子供が生まれた。こんな時どんな顔すればいいかわからないの。

やあ。

コテンパンにやっつけられたベジータのようになりながら,分娩室へ向かった彼女。(前回に引き続き7/11土曜日の話)

結構早めな時間帯に看護師さんが,良かったですねーやっと生まれますねー的な事を待ってる俺に言いにきた。お産には危険がゼロではないが,こんなに早く無責任ともとれる言葉を掛けてくれるということは,もう心配は要らないんだろう。

頑張ってるのが聞こえながら,静かに待つ。そんな事を言われるということは,もうすぐに生まれるんだろうなと思ったが,思ってたより時間が必要だった。近くには,この数日に生まれた子供が並べられているため鳴き声が聞こえる。なのでよくドラマであるような,赤ん坊の鳴き声で生まれたのを知るという状況ではなかった。

それから1時間はかるく経過した時,急にTV版エヴァンゲリオンの最終回のように「おめでとう」という声が沢山聞こえてきた。生まれたのか。間髪入れず俺にも報告が入る。

暫くし,分娩室へ通され彼女が抱いている我が子を見る。まるで,MIBで至近距離から悪玉宇宙人をやっつけたかのようだ。

また暫く陣痛室で待つと,キレイにしてもらいタオルに包まれてやってくる。今思えば,ここはとても大事だ。父親は,母親と違い生まれた当日しか抱いてやる事ができない。今思えば2回しか機会がなく,その数少ない1回がここだ。軽く話しかけてみる。どうだ,シャバの空気は?

しかし,この場面は俺一人ではない。すぐにお義母さんもお義父さんも雪崩れ込んでくる。父親と子供との親子水入らずの初めての時間は,彼らの手によりあっという間に終了。主役は,俺のぎこちない抱き方での記念撮影タイムを終え退場。

この時は,まだ見えてないんだろうが両目を開けた。俺はこの翌日に病院をあとにしたが,両目を開けたのは生まれた直後のこの時だけ。それ以外は泣いている時も寝ている時も,動いてる時も目を閉じている。そういうもんなのか。

生後3時間の彼

3時間しか人生経験のない彼

考えれば,なんて不思議なんだ。ついさっきまで,こいつは肺呼吸をしてなかったんだ。どういう仕組みになってるんだ。看護師さんに羊水を口や鼻から出すかもしれませんと言われるが,そんな状態で呼吸できなくなったりしないのかよ!! 「そういうもんなんですか??」今年の俺の流行語大賞のノミネートフレーズはこれ。学ばないとならない事ばかりだ。

まずは,誕生日おめでとう。

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