KCGブログ小説・「おとといの春」 8

晴子は国語は得意ではなかったが,

漢文や和歌は好きだった。

言葉のリズムがいい。

論語の「子の曰く,・・・」なんて暗記しては口ずさんでいた。

一番好きな和歌は

「四方(よも)の海 みな同胞(はらから)と思う世に など波風の 立ち騒ぐらむ」

というものだ。

日本が日露戦争に突入していたとき,

明治天皇が読まれた歌だ。

この歌に感動したアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領が

戦争をやめさせるように働きかけ,日露戦争は終結した。

「世界中,みんな仲間のはずなのに

なんで波風が立って騒いでいるんだろう」

そんな意味の歌だ。

テロやら殺人やらのニュースばかりが目につく。

そんなのを目にするたびにこの歌を思い出す。

「みんな分かり合って仲良くなればいいのに。

平和な世の中が来たらいいのに・・・」

(つづく)

大盛り上がりでした!「セイサク君開発物語」

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KCG AWARDS 2008

京都コンピュータ学院 & 京都情報大学院大学

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