晴子は国語は得意ではなかったが,
漢文や和歌は好きだった。
言葉のリズムがいい。
論語の「子の曰く,・・・」なんて暗記しては口ずさんでいた。
一番好きな和歌は
「四方(よも)の海 みな同胞(はらから)と思う世に など波風の 立ち騒ぐらむ」
というものだ。
日本が日露戦争に突入していたとき,
明治天皇が読まれた歌だ。
この歌に感動したアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領が
戦争をやめさせるように働きかけ,日露戦争は終結した。
「世界中,みんな仲間のはずなのに
なんで波風が立って騒いでいるんだろう」
そんな意味の歌だ。
テロやら殺人やらのニュースばかりが目につく。
そんなのを目にするたびにこの歌を思い出す。
「みんな分かり合って仲良くなればいいのに。
平和な世の中が来たらいいのに・・・」
(つづく)
大盛り上がりでした!「セイサク君開発物語」