妻は、くノ一 (角川文庫)
こんにちは、ペンギンです。
9月になったし、季節も変わりそうだしで、今日は最近ハマってる作品のレビューでも書いてみようと思います。
2009年9月8日現在、シリーズ5巻が既刊。
累計売り上げは40万部の、この類の小説としては、おそらくかなりの売れ行きと思われる作品の第1作目をご紹介です~♪
妻はくの一(角川文庫)
今、私がもっとも心酔している作家さんこと、風野真知雄氏の作品”妻はくの一”です。
タイトルからおわかりになるかもしれませんが、これは時代小説。
しかし、よくある”二枚目の腕の立つ剣士が、敵をバッタバッタと斬り捨てる”系統のお話ではなく、”変わり者でモテない主人公と、くの一 の純愛物語”なのですね。
と言っても純愛…と言うほど、甘い雰囲気でもないので、そういうのが苦手な人も読みやすいかも。
ここで大まかなストーリーを解説しておきますと、こんな感じ。
主人公・彦馬は長崎は平戸藩に勤める、”変わり者”と名高い青年。
そんな彼がひょんなことから結婚することになったのは、美貌の謎めいた女性。日頃からモテないことをひそかに悩んだり、凹んだりしていた主人公は彼女を生涯愛することを誓いますが、ひと月後に妻は失踪・・・。
どうやら彼女は江戸に行ってしまったらしい・・・。
彼女の手がかりを追って、彦馬は江戸へ向かうのですが、そう簡単にことは済むはずもありません。
だって、妻はくの一だったから。
それでも彦馬は妻を想い続け、友人の同心を助けて、趣味の天文マニアとしての知識を使いながら、江戸で起こるひょんな事件を解決したりしつつ、妻に会える日を待ち続けるのです。
ではでは、ここで現在あるどのサイトよりも詳しく登場人物の紹介をしたいと思います~。
☆~彦馬側のメインキャラクター~
*雙星彦馬(ふたぼし ひこま)
主人公。28歳。
長崎は平戸藩の御船手方書物天文係で、天文マニア。その凄まじさは、先祖伝来の田畑を売り払ってまで遠めがねを購入したほどで、周囲からは”仕事ぶりは真面目だけれど、かなりの変わり者”と評されています。
そして女性からモテなくて、『「雙星さまのところに嫁に行くくらいなら、舌を噛んで死にます」と、人身御供にでも出されるようなことを言った娘もいた p.23』という逸話もある人物で、『そこまで言われると自棄になって日本中の女を憎みたい気持ちになったりする p.23』こともあったみたい。
そんな彼があるとき上司の紹介で、美しく清楚な女性・織江と結婚するも、短い新婚生活を送った後、彼女は失踪。どうやら江戸に行ったらしいとの情報を得て、仕事を辞し、養子につがせた後に江戸へ向かいます。
*松浦静山(まつら せいざん)
平戸藩の元藩主で、現在は江戸の別邸で隠居の身。
武道の達人で、60過ぎとは思えない剣さばきと身のこなしで周囲を圧倒する一方、遊ぶことや見聞を広めることが大好きで、それが高じておもしろい話・不思議な話等をまとめた『甲子夜話(かつしやわ)』を執筆中。
天文にも造詣があり、彦馬や彼の親友・西海屋を別邸に招いては、世間話に花を咲かせています。
*西海屋千衛門(さいかいや せんえもん)
彦馬と同郷で、昔からの親友。
21歳のときに遠縁にあたる江戸の海産物問屋・西海屋の養子になり、以後、江戸で大変流行っている店をさらに盛りたて、商人としての才覚をいかんなく発揮。店をさらに栄えさせています。
彼は彦馬が江戸に来るにあたって世話を引き受けた人物でもあり、妻恋坂という土地にある長屋に住むよう手筈をつけたり、法深寺で行われる手習の師匠という職を紹介するなど、彦馬のバックアップをしてくれます。
*原田朔之助(はらだ さくのすけ)
南町奉行所の臨時回り(同心の一種らしいです。警察官みたいなものですかね)。
人懐こい性格で、彦馬ともすぐに打ち解けますが、かなりの愛妻家で、妻のノロケを、織江を探している彦馬に延々と語るKYなところも。
*雙星雁二郎(ふたぼし がんじろう)
旧姓・双星(ふたぼし)。
彦馬が江戸に行くために藩士をやめ、その家督を継がせるために養子にした遠縁の子です。13歳だが見た目は40半ばに見え、話すこともあまり若々しくないという風変わりな少年です。
*祥玄(しょうげん)
法深寺の和尚。
50歳くらいで、やや太めの体型。
ほかで持て余す子供たちばかり集まった寺子屋で、彼らをあたたかく見守っています。
*赤松晋左衛門(あかまつ しんざえもん)
平戸藩の御船奉行の1人で彦馬の上司。
”浮世離れした学者のような人が好き”との織江の好みを聞いて彦馬を紹介。
しかし、織江の失踪と時を同じくして、彼を悲劇が襲います…。
☆~織江側のメインキャラクター~
*織江(おりえ)
江戸のお庭番で、くの一。
長崎に密貿易の動きがあるという情報を受けた上司より、平戸藩に潜入する命令を受け、江戸からやってきた彼女は女が自然に潜入するのは結婚するのが一番と、これまでの人生で何度目かの結婚をするために、赤松に接近します。
そして彦馬を紹介してもらい、結婚することに。
彼の前では、『欲がなく、他人を羨ましがらず、労苦を厭わない(p.85より)』妻を演じますが、実際には「そんな女、現実にいるわけねーよ。 くの一 の手練手管だよ」とか考えているリアリスト。
しかし、そんな彼女だからこそ、純粋な彦馬の魅力がまぶしかったのか、すっかり惚れてしまいます。
料理を作るのなんて好きじゃないし(でもやる気になれば上手い)、涼やかな見た目とは違い、気も強いようです。
平戸藩での任務終了後に江戸に戻ってからも、彦馬をひそかに見守り続けながら、ずっと彼への想いと自分の使命とで揺れ動き続けるのです。
ちなみに江戸にいるときは、お庭番たちが住む桜田御用屋敷の一角にある長屋に母の雅江と住んでいます。
*川村真一郎(かわむら しんいちろう)
将軍直属の密偵組織であるお庭番の実力者で、織江の上司。
織江いわく、美男だけれど『まったくぴんとこない。というより、この男は面白くない。p.79』だそうで…。
織江にひそかに想いを寄せているものの、身分の差などを気にして動けずにいます。そのため、織江が彦馬に想いを寄せているのでは…と薄々勘付き始めている模様。
*雅江(まさえ)
織江の母で、かつて”天守閣のくの一”との異名をとるほどの凄腕くの一で、現在は引退して織江と暮らしています。
35歳のときに任務中に、潜入した中津藩で風変わりな用人・湯川太郎兵衛と出会い、恋に落ちます。そのときに知った“情報”を組織に報告せずにいたところを、惚れあっているのではと気付かれ、彼から引き離されます。
娘に父親がどんな人かを隠しています。
*お蝶(おちょう)
織江の同僚で、幼馴染の くの一。
代々のお庭番の父親と、元芸者の母親の間に生まれたという過去を持っています。
☆その他のキャラクター
*村尾新右衛門(むらお しんえもん)
かつて平戸藩で御蔵奉行をしていた人物で、現在80歳くらいです。
平戸藩で暮らしているときの彦馬のご近所さんで、何かと下世話なところがあったり…。
*川尻源吾(かわじり げんご)
平戸藩で勘定方の仕事をしています。
彦馬と同じくモテない人物で、『もてない男の会をつくろう、としきりに誘ってきた p.39』ようで、一時は彦馬も入ろうかなと思っていたとのこと。
*荘助(そうすけ)
彦馬と話が合う数少ない友達で、海賊の血を引く青年。
去年の夏に乗った船が難破し、行方不明に。
しかし、彦馬が江戸に向かう直前に訪れた古道具屋で再会。逃げるように去っていってしまいました。
*占いの婆さん
平戸で、彦馬に織江との出会いを言い当てた人物ですが、実はこれにはからくりがあって…。
*金蔵・銀蔵 (きんぞう)(ぎんぞう)
彦馬が江戸に向かう途中に出会う双子の泥棒です。
江戸に行って、ねずみ小僧と張り合いたいという義賊気取り。
*沢井小平太 (さわい こへいた)
彦馬が江戸に向かう途中に出会う、西国の某藩の武士です。
たまたま江戸に向かう直前に預けられたサボテンを運んでいますが、これで一悶着あって…。
*奈良屋源衛門(ならやげんえもん)
彦馬が江戸に向かう途中に出会う、江戸の薬種問屋。ですが彼との出会いが事件を生んで…。
*忠太(ちゅうた)
法深寺の寺子屋に通う少年です。
寂しさゆえに、寺子屋で盗みや悪戯をし、周囲から孤立していますが、彦馬の説得と仲裁によって、仲間たちと和解します。
*おゆう
江戸にある瀬戸物屋の土州屋の女の子。
彼女がさらわれ、戻ってきたときに「お月さましか見えてなかったのでわからない」と言ったために、それを手がかりに天文マニアの彦馬が事件解決に動き始めます…。
・・・ってなわけで、以上、総勢20名。
どこよりも詳しくレポートしてみましたが、いかがでしたでしょうか?
・・・え、そんなにイラナイ?
いや、オモロイから一度読んでみてくださいってば♪
意外とハマるかもですよー♪
・・・・・・というわけで、今日もダラダラ書いてしまいましたが、お時間です。
マタキテネーー(‘∇’)
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