こんにちは、ペンギンです。
さあ、今日も先日の金曜日に”京都市消防学校”で行われた、”第39回全国消防救助技術大会”のレポートの続きを書きたいと思います。
ちなみに、これまでのお話は、こちらです。
第39回全国消防救助技術大会in京都2010を見に行こう①
第39回全国消防救助技術大会in京都2010を見に行こう~ロープブリッジ渡過とほふく救出~②
第39回全国消防救助技術大会in京都2010を見に行こう~基本泳法と溺者搬送と引揚救助~③
第39回全国消防救助技術大会in京都2010を見に行こう~はしご登はんとロープブリッジ救出と人命救助~④
第39回全国消防救助技術大会in京都2010を見に行こう~ロープ応用登はんと障害突破~⑤
第39回全国消防救助技術大会in京都2010を見に行こう~業者ブース見学・重松製作所と福田交易と大阪サイレン製作所とその他~⑥
さて。
これまでの競技とは明らかに違う雰囲気にドキドキしながら、プールへとやってきたのが午後2時半過ぎ。
何が始まるのかとワクワクしながら待っていたら、そのへんにいた、どこかの関係者っぽい人から、こんな紙を渡されました。
「これからやります訓練ですので、良かったらどうぞ」
「あ、ありがとうございます~」
せっかくなので、1枚♪
”岡山市消防局 特別高度救助隊 技術訓練資料”とあります。
ところでこの”特別高度救助隊”ですが、なんでも、
特別高度救助隊(とくべつこうどきゅうじょたい)及び、高度救助隊(こうどきゅうじょたい)とは、大規模な災害や事故に対応する消防の専門部隊のこと。
特別高度救助隊は、全国の政令市を管轄する消防本部(または消防局)に設置が進められている。また高度救助隊は、全国各地の中核市等を管轄する消防本部に設置が進められている。
いずれの部隊にも「スーパーレスキュー」や、「ハイパーレスキュー」などの通称名が付けられていることが多い。 (みんな大好きWikipediaより)
ふーむ、そうなんですかー。
ちなみに、全国の特別高度救助隊を持つ消防本部と、部隊名、通称・愛称は以下の通りだそうです。
札幌市消防局…特別高度救助隊 スーパー・レスキュー・サッポロ(SRS)
仙台市消防局…特別機動救助隊 スーパーレスキュー仙台
新潟市消防局…特別高度救助隊 SART(サート:Special Advanced Rescue Team)
千葉市消防局…特別高度救助隊 スーパーレスキューチバ(SRC)
さいたま市消防局…特別高度救助隊 さいたまブレイブハート
東京消防庁… 消防救助機動部隊 ハイパーレスキュー
川崎市消防局…特別高度救助隊 スーパーレスキュー太助
横浜市消防局… 特別高度救助部隊 スーパーレンジャー(SUPER RANGER=SR)
静岡市消防局…特別高度救助隊 静岡・スーパーレスキュー(SSR)
浜松市消防局…特別高度救助隊 浜松ハイパーレスキュー
名古屋市消防局… 特別消防隊 ハイパーレスキューNAGOYA
京都市消防局…本部指揮救助隊 スーパーコマンドレスキューチーム
大阪市消防局…特殊災害機動部隊 スーパーレスキュー(AR BR CR)
堺市消防局…特別高度救助隊 フェニックスレスキュー
神戸市消防局…特別高度救助隊 スーパーイーグルこうべ
岡山市消防局…特別高度救助隊 ハイパーレスキューおかやま
広島市消防局…特別高度救助隊 ハイパーレスキューひろしま
福岡市消防局…特別高度救助隊 室見特別救助隊 堅粕特別救助隊
北九州市消防局…特別高度救助隊 ハイパーレスキュー・北九州
(みんな大好きだよねWikipediaより)
なるほど、確かにハイパー多いですね~。レスキューも多いし。
さて、話は戻って・・・。
開始までまだかかりそうだったので、もらった資料を見てみました。
【想定】
カヌーで渓流下りをしていた男性1名が、操船を誤り横転したものです。カヌーは、動水圧によって岩と岩の間に押し付けられており、男性にあっては、乗船したまま自力脱出ができない状態です。【状況】
災害点の川幅は約20メートルで、水深は不明、河川の流速は毎秒2.5メートルで、岩と岩の間はさらに流速が上がっています。
現場の対岸は、活動スペースはあるものの、陸上からのアプローチは不可能です。
河川の形状から災害点の上流約20メートル付近は、比較的流れが弱くなっている状況です。(岡山市消防局特別高度救助隊 技術訓練資料より引用)
設定、細かっ(驚)!
ついでに隊員さんの装備も紹介されていたので、引用してしまいましょう。
一般人が水辺で遊ぶときのヒントになるかもしれませんし♪
【隊員の装備】
【ヘルメット】動水圧を受けにくく、水抜けが良いものを使用。
【ウェットスーツ】低体温を予防するために着用。岡山市ではツーピース。
【PFD】ライフジャケットより浮力が強く、クイックリリースハーネス(ロープを付けて泳ぎ束縛された場合に、クイックリリースハーネスを作動させることで、束縛から離脱が可能になるもの)付き。
【ホイッスル】水に濡れても十分機能するもの
【ブーツ&グローブ】ネオプレーン製で、保温性の良いもの
【スローバッグ】フローティングロープを入れたバッグ
(岡山市消防局特別高度救助隊 技術訓練資料より引用)
うぅーん、専門用語が出てきましたねー。
百聞は一見にしかずで、要は、こんな格好らしいです。
そうこうしているうちに、演劇でいう舞台セットのようなものが組み立てられ・・・、
プールにぶくぶく沈められました。
で、それをプール中ほどより少し後ろよりの所に設置して、カヌーと訓練人形さんも置いて、準備完了!
・・・っと、ここで気がついたのですが、なんだか水の流れが、さっき競技を見ていたときと違う・・・。
どうやらこのプール、水の流れを変えることができるようです。
さすが訓練施設のプール・・・!
さあ、全員集合!
始まるよー!
横転した男性を発見し、声をかけます。
「あなたの左手にロープがあります! 左の手のそばです! つかまれたら、つかまってください!!」
というようなことを、レスキューさんが大声で呼びかけます。
反応がないので、次の段階に入ります。
「助けますからね、頑張ってくださいね!」
と、レスキューさんが大声で呼びかけます。
心強いですね。
ちょうど、撮影していた私の向かい側だったので、思わず、返事しそうになりました(え・・・)。
下流では、先程のロープよりもつかまりやすくて、見つけやすい(太いしね)、消防ホースに空気を注入し、少しずつ上流へと上げていきます。
一方、要救助者のいる場所より上流では、オレンジ色のロープを持ったレスキューさんが対岸に泳いで渡ります。(このとき、斜めに向かって泳ぐと、比較的に川の流れの抵抗を受けず、渡りやすいんですって)
こうして、それぞれの岸に2人ずつ、ロープを持ったレスキューさんがスタンバイできたら、そのロープの先を救助ボートの四隅に固定します。
そしてロープを順々に引っ張っていくことで、ボートを確実に目的地へと誘います。
「・・・にしても、3人の消防士さんが乗ってもビクともしないね・・・さすが救助ボート・・・」
↓ボートの後ろ2人がロープを引く人やリーダーに向けて、手信号を送っています。
要救助者が見えてきました!
ここで、岡山市消防航空隊が発案したストラップ、キャプチャーストラップを出します。これは何かといいますと、
【キャプチャーストラップ】
岡山市消防航空隊が発案したストラップです。
要救助者を抱え込むと同時に、カラビナをかけて吊り上げると、ベルトが自動的に締まり、要救助者を離さない仕組みになっているため、早急な確保が可能です。(岡山市消防局特別高度救助隊 技術訓練資料より引用)
さあ、救助です。
確保しました!
少しボートを後退させて、2人がかりで水から引き上げます。
引き上げました!
意識レベルや健康状態等を確認しながら、ボートは下流に進み、岸を目指します。
岸部では、オレンジ色の担架のようなものを持った人が待っていました。
「1、2、3!」
と掛け声あわせて担架に乗せます。
救急ドラマを彷彿とさせる光景です。
運び出します。
ボートを引き上げて、終了。
いや~、濃い時間でした。
消防関係者の知り合いも友人もない私にとって、初めて見るものばかりで、
「こうやって救助してるんだぁ~」
と、感動しっぱなしで・・・。
ではでは、次回は”技術訓練(陸上) 京都市消防局”のレポートを書きたいと思います。
・・・・・・というわけで、今日もダラダラ書いてしまいましたが、お時間です。
マタキテネーー(‘∇’)