結婚披露宴学概論

結婚披露宴

一流ホテル系結婚披露宴(iPhone 3Gで撮影)

やあ。

先週末は学生時代の先輩の結婚式だった。結婚式および結婚披露宴ほど,それに対する想いが人生で変化するイベントも珍しい。人それぞれで考えると1回か2回程しか主催しないが,招待される事は少なくはない。また,それが10年以上の期間にも及ぶという性質からだろう。

これを読んでいる学生ならば,殆どの人が兄や姉がいないなら行った事が無いだろう。卒業して働きだすと,早い人なら2,3年で招待するか自分がメインでやることになる。俺のこの時期の感想は,披露宴なんてものは親族の為にしているんだなというものだった。新郎新婦は,楽しんでいるのと同じぐらい義務的な作業をしているように見えた。招待された女性はとても楽しそうだった。

その年齢というと,社会的経験も不足しており,いつか結婚する事になったとしてこんなスピーチとかやだなー,できればこういう披露宴なんてしたくないなー,と男の全員が思ってる時期。

30歳くらいになると,結婚した友人とはなかなか遊ぶ機会が減り,勤務地も遠方になった等もあり,先輩後輩友人などが一堂に会する機会はまず無くなる。そう,結婚披露宴は同窓会の様相を呈するようになる。このあたりから,女性招待客のように結婚披露宴は楽しくなってくる。(彼女達はいつも常に自分の披露宴のように楽しんでる)

そして自分が結婚する。こんなスピーチとか絶対したくない,披露宴なんてしたくない,なんて想いはこの時点でもあまり変わらんが,そんな男のちっぽけな願いは勿論聞き入れてもらえない。二人だけの問題ではないのと,(尻に敷かれているかどうかは関係なく) この時ばかりは新婦の意見が尊重される。新郎のこの願いが各方面に聞き入れられるなら,海外挙式などで回避することは可能だ。

また,披露宴をしたとしても,様々なスタイルがあり,押さえないとならない何点かはあるが,こういうのは嫌だというのは十分コントロール可能だ。新婦は少し難しいが,披露宴の食事だって食べる事ができる。これ,同じ物を控え室に後ほど持ってきてくれる,持って来てくれない,手つかずのもののみ持って来てくれる,俺の時は2番目だったのだが,中途半端に色々食べていた為,控え室で後悔をした。新婦はたっぷり。披露宴会場によって異なるので,事前に聞いておく方が良い。美味い食事はたとえ冷めていようが変わらず美味い。

披露宴自体は,俺の1回だけの経験の話でしかないが,思ってた以上に楽しかった。疲れる内容の2次会3次会をしなければ,疲労感も無い。

そして,自分の結婚後に招かれる結婚披露宴だが,これが予想しなかったのだが,とても楽しい。どのようなイベントかという事は十分熟知しているので,結婚前と違い豊富な引き出しがある。様々な角度から楽しめる。皆色んな人生があるんだなと,自分の結婚前より明らかに実感できるようになった。

そうやって結婚披露宴を見ていると最近,娘を持つ親は良いのかなーと思う。娘はいつか嫁いでしまい居なくなるので寂しい,なんて言われてるがそうだろうか。披露宴で新婦から両親へ手紙を読む,一番の盛り上がりを見せる場面があるが,新郎からは無い。息子を持つ親は,感謝の気持ちを聞くのは死んだ後という事が多いにあり得る。また,結婚後に実家に立ち寄る回数は,奥さんのほうが多いと既婚者からよく聞く。

確かに俺は滅多に実家に帰らない。男兄弟だけなのだが,父の日も母の日も,はたまた誕生日も,何かをした記憶がない。今は結婚したので,彼女の強制的施策により行っている。…そうか!! だから,両親は彼女には優しいのか。男は男で,というか俺は俺なりに両親との絶妙な距離を保っているつもりなんだが,それが少しばかり離れてるんだな。

なんて事まで気付かせてくれる。次に新しい考えが出てくるのは,自分が親として披露宴に出る時か。ん? もし息子のそれだった場合,最後に父親のスピーチがあるじゃないか!

ちきしょーやりたくねー!!

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月刊陸上競技と陸上競技マガジンをナメるな!

月刊陸上競技(ゲツリク)

月刊陸上競技2009年6月号

やあ。

数日前のいつもの事務室での事。あまりに衝撃的すぎて,話の前後をどうやっても思い出せないのだが,何故か陸上競技の話になった。なったというより,友人とあわせて3人でやって来たその1回生がやたらとアツい。

まあ,アツい奴および何かの分野に突出している奴は例外なく面白い。聞くと陸上競技をやっていたらしく「ゲツリク」がどうとかこうとか言っている。へ? げつりく? なんだそれはと,自称略語家の俺も何の事かさっぱり分からないので聞いてみる。

え,知らないんですかセンセー。ゲツリクといったら,月陸ですよ月陸。月刊陸上競技ですよ!!

しらねーよ!

もう少し聞くと陸上競技者では知らない奴はいなく,皆が読んでいるらしい。ホントに月刊なのか? 季刊じゃなくて? 確かに陸上競技人口は少なくはないが,本屋で見た事もないし,陸上野郎が読んでいる風景も見た事がない。そもそも何が載っているのか皆目見当がつかない。しかも月刊だ。聞くと,全国の地区大会の結果等が載っていて,俺どの県でも無茶苦茶詳しいですよと言う。

常識っすよ常識と熱弁を振るうその学生,彼と一緒に来ていた友人は既に置いてけぼり。全く理解できませんを全力で俺に向かってアピールしている。少し胸を撫で下ろす俺。

陸上専門月刊誌の存在に驚いていると,あとはそうっすね陸マガっすね。このふたつはジョーシキですね。え? リクマガなる雑誌もあるのかよ! しかもそれも月刊誌なのかよ。そうですよ,どっちも14日発売っすよ。

身近でありながら,知らない世界というのは沢山あるんだな,面白いなと思い帰宅し,調べてみた。

日本初の月刊陸上競技専門誌として創刊され、現在に至るまで陸上競技専門誌の最高峰として君臨している。石井朗生、寺田辰朗ら、陸上競技に造詣の深いライターや新聞記者の原稿を積極的に採用しており、読み応えのある記事と豊富なグラビアページで人気を博している。

陸上競技マガジン – Wikipedia

最高峰…。豊富なグラビアページ…。ちょっと読んでみたくなった。しかし,非陸上競技者にとってリクと言えば,リクルートの略であってリクナビは就職活動で大活用する。それなら,陸ナビというサイト作ってやろうかと思ってググってみたら既に存在した。くそう。

数日後の今日,再度その学生と出くわした。えーっとなんだっけゲツリクだっけー? と少し背伸びしてコミュニケーション図ってみたら「センセー月陸と陸マガですよー! 今日明日××(聞き取り不能)は京都府の××大会(聞き取り不能)が××(聞き取り不能)… 」

すごい勢いでネイティブな陸上語を放ちながら消えて行った。

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筆記体を知らずに僕らは育った

筆記体(longhand)

Original Update by spacer!

「筆記体は、平成10年に改訂された学習指導要領から『教えることができる』という記述に変わり、必須ではなくなりました」

筆記体がいつの間にかレアな存在になっていた | エキサイトニュース

驚いた。どれぐらい驚いたかというと,自動車教習所で普通免許のカリキュラムが1段階から4段階ではなく,今は1段階と2段階だけしかないと知った時ぐらい驚いた。(既に10年位前の話だけど。その教えてくれた女の子は同世代である為に,この話を256人ぐらいに同様に驚かれ,同じように説明して,そして既にうんざりしていた。括弧の中長いよ俺)

となると,今入学してくる学生の大半は楽勝で筆記体を知らない子供達なのだが,これを実感する事は無い。普段,俺は授業でホワイトボードに数行のプログラムを書く事もあるが,筆記体は使ってないからだ。

以前,この話をシステム部の先生とした時に「そうかーそういうことかー!」と大変納得された。

聞いてみると,稀にログインパスワードを忘れ直接聞きに来る学生の対応がある。その時にメモ書きを渡す事があり,数字とアルファベットが混在する手書きで間違い易い「9」と「q」の区別が付くように,「q」を筆記体表記するとの事。すると学生は「先生,これなんですか?」と聞いてくる。そうか習ってないのか。

ここで机の上に今日届いたハガキに気付く。その結婚式二次会の案内ハガキに目を落とすと Wedding Invitationの筆記体が。そうだよ! 結婚式と言えば筆記体であり,招待状以外にも筆記体が頻出し,結婚適齢期(死語)オーバーの我々が年間で一番筆記体に出くわすイベントであると言える。筆記体を習わなくなった現在,今後その流行にも変化があるのか? ただ,日本人にとって筆記体 = お洒落は暫く変わりそうにないか。

なんて事を,今週末にある先輩の結婚式の事を考えながら思った。舩阪さんご結婚おめでとうございます。

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