From Kyoto to Tokyo

東京へ行ってきた。
二泊三日の間に十数人の友達と会い,旧交を温めて
きた。みんな変わらんな,って当然や,ほんの
一か月ほどの間。

東京の町は夜ちょっと薄暗くて京都みたいに
なっていた。それも戦後闇市みたいで
よかった。人の熱が敏感に感じられる。
夜の三軒茶屋を友達と話しながら歩いた。
街灯が消されて,首都高は真っ黒い恐竜の
背骨みたいやった。

「夜はこんなに暗かったんだな,
そんで道はこんなに遠かった,知らなかったよ」。
そう友達はゆった。

東京の道は京都みたいにまっすぐじゃなくて
うねうねと曲がり,上がったり下がったりを繰り返す。
目に見える自然は少ないが,実は足元に太古の名残がある。
アスファルトとコンクリートをはがせば,そこは原野。
谷を越え,丘を越え,水流を越えて歩くんや。
歩け,歩け。

京都へ戻ってくると,なんで自分が京都で降りるんか
不思議な気がした。この町に家がある感覚に慣れない。
まだまだやな。これからぼちぼちよろしく。

comments

京都のスピード(2)

それでは東京のスピードは,とゆうと。
速い。速いな。乗換駅では,みんな必死で走っている。
走らんでも間に合いそうなもんやが,周りの人が走ってるから
自分だけ走らんわけにもゆかない。

エスカレーターはきちっと右側を空けて,歩く人のスペースに。
二段ずつ駆け上がる人も珍しくない。東京の人はみんな
スポーツクラブで鍛えてるから脚が丈夫なんやな。

コンビニではお金を素早く出す。手間取ると後ろの人が
「ちっ」と舌打ち。レジの人もくるりと後ろを向いてタバコの棚の
整理など始める。一分一秒を無駄にしない立派な心がけ。
指で机をコツコツやるレジの人も,結構いる。それでお客さんは
気が焦って,手が滑ってコインが床に散乱。もっと時間がかかるわけ
やな。

そうやってわずかの時間を争って人よりも先へ,先へと急ぐのが
東京の暮らし。そのスピードと活気に魅力はある。けど,
しんどいことも多い。

comments

京都のスピード(1)

京都はゆっくりペース。引っ越して間もなく気づいたのが,このこと。
かな~りゆっくりです。平均すると東京の八割ぐらいのスピードちゃうか。

人によって当然個人差はある。しかしたま~に「東京人の二割」などとゆう
すご~くの~んびりな人がいると,平均はかな~りおそ~くなるわけです。

ある日のコンビニにて。私は公共料金を払おうとしていたのやった。バイトの
お兄ちゃんは大学生のようでした。支払票を渡す。お兄ちゃんがそれを
手に取り、はんこを一個ずつ押し。そして…。

支払票のミシン目をお兄ちゃんが一つずつ破っていく音を私は聞いていた。
ふと外を見ると

ちちちちち

雀が青い空を飛んでいく。ああ,春やなあ…。

えっと。ゆっておかなあかんけど,支払票は全部で四枚あったんやね。

(×4)

京都。ああ,えらいとこに来てしもうたなあ。

と私は思った。

comments

東京から京都へ

3月の下旬に東京から京都に引っ越した。東京には20年ぐらい住んだ。
そのうちの半分くらいは実は千葉県でしたが,千葉,というのもまあ,だいたい
東京のうちでしょう。そういうことにする。

で,東京から京都に越してみると違うこともあるし,そんなに
変わらないこともあるなあ。と思います。
町のリズムがちょっと(かなり?)のんびりだったり,自然が美しかったり,
夜が早かったり,夜が暗かったり,静かだったり,自転車に乗ったりし,
まあ楽しく暮らしていますわ。

同じというのは,なんやろな,やはり
「首都だ」ということやろうね。京都は昔の首都やし,東京は
今の首都。どちらも圧倒的に都会的な感じがします。

東京と京都って実は,外国人に日本語を教えていると(そう,そういう
ことを私はKCGでもしていますけれども),結構混同される。
TokyoとKyotoって書いてみると似てるなあ。似てる。しかも
東京都,なんて言い方もあるから,そうするとTokyotoになるから
これはもう,どっちですか。日本語むつかしい。
はっきりせえ,なんてことになるんやね。

つまり東京と京都というのは同じようなもんやとも
言えるし,ToとKyoとをひっくり返して,まったく正反対やとも
言える。ちょっときれいにまとめてみた。

とまあこういうのを詭弁(きべん)と言います。しかし
詭弁とゆうのは結構あたってたりする
から面白い。

そんな感じでゆるゆる書いてみます。

comments