェが特殊な車であった時代に,ポルシェとしては普通の車に近いものでしたが,今となっては,一番空冷に近い水冷と言えるでしょう。

KCG レーシング
京都コンピュータ学院自動車制御学科

京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

comments

スポーツカーで仕事する ポルシェ

KCG レーシング

スポーツカーで通勤する,得意先周りをする,配達をする,etc.

国産ワンボックスを新車で買う予算より経済的に,すこし旧いスポーツカーを日常で使うプロジェクトです。

ポルシェ944は,今が底値でしょうね。廉いですね。
廉いからといって,すべての整備やパーツ調達をポルシェディーラーに任せると,大変な出費になりますが。

80年~90年代の外車が廉くなっています。古いポンコツと言う無かれ,この時代の外車は,消耗品を交換すると蘇ります。数年で確実に壊れるように品質管理されている現行車よりも,長年自分で面倒見て,じっくりと付き合うなら,買い,でしょうね。

カーマガジンには,100万円で泥沼に落ちるという言い方が出来上がってますが,そう,趣味の泥沼ですが,これは同時に,実は環境への配慮になる可能性も秘めています。
古いものを大切に使うこと。

BMWも良いでしょうね~。M3なんてのは,実用車としては最高の部類です。ベンツなら,昔の小ベンツ,ジャガーはXJ-6やXJS。いずれも中古では廉く,維持しやすい外車です。
特に,イギリス系は部品が廉価です。ポルシェとフェラーリは部品が高いけれども,ジャガーのパーツは,今もほとんどが供給されており,かつ,当時の値段とさほど変わりません。

選択肢は色々ありますが,まずは944から検討していきましょうか。

comments

スポーツカーで仕事する ポルシェ

KCG レーシング

スポーツカーで通勤する,得意先周りをする,配達をする,etc.

国産ワンボックスを新車で買う予算より経済的に,すこし旧いスポーツカーを日常で使うプロジェクトです。

ポルシェがポルシェらしかったのは,言うまでもなく空冷リアエンジンの911の時代です。そして,同時期に生産されていた水冷エンジンFRポルシェである924,924,968,そして928は,その頃の911と同じ血統を感じさせる味があります。
ポルシェは水冷996やボクスターになってから,普通の車になってしまったといわれます。確かに,水冷エンジンになって,近年の技術で大量生産されると,かつての手作り的な味は薄まってしまったようです。

筆者は1984年に,シュツットガルトのポルシェ本社を訪れました。当時は,台車にホワイトボディを乗せて,おじさん二人でゴロゴロと押しながら,工場のラインを流していました。内部も比較的自由に見学できて,工員さんたちは日本人の若造がカメラを構えると,ポーズを取ってくれたものです。その頃のポルシェは,まさに手作りの量産カーでした。

さて,本論ですが,944はもちろんクーペボディがベストです。エンジンはS2のツインカムのほうが楽しいのは当然ですが,シングルカムでもポルシェはポルシェです。アウディベースのエンジンであったり,車体のパーツがアウディのものであったりしたことで,924系はマーケティングに失敗しましたが,それでも,ポルシェが設計し,生産すると,素材が少々違っていても,当時のポルシェになっていたのです。かつての924系をアウディポルシェと非難するなら,現在のポルシェなんて,トヨタデンソーGMポルシェとでも言うべきではないかと思ったりします。

そして当時の水冷FRポルシェのもうひとつの長所は,右ハンドルにクセがないということです。街乗りにするなら右ハンドルが良いに決まっています。二車線でスイスイと流れをリードしていくにも右ハンドルが有利でしょう。それで,当時の水冷FRポルシェは,右ハンドルでもステアリングとペダル,シートの位置関係が自然なのです。当時の空冷911は,左ハンドルに座ると腰から下が右を向いて,(ペダル類が右によっていて),慣れないと腰が痛くなります。右ハンドルはもっとひどくて,ペダル類は左によっていて,通常の右ハンドル車のブレーキの位置にアクセルがあります。そして,左ハン,右ハン,両方とも,着座位置正面よりも,ステアリング中心が5cmほど車体中央にずれています。

これは水冷化されたあとのポルシェも同じで,ボクスターの右ハンも,996の右ハンも,ペダルが中央よりになります。国産車を仕事で使う人や,他に右ハンドルの車を所有している人にとっては,これは致命傷になりかねません。ブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違える可能性があるからです。

しかし,924系と928系は,右ハンドルでも,インターフェースがすべて自然な位置にあります。これは実は,実用性という観点から見ると,とてもありがたいことですね。

というわけで,筆者のイチオシは,944S2のクーペ,右ハンドルです。オートマかマニュアルかは,好みでどちらでもお勧めします。オートマでも,決してポルシェの楽しさをそこなわれません。街乗りにするなら,オートマでも十分でしょう。もちろん,マニュアルはそれなりに楽しいものです。信号から信号まで,ひとりでサーキット気分になれます。左ハンドルは,狭い道で対向車とすれ違うときには,ギリギリまで左に寄せやすいので,重宝します。右ハンか左ハンかは,自分の利便性だけで選択すればよいでしょう。どちらも特に問題はありません。

最近はあらゆる車が側面衝突対策で幅広になってきました。そうすると,かつてはとても大きく感じた928が,実はすでに小さめのスポーツカーになってしまったことがわかります。ですから,928も実用性が高いといえます。928が発売されていた当時は,日本の道路には大きすぎてパワーがありすぎて,そぐわないなどと,よく言われたものですが,現在販売されているスーパースポーツカーに比べたら,なんのその,実用スポーツカーです。
928も右ハンドルがお勧めですが,左ももちろんOKです。
928はさすがに大パワーなので,雨の日でなくとも不用意にアクセルを踏むと,イマドキの車のようにトラクションコントロールなどついていないし,ABSもプアで,容易にスピンしますから,楽しい,いや,気をつけてください。944でもそうですが,簡単だからとか楽しいからと言って,交差点で四輪ドリフトなどしないように。

944,968,928,いずれも,中古車は世界で一番廉いのは日本です。一方,整備代金がそれなりにかかりますから,自分で軽整備をするという条件下では,実にコストパフォーマンスの良いスポーツカーです。スポーツカーがスポーツする道具であった頃の車です。

もうひとつ,ポルシェ全般の面白さは,これはドイツを代表するアグレッシブな車ですから,乗っていると気分が高揚し,戦闘的になります。つまり,仕事をするには,アグレッシブでなくてはなりませんから,ポルシェで仕事をするのは,正しい選択なのです。

空冷911ももっと楽しいのですが,空冷エンジンは,エンジンをかけたり,とめたりを繰り返すと,オイル漏れを起こしやすく,その意味では街乗りには酷です。空冷はあくまでも長距離ドライブに使用しましょう。当時の空冷911の味ならば,他のあらゆる車と比較すれば,の話しですが,同じく当時の水冷FRポルシェが,もっとも近い味わいを持っています。そうなのです,空冷911にもっとも近いポルシェは,水冷リアエンジンの最近の911というよりも,同じ時代の水冷FRポルシェなのですよ。

以降,追々,整備や維持について記述していこうと思います。

comments

スポーツカーで仕事する ポルシェ

KCG レーシング

スポーツカーで通勤する,得意先周りをする,配達をする,etc.

国産ワンボックスを新車で買う年間予算より経済的に,すこし旧いスポーツカーを日常で使うプロジェクトです。

そのためには,まずはベース車をゲットしなくてはなりません。オークションなどを見ると,ポルシェ944ならば10万円程度から普通にあります。空冷911系も良いけれど,街乗りならば水冷です。空冷は,一度エンジンをかけたら,走り続けなくてはなりませんからね。エンジンをかけたり止めたりが多い街乗りには,944か928です。

ポルシェはとても頑丈な車で,20万キロくらいは平気で走ります。中古車でも,ボディは雨ざらし車ではない限り,大抵の場合はしっかりしているでしょう。修復歴のないボディを選べばまず問題はないと思います。

タイミングベルトは定期的に交換しなくてはならないパーツで,これの交換は面倒ですから,最近交換したものなら言うことありません。しかし,ウォーターポンプやプーリーなども同時に交換したほうが良い場合があるので,ベルトだけ交換してあるからといってそれでよいわけでもありません。

足回りのブッシュ類も必ずヘタってくるので,試乗できるならば,その辺もよく見極めましょう。しかし,そういった消耗品は,工場に修理に出すと高額ですが,自分でするならば,それなりに押さえられるので,大事なのはやはり後で交換しにくいパーツです。そのあたりを重点的にチェックしましょう。

そして,エンスーにとっての必携本,パーツリストとサービスマニュアルをゲットしましょう。

944が市場で不当に廉価なのは,工賃が高いというデメリットが大きく関与していると思われます。エンジンをコンパクトにまとめてあるために,タイミングベルトひとつ交換しようとしても,あれやこれや順番に多くのパーツを取り外していかないと,目的に到達しません。理詰めで設計された,とてもよくまとまっているスポーツカーであるからこそのデメリットでもあります。しかし,これをマスターしてしまえば,最高の部類のマルチパーパススポーツカーに仕立て上げることが可能です。経済的に仕上げるなら,自分で軽整備をすることが条件になりますが,それも楽しさだと思えば・・。

多くのパーツはアメリカのパラゴンなどで購入可能です。近年,ポルシェ本社のポリシー変更により,旧い車のパーツが値上がりしました。アメリカやイギリスでは,ポルシェの中古パーツ専門の解体業者もあります。メールやFAXで注文すれば,世界中どこにでも送ってくれます。そういったショップの広告を見るために,ポルシェの雑誌も購入しましょう。

パラゴンプロダクツ(アメリカのポルシェパーツ屋さん) 
http://www.paragon-products.com/

911&Porsche World(ポルシェの雑誌です。売りたしコーナーを見ると,日本では944が廉いことがわかります)
http://www.911porscheworld.com/

京都コンピュータ学院自動車制御学科


京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

comments

スポーツカーで仕事する ポルシェ

KCG レーシング

日常に使用できるスポーツカーというと,筆頭はポルシェです。
大きく分けると,
①ナロー,930,964,993,空冷リアエンジンのグループ
②水冷フロントエンジンリアドライブ,924,944,968,928
③996以降の水冷リアエンジン
④ニューウェーブなカイエン,ケイマン,ボクスター。

ポルシェというと,空冷リアエンジンの911が代表でしょう。しかし,ポルシェ社も認めているように,リアエンジンリアドライブというのは,無理のある構造です。ポルシェ社は苦し紛れに,そのハンディを克服するのがポルシェの技術なのだと豪語していますが,そもそも,戦前の発想に基づく,力学的に安定しない構造の車を,どうにかこうにか,ほとんど無理やりに,走らせてきたということなのです。マーケティング的には,この奇異な構造にも関わらず,軽い車体に強力なエンジンを積んだものだから,大ヒットのロングランになりました。そして今なお,ポルシェ社のフラッグシップは,水冷にはなったものの,リアエンジンです。

さて,リアエンジンが構造上ハンディが大きいということが一般化した70年代に,ポルシェ社が次世代を見据えて開発したのが,924,928などの水冷フロントエンジンリアドライブの車です。これらはさすがポルシェ,よくできた車でした。特に924の後継車である944は世界中のスポーツカーの指標となり,多くのメーカーがそれを手本にしました。フェアレディ,RX-7,コルベット,枚挙に暇がないほど,多くのスポーツカーがこれを教科書にしたと言います。

ところが,リアエンジンという神話がすでに確立していたマーケットは,このフロントエンジンリアドライブのポルシェを受け入れませんでした。そして,性能の良さよりも,挙動の激しい運転しにくいことにポルシェらしさを求めたのでした。結果,水冷FR系のポルシェは,中古車市場でも不当に廉いといわざるを得ないような価格で取引されるようになります。

その水冷FR系を例にとって,普段の足を作ろうというのが,本稿の目的です。
水冷FRポルシェの小型のほう,つまり,924,944,968が,実は最もコストパフォーマンスに優れた,おいしいポルシェなのではないかというのがテーゼです。
これらについては有名なポータルサイトがあります。まずはこれをぜひお読みください。ポルシェ924系

京都コンピュータ学院自動車制御学科


京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

comments

スポーツカーで仕事する ポルシェ

KCG レーシング

スポーツカーで通勤する,得意先周りをする,配達をする,etc.
そういったことをしたら,昔だと非難があったでしょうが,いまなら,しても良い時代になったのではないでしょうか?若者の車離れが加速し,スポーツカーを見ることが少なくなった今,ちょい古めの経費のかからないスポーツカーを手に入れて,ちょい手を入れて,街中で信号GPなんてなことはせずに(するとしても自己責任で),アグレッシブに仕事して,前向きに生きる。

80年代から90年代のスポーツカーなら値段もこなれていて,安いのだと数万円から数十万円で十分入手可能です。値段の廉いところからいくと,フェアレディ,RX-7,ポルシェ944,フェラーリの4シーター,等など。フェラーリ4シーターはさすがにベース車で100万くらいは必要ですが,他のものならば,数十万円,うまく買うと数万円で買えるでしょう。これに,修理レストア改造費用を数十万円~100万くらいをかけるという。

そういった修理改造費用は,当然,腕があればかなり廉くすみますから,お金をかけるか自分で勉強して自分でするか。もちろん,後者のほうがエンスーでかっこいい。

10万円の中古車に100万円の修理費用というと,その予算配分に驚くかもしれませんが,そういったスポーツカーは,手を入れると入れただけ,答えてくれます。その筆頭はポルシェ。ポンコツでも腐ってもポルシェ,です。ボディがしっかりしているし,機関も手を入れると蘇ります。イタリア系は,雨ざらしになっていたものは再生不可能なものがありますから,ドイツ系が無難でしょう。イギリス系は,本国やアメリカで買うとパーツが廉いのでありがたいですね。

しばらく,ポルシェを例に取り上げて,古いスポーツカーを普通に乗ることを考えてみたいと思っています。少なくとも,ワンボックスの新車を買うよりはコストパフォーマンスに優れていると思いますね。

京都コンピュータ学院自動車制御学科


京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

comments