自動二輪特論(Z学)

Zファミリ

カスタムしたZ。カッチョエー!!

ガンダムでもなく,日産でもなく,カワサキのZ。

京都コンピュータ学院というからには,コンピュータに関する授業が沢山開講されています。全ての講義が,コンピュータ系講義かというと,そうではありません。心理学や経済学といった一般教養科目も充実しています。Z学の実習では,教員も学生も作業着(通称ツナギ)姿。KCGのカリキュラムの中でも,最もユニークなものの一つです。

この授業でメインで扱うのは,カワサキZ1(Wikipedia) および Z2(通称ゼッツー)(Wikipedia) そして,ローソンレプリカ(Z1000R)(Wikipedia)です。画像では分かりづらいですが,旧車と呼ばれるぐらい旧い年式のオートバイで,世界的に今でも人気があります。発売から約30年だというのに,すごいバイクです。これらのレストアとカスタムを通じて,様々なことを勉強します。

授業には,やはりクルマ・バイク好きが集まっています。私もクルマ・バイクの整備はしますが,旧いバイクは初めてですし,エンジンを分解するような重整備は経験がありません。特別講師の方々に教えてもらい,学生と一緒になって勉強しています。といっても,受講生の大半は,整備経験が全くないので,教える事は色々とあります。

しかし,段階も進むと「おいおい,これどうやって分解するんだ。○○君,そんなとこ,まず緩めていいのか!? ちょっと待て。○○先生に聞け聞け!」とこんな調子です。

分解なんて,そんなもの見えているボルトやらナットやらを,片っ端から緩めていけばいいんじゃないのか? とふつう思いますよね。学生もそうです。私も,幼少の頃は何でもかんでも分解してました。分解したはいいが,それを元通りに戻せなくて,両親に怒られていたのをよく覚えています。その甲斐あって,修理スキルを上げる事ができました。大事な経験でした。話は戻って。そうなんです,片っ端からでは駄目なんです。特にエンジンは,それではいけません。順番があり,その順番も均等に少しずつ緩めないとならない,そういうものもあります。

しかし,エンジンを幾ら眺めても,分からないものは分かりません。こういう時の為に,サービスマニュアルという,メーカーが発行している整備書を用意しています。この授業の教科書の一つです。車種専用なので,整備方法が写真付きでとても詳しく載っています。私もバイクに乗ります(オープンカー買ってから,軟弱野郎になって全然乗っていないけど)ので,サービスマニュアルを持っています。詳細な情報が載っていて,読んでいてとても楽しい書籍で,バイク屋さんも持ってます。注文すれば個人でも買えます。軽整備からチャレンジしたいという人でも,まず自分の持ってる車種のこれを買いましょう。

で,Zのサービスマニュアルです。該当ページを探し(学生に探させ)ました。シリンダーヘッドを外したいんです。で,見つかった記述が「シリンダーヘッドを外します。」

へ? これだけ? 外す方法は? さすが旧車。現代のバイクとは,記述レベルが違います。

ちなみにこの時は,組み立て方を参考にしました。基本的に,分解は組み立ての逆工程です。しかし,憶測で作業すると取り返しのつかない事になる可能性があります。貴重なZのエンジンです。そこで特別講師の稗田先生の出番。

さすがプロは違います。あっという間に的確な指示を貰えます。数回の授業でも,すごいノウハウがある事がわかります。それは,私だけじゃなく学生でも解ります。どんな分野であっても,プロは違います。段違いで,そして圧倒的に違います。全ての事に必然性があり,意味があります。

私は元ソフトウェア技術者ですが,ソフトウェアを作り上げる作業も同様です。それを授業で伝えるのは難しいですが,この授業ではそれが無理なく実現しています。

オイルまみれの手を洗いながら,そんな事を考えた夜。

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