ああ女神様っ!

人生色々,卒業生たち(クリックで全文表示します)

一年生のコウイチ君が,最初の学期で選択したある情報系の科目の担当は,非常勤の若い女性だった。京都大学の博士で,才色兼備のやさしい素敵な先生だった。コウイチ君は,ひそかに,「ベルダンディ-先生」とあだ名をつけて,その先生の授業だけは欠かさず出席し,教室の最前列に座っていた。

中間試験が近づいた頃,コウイチ君は,あるひとつの作戦を思いついた。何か質問をしにいくという名目で,先生の研究室を訪ねようという企みである。教科書をよく読んで,引用文献を探し,その文献に書かれていることの意味を聞きに行って,一時間くらいは相手してもらえるような,質問を探した。

教科書を読めば読むほど,わからないことがわかってきて,疑問は減っていった。参考文献を読めば,ますます理解が深まった。そうこうしているうちに,中間試験の当日になってしまって,コウイチ君は,満点を取ってしまった。

次の週,ベルダンディ-先生は,そんなコウイチ君を褒めてくれた。舞い上がったコウイチ君は,ますます教科書を読むようになった。やはり,質問は見つけられず,読めば読むほど,理解してしまうのだった。

そうこうしているうちに,梅雨があけて,夏になった。コウイチ君の想いは募る一方だったけれど,おかげで勉強もはかどる一方だった。時々行われる小テストも,全部満点だった。

そして,期末試験がやってきた。

コウイチ君は,そのとき,勇気を出して,白紙答案を出した。先生に叱られてみたかったのである。試験は,試験担当の先生がつくから,ベルダンディ-先生ではない。あとから,呼び出しをくらうことを,ひそかに期待していた。

しかし,期末試験の結果は,夏休み中,夏の終わりに知らされる。期末試験の終わる頃にそれを知って,コウイチ君はすこしショックだった。

そして夏休みの間に,ベルダンディ-先生は,九州の某県立大学に移っていった。噂では助手として採用されたのだということだった。コウイチ君は,その科目を落としはしなかったけれど,中間テストと小テスト6本が満点で,期末が0点だったから,ギリギリ最低の成績だった。ほとんど完璧に理解したというのに・・・。

ズンズビダバヅゥビダバ~♪,テレ~レ~レレ~♪
チャンチャンチャラロリロリ~♪,ルンルンルル~ルン~♪
                                    ( -_-)旦~ フゥ…

<目次&リンク>
KCGに入学してきた人々,卒業していった人々。=KCGの学生さんの様々なパターン
デジタルネイティブ=今では普通になった,ネットで生きるフリーのプログラマーのはしり
20才で大人になった不良上がり=暴走族やヤンキーが当たり前だった80年代初頭の話
ゲームプログラマー =ゲームプログラマーの話
想い出のあのコ=高度専門士が無かった頃の話。大卒かKCG卒かが問題だったときのこと
卒業生同士の結婚 =卒業生同士で結婚に至る場合
洛北エンジニアリング =KCG伝統の洛北校,別名萩原学校。KCGの最高峰でメカトロニクスに夢中の学生さん
ああ女神様っ!=ベルダンディ-みたいな美人の先生に恋した話
禁断の師弟愛? =先生?と女子学生の恋愛と結婚
K君のRPG=母子家庭の長男が,RPGを作成し,大手ゲームメーカーに転職するまで
 
妹の遺骨=在学中に妹を亡くした情報処理科の寮生。広島の大手ソフト会社No.1,のSE

愛しい彼女4部作  
 一年から卒業するまで同じ軽音楽部だった彼女をずっと愛し続け,卒業の前にやっとゲットして,卒業後,結婚に至った話
愛しい彼女
愛しい彼女②
愛しい彼女③
愛しい彼女 終章
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