ある日の朝,目が覚めると外は一面の雪だった。
山から吹き込む風が,寝起きの顔を打ち,
一瞬にして夢から現実へと戻してくれた。
隣の家の犬も,寒そうに犬小屋にこもっている。
いつもと変わらない朝を迎えたようだが,
いつもと違う朝だった。
朝の空気を胸いっぱい吸い込み,
これからの夢に思いをはせて,
思いっきり伸びをしていると,
その思いを元に戻すかのように
目覚まし時計がけたたましく鳴った。
「ジリリリリリリー」
今日は寒かったせいで,いつもより早く目が覚めたのだった。
(つづく)