こんにちは、ペンギンです。
夏ですねー。
暑いですねー。
もうすぐ夏休みですねー。
・・・というわけで、読書の夏を少々。
手塚先生、締め切り過ぎてます! (集英社新書) 福元一義・著
この作者さんは、大学在学中にひょんなことで出版社に入社し、当時、月刊誌「少年画報」に「サボテンくん」という作品を連載中だった若手漫画家・手塚治虫さんの担当編集者になり、以後、紆余曲折を経て、手塚さんのチーフアシスタントになり、彼が亡くなるまでその仕事ぶりをつぶさに見てきた人です。
つきあい歴は何と30年とか!
それだけ長いと、そりゃあいろいろなエピソードがあって当然なはずで、この本では手塚さんに関する仕事上のことや、プライベートのことなどなど、大小問わず、さまざまなお話が書かれています。
書かれすぎて、逆に、
「いや、そこまで書かなくても・・・」
と、思うくらいに。
手塚さんが仕事の鬼であり、たくさんの漫画を描き続けたということは本書以外でもいろいろな本であったり、ネットであったり、テレビ番組であったりでさんざん言いつくされているのですが、この本はチーフアシスタントをやっていた人が書かれているだけあって、現場の視点でその仕事量を表現されています。
たとえば、154ページではこんな感じ。
15日になって、『ブラック・ジャック』がまず20ページ台に到達して脱稿し、16日には『陽だまりの樹』が18ページで脱稿。またその他につくばの科学博のポスター1枚も完成しています。
そして17日午後9時、『アドルフに次ぐ』第1回10ページが、発売日から約3週間前という早さで脱稿しました。
・・・なんだかしみじみとはわからないけれど、とっても大変そうです・・・。
相当、パワフルな方だったんですね~。
ちなみに私がこの本を読んで、おもしろいな~と思ったお話は、手塚さんが同行者を連れずにサイン会だか講演会だかに出かけて行方不明になったので、手塚プロの人々が大変気をもんでいたら、翌日の夕刊で、漫画家の仲間たちと一緒に徳島で阿波踊りをしている写真が掲載されていたというものと、
手塚さんがアシスタントさんたちに「アーチストになるな、アルチザン(職人的芸術家)になれ」とよく言っていたというものでした。
それから、美空ひばりさんがあまり好きではなかったというのも印象に残りました。あの時代の人って、ひばりさんの曲が好きってイメージがありますから。・・・でも、手塚さんがそう感じていたのは、こんなことがあったからだそう。
虫プロのアニメ作品『展覧会の絵』(昭和41年)のプレミアショーの日に、別の会場で美空ひばりのレセプションがあり、芸能記者がみんなそちらへ行ってしまったため、それ以来「美空ひばり」と聞くとむしょうに腹が立つようになってしまったそうです。
うーん、大人の世界ですねー。
大人の世界にもいろいろあるんですねー。
ほかにもこの本には、手塚さんの紙やペンに対するこだわり、アシスタントの採用基準など、スタッフさんならではのこまごまとしたお話があれこれ書かれています。
なので、その手のものが好きな人には、たまらない1冊かと。
本ってオモロイですねー。
さぁ、次は何を読もうかな?
・・・・・・というわけで、今日もダラダラ書いてしまいましたが、お時間です。
マタキテネーー(‘∇’)