ゲーム市場そのものが成熟し、
「作ってみて、置いてみたら、なんか売れた」のような世界じゃなくなってきています。
ヤフーのトップにも掲載された、「まだ死にたくない」――Wiiゲーム開発会社が「魂の叫び」
について、ちょっと感想を述べたいと思います。
まず、これはどのような話かについて、簡単に紹介します。
ヤフーニュース:
「まだ死にたくない」――Wiiゲーム開発会社が「魂の叫び」ニュースの元のITmediaの記事:
「まだ死にたくない」――Wiiゲーム開発会社が「魂の叫び」元ネタのブログ:
魂の叫び、切なる願い「まだ死にたくない」――ゲーム開発を手掛けるマーベラスエンターテインメントの幹部が、Wii用RPG「王様物語」(9月3日発売)の開発者ブログで、切実な思いを吐露している。同社のWiiゲームはどれも自信作で評価も高いが、販売数が振るわないと嘆いており、王様物語は「どうかたくさん売れてほしい」と願っている。
記事タイトルは「魂の叫び、切なる願い」で、書いたのは、王様物語エグゼクティブプロデューサーで同社取締役の和田康宏さん。
まあ、一言で言えば、「頑張ったのに、報われないなぁ~」…ということですね。
書いた本人も、まさかヤフーのトップに乗るくらいの話題になるとは思わなかったようで、
その後、「お騒がせしました」という記事を追って書いています。
この手の話は、どの業界にもあると思います。
特に競争の激しい業界では、「頑張っても頑張っても売れない」ことはよくあることです。
そういう意味でも、どの業界を目指す人も、
今まで通りのとりあえず「良いものを作れば、うまくいく」という発想から、
やや方向転換をする必要があるかもしれません。
もちろん、「良いものを作る」は大前提です。
この時代、何か悪いことをしたら、すぐインターネット上で飛び火となり、
光速で広がっていきます。
しかし、「良いものを作る」前にも、「良いものを作った」後にも、
この「良いもの」を、お客様に受け入れてもらうために、やっぱり色々な努力が必要です。
場合によって、「良いものを作る」ための労力以上の努力が必要になってくるかもしれません。
作る前は、きちんとお客様の意見を伺う。
自分が「良いもの」と思っているものは、
本当にターゲットとなるお客様もそう思ってくれるか…という確認ですね。
無論、傲慢な態度を取るクリエーター・メーカーも居ます。
お客様の考えよりも、「オレが良いと言ったら良いのじゃー」というスタンスですね。
もちろん、クリエイティブな仕事では、斬新なものを創り出すために、
「オレサマがイチバン」のような発想が必要もあります。
しかし、それでうまく行くのは、決して多くありません。
その傲慢さを越えて、お客様に受けて入れてもらうために、
「誰にも文句の付けようがない、絶対的な素晴らしいもの」か、
あるいは長年築き続けたブランド、実績、権威が必要です。
誰でも出来るものではないし、いつでも出来ることではありません。
通常なら、やっぱりキチンと顧客のニーズをうまく汲み上げたほうが確実ですね。
作った後の、自分が作ったものの良さを顧客に伝えるために、
顧客とのコミュニケーション、顧客に対するプロモーションも大事ですね。
実に言うと、これは一番難しいですね。
顧客の嗜好の多様化が進んでいますので、媒体の種類や数も膨大になっています。
昔のように、とりあえずテレビに大量なCMを流せば、
ある程度売れる…ことが無くなってきています。
ここらへんは、新しいテックやチャンネルを取り入れながら、
うまく「伝える」ことが求められます。
今回の「魂の叫び」も、狙っているかわかりませんが、
かなり広告効果が出ているかと思います。
恐らくこの記事を書かなかった時と比べて、
売上にそれなりの影響が出ると思います。
今まで「王様物語」を全く聞いたことにない人も、
とりあえず気になって、調べに行くからねー。
おっと、、ちょっと話が長くなりました。
最初の話に戻ります。
成功するためには、「良いものを作る」だけではダメですね。
たとえば、「ゲームを作りたい!」と考えた時に、ゲーム作りのテックばかり学べばそれでいい…、
「エンジニアになりたい」と考えた時に、プログラミング技法ばかり学べばいい…という世界じゃ無くなってきています。
結局、何かしらの良いものを作っても、それをうまく売っていかなければ、
おまんまん食べれないからな~
やはり、出来るだけ視野を広げて、「ものづくり」だけではなく、
「ビジネス」そのものを意識する必要があるじゃないかと思います。
KCGはITの専修学校にしては、珍しくビジネス系の講義を開講しています。
どの分野のITを学ぼうとしても、その気になれば、ビジネスの素養を身につけることができます。
上の大学院のKCGIも、まさにビジネスを軸として教育を行っています。
ある意味、この多種多様な時代のニーズにあう学校の姿の一つかもしれません。