デジタルネイティブ

人生色々,卒業生たち

中高校生の間で,引きこもりという言葉が普通になってきて,フリーターなどという言葉が一般化してきた頃から,人付き合いが苦手で,組織に属するのが嫌いで,自由を尊んでいるのか,「一人で仕事をして,生きていく卒業生」が増えてきたように思う。

フリーターなどと言う不安定な生き方とは少し違う,独り立ちの人生である。昔ならあまりなかった現象なのだが,多様化の時代といわれる中で,生き方も多様化してきたのだろう。

90年代の前半に,一人,その先駆けのような卒業生がいた。
彼は学生時代,学内でいつも一人で,授業のときは前から数列目で真面目に受講していた。話しかけると,微笑みながら受け答えしてくれた。しかし,友達との付き合いは希薄なようで,クラスでは仲良く話はするけれど,決してべったりにはならないような,あっさりしたタイプだった。

卒業前の秋になって,就職はどうかと聞いたら,「決まってない」という。就職活動もあまりしていない様子だった。年が明けて卒業式の日に会うと,「就職はしない」と言っていた。一体,どうするつもりなのか,家がよほど裕福なのかと疑問に思っていたら,彼は,「ネットで仕事を探して,家でする」のだと言っていた。

卒業して数年経って,校友会(同窓会)のパーティのときに,彼はやはり一人でやってきた。どうしているのかと聞いたら,「ネットでKCGの先輩たちから仕事をもらって,なんとかやっている」という。最近も久しぶりに会ったのだが,やはり同じように,家で一人で仕事を請けて,それなりにやっているという。

名刺はフリーのプログラマーで,Webサイトの構築などもしているらしい。近隣の零細企業を尋ねて,仕事を請け負うこともあるのだそうだ。

一人であることが,自由だから良いのだ,と,決して強調することなく,決して後ろめたさを感じるわけでもなく,飄々として,そう言う。経済的にも困窮しているわけでもないように見えた。

KCGの卒業生のネットワークにアクセスすると,そうやって,仕事をもらうことが簡単にできる。一人で個人営業の事業所として,食べていくくらいはできるのだ。

「一人で」と言うけれども,仕事を融通しあう卒業生ネットワークの中にいるわけだから,あながち孤独でもあるまい。そういう生き方も,選択肢の中にあるのは,歴史のあるコンピュータの学校であるからこそか。

近年では,毎年必ず,そういう卒業生が数名はいる。企業への就職だけが,人生ではない。デジタルネイティブとしての,生き方のひとつである。

ランランリランショウビダバ♪,ラリ~リラ~ラリ~♪
ランランリランショウビダバ♪,ルンルンララーラ~♪
( -_-)~♪ ~♪

京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

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