晴子は高校3年生,この4月からは京都にある
コンピュータの専門学校に通う予定だ。
高校は,地元で一番の進学校に通っていた。
成績はいつもトップクラスだったので,例に漏れず
晴子も国立大学を目指すものと誰もが思っていた。
陸上部に入っていて,県大会ではいつも1位か2位だったし,
近畿大会でも必ず決勝には残っていた。
頭がよくてスポーツ万能,そのうえかわいかったから
男子にはよくもてた。
ラブレターもたくさんもらった。
けれど,サバサバした性格がわざわいしたのか,
それともそんな風に装っていたのか,
興味の対象はもっぱら陸上で,仲の良い男子の友達はいたが,
ボーイフレンドはいなかった。
勉強は,そんなに頑張らなくてもそこそこ良い成績が取れた。
こんなかんじだったから,「専門学校に行く」と言ったときは
みんなが驚き,反対した。
(つづく)