急性虫垂炎で入院の巻(検査編2)

– レントゲン –
これも慣れっこ。X線写真(Wikipedia)とも言いますね。健康診断で撮影したことがある学生さんも多いかも知れませんね。こいつの,胃を撮影する版はすごく大変。バリウムを飲んでやるやつです。やった事無くても誰しも聞いたことぐらいある有名なやつ。私は前職の時に一度受けましたが,想像以上でした。まさかあんな,NASAのプチ宇宙飛行士地上訓練施設みたいなマシンで,ドSオペレータの手中で体まるごとグルングルンするなんて。大技。それに引き換え,こちらはあっという間に終了。痛み無し。

– CT –
コンピュータ断層撮影(Wikipedia)と書けば,どのようなものか分かりますね。初CT。ドキドキ。息を止めて下さいと言えば,息を吸って止めてくださいと,僅かな説明を受ける。言われるがまま(基本これ)に,ベッドみたいなものに横たわって,デカい輪っかに頭から突っ込んでゆく。輪っかは一部だけなので,閉塞感も特になし。ちょうど頭上で停止すると,目の前に動作インジケータがある。オレンジと赤だったかな。どうやらスタンバイがオレンジで動作中が赤の様子。何の印字も無いし説明も無かったけど。暫くするとランプが赤になり,音声合成で息を止めてくれとアナウンス。下腹部辺りまですっと移動し,楽にして下さいアナウンス。簡単。

ここで注目なのは,起動音。スタンバイ状態から動作へ移る間に,こいつの起動音が聞こえるんだけど,それが格好良いのなんのて。輪っかの中で,何かが回転しているようで,ヴオンヴオンと頭の周りで聞こえる。ガンダムかエヴァの起動音かのようで,俄然やる気にさせてくれる。堪りません(つまり殆どの人にはどうでもいい事)。

そうこうしていると,造影剤使って撮影しますので,体が熱くなるかも知れませんが,すぐに元に戻りますのでご安心をとの説明。ちなみに,造影剤は承諾書を事前に書かないとならないので書いている。これ昨日書いた,採血した後もくっ付いていたチューブから注入される。汎用液体インターフェイスかよ!! なんでもここからお手軽に抜いたり出したり。なんてサイバーなんだ。しかも,体が熱くなるなんて!! と一人ドキドキしてたんですが,まったくアツくなりませんでした。体が大きかったりすると,相対的に造影剤の影響が少ない事があるそうです。ちょっと,がっくりしましたが,この技師のお兄さんにドキドキしても仕方ないので,良しとしましょう。
痛み無し。

などと検査を終わらせ,外科の病室の前で待ちます。既に午前中の診療は終わり,午後の診察客が大挙して待っているではないですか。診察に関する書類を看護士さんに渡し,病室外で待つ私。なかなか呼んでもらえない。あれ,もしかしてキューの最後に位置してる? な,なんでやねん。プライオリティ上げて一番最初に診てもらえるべきじゃないの? とここでまたシステムにガックリ。

朝から何も食べていないのにもう,お昼も過ぎている。やっとのことで,外科医に診てもらう。

血液検査,CT等の結果からも急性虫垂炎です,と。ああ,やっぱりそうなのね。昔,父親の急性虫垂炎話を聞いたことがある。夜痛くなってそのまま救急車で運ばれて,緊急手術だったと。でも,こういう2,3日掛かるのも同様とのこと。そうだ,忘れかけてた。薬で散らすとか聞いたことあるんですが,この場合は!? と鼻息を荒げながら聞いてみる。残念ながら,薬で散らすなんてのは,もっともっと軽い症状にのみ使えるんです。タカギさんのは手術しないと治りません。入院です。入院です…

もう少し説明を聞く。患部を押して離して痛いかどうかは,腹膜炎を併発しているかどうかを診ているそうだ。別に虫垂炎かどうかではない。これ,勘違い。私の場合,まだそこまで達していない様子。高熱は,体の内部で炎症を起こしているから。
あと,CTの結果から見る限り状態が良くない事が予想されるのに,じっとしていると痛くないという現状は,体の防御反応で脂肪が炎症部を包み込んでるからではないか,とのこと。自覚症状が出るのが遅くなるので,一概に良いとは言えないんですって。ちなみに麻酔は局所麻酔ですって。

初入院に初麻酔に初手術。ああ,仕事よレースよ,さようなら。

(明日の入院編1へ続く)

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急性虫垂炎で入院の巻(検査編1)

腕チューブ

チューブ付き人間

風邪だと思い込んでいるというか,そうであって欲しいと願っている私でも少しは調べます。しかし,そうであって欲しいと願いすぎていた為,ほんとに軽過ぎました。可能性はゼロじゃないなら,もっとちゃんと調べましょう。たとえ,自分では可能性がゼロだと思っていても,それは当てにはならない事なので調べなければなりません。開発のテスト工程でも大事な事です。

虫垂炎。右側腹部に痛みがあって,その痛みは押している時よりも離した時に痛みが広がるそうな。とりあえず,押してみる。ああ,痛い。離してみる。痛み収まる。押してみる。やっぱり痛い。もっと押してみる。もっと痛い。さらに押し…押さない。さて,これは虫垂炎ではない?

ベッドから起き上がる時は,お腹に力が入るとそこそこ痛い。なので,起き上がったり寝込んだりは,慎重。地雷地帯にそうするかのように。痛み自体は,そういえば昨日よりも,僅かに痛くなってる気がする。

そうこうして,京都駅近くの武田病院へ到着。この病院,同じく京都駅から近い京都駅前校で,救急車を呼ぶ事があれば担ぎ込まれるであろう病院です。早速受け付けへ。まずは風邪であって欲しいので,内科の受付を申請。しばらく待つ。待つ。もうちょっと待つ。さらに待…って,ここもかなり待つやんけーー! ちきしょうちきしょう,病院なんてどこも一緒なのか。日々是勉強。がっくりしていると,やっと名前を呼ばれ診察室へ入室。やたらと,お腹の痛みに関しての質問が多い。

・ 痛みは,みぞおちから右側へ移動しましたか? →してません。
・ こうやって押して離すと,痛みが広がりますか? →痛みが広がるというのがどんな感じなのかよくわかりませんが,押した方がそりゃ痛いです。
・ 腹部の痛みはいつからですか? →高熱が大変だったのでよく覚えてないが,昨日の朝(水曜日)からでしょうか。
・ 歩いていてお腹に響いて痛くないですか? →歩くのは全然大丈夫です。

そして,先生の口が開く。年齢からも考えて9割方,急性虫垂炎です。急性虫垂炎です。急性虫垂…。
ああ,頭の中でリフレイン。検査を幾つか受けてください。それと,外科の受付をしておきますはい,次の人どーぞ。大変だ,急性虫垂炎だ。手術か? そうなると,仕事を休まないとならない。どれぐらい入院しないとならないのか,検討がつかないが,今週末のレースは絶望的だろう。ああ,出場したかったなあ。

– 採血 –

と頭を抱えていると,ベテラン看護士(つまりオバサン)の案内により,採血する処置室へ1名様ご案内。採血は慣れっこ。いつもの採血と違ったのは,なんかアタッチメントを介して注射器を使用。その後,それにチューブを装着した状態で伸縮ネットで保護し,完了。次の検査へどうぞとの事。なんだこれ,と思い聞くと,他の検査でも使うとの事。痛み小。

– 超音波検査 –

エコー検査(Wikipedia)。略してエコーと呼ばれていた気が。これ,胎児の成長を確認するときにも使うやつで,テレビとかでもお馴染みですな。初エコー。アンメルツヨコヨコみたいなデバイスで,痛みがある部分を重点的にグリグリとされる。ローションみたいなものを塗布されヌルヌル&グリグリ。リアルタイム映像は,本人も見る事が出来る。しかし見てもよく分からない。あまりにも分からないので,ほーら,パパでちゅよー元気でちゅかーと言おうとしたが,エコー技師のお姉さんの笑いを取る自身がなかったので断念。痛み無し。

(明日の検査編2へ続く)

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急性虫垂炎で入院の巻(1)

待望の新章(なんのだ)突入!!
~プロローグ~

・火曜日

レースを週末に控えたある日の夜。今回も全く練習ができなかった。こりゃまたしても勝つ望み薄だな。しかし,出場するからには最低限のメンテナンスはしないとならない。直前には作業をしたくない(してはいけないのが鉄則だけど,守れていません)から,この曜日(の帰宅後)とこの曜日(の帰宅後)を使って…と思案。

仕事後なので,頭があまり明瞭に働かないなあ。あれ,頭痛がする。知恵熱? ちょっと熱を計ってみよう。37.5度。なんてことだ,今晩は大人しく寝ることにしよう。週末までには治さなければならない。

・水曜日

翌朝。38.5度。おお,38度を超えると全く何もできる/する気がしない。いつ以来だこんな高熱。大人しくお休みを貰いベッド生活。症状は,高熱。腹部は,ベッドから起き上がったりする時のみ痛い。風邪による,体の痛みだと思い,安静。動かないので痛みも殆ど無し。

・木曜日

同じく 37.0度。少し落ち着いてきたが,まだ完治しない為病院へ行く。職場には,同じく休みを貰うが,注射でも打ってもらい出勤を考えようと,出勤途中にある武田病院へ。病院というのはえてして凄く待たされるもので,それが軽く人として待てる限界値を超える。電話すると,午前中は空いているというので,それを信じ病院へ向かう。近所の行き着けの病院が休みだったのと,気分も前日より悪くないことも理由。こうなりゃ,注射一発で完治でしょー!! 太いの一発頼みますよ,センセー!!

この時は,まさかこんな初体験尽くしの日々を迎える事にことになろうとは,夢にも思わないタカギトシユキであった。

(続く)

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