今年から、KCGで経営学を教えています。
KCG来年以降のカリキュラム改革に向けて、
KCGのほうもビジネス系の科目を強化のため、新しい科目を開講したわけですね。
で、六月に入って、講義もほぼ真ん中まで来ているところですね。
今までは、意思決定、経営戦略の基本の話から、
「ヒト」の管理に関わる労務管理やヒトが構成する組織などの話まで進みましたが、
今週からは「モノ」の話に入りました。
で、今週はマーケティングの話をしました。
マーケティングと言っても、いろんな定義の仕方がありますが、
非常に乱暴に無理やりまとめると、
「顧客が満足するような商品・サービスを継続的に提供するための仕組み」っと言えるじゃないかと思います。
そのために:
- 顧客は「なにで」満足するかを調べる。
- 「どの顧客」を満足させるかを決める
- 「どの方法」で顧客を満足させるか
などの課題をこなす必要があります。
で、今日はここで少しだけ「どの方法」を選ぶかの話をしましょう。
まず、下の図を見てください。
↓どある町の顧客のラーメン満足別分布
この図は、完全に仮想な図です。
横軸はラーメンの麺の「細さ」示しています。
Aは極細、Cは細麺、Eは普通、Hは太麺、Jは極太…という具合ですね。
縦軸はスープの味の「種類」を示しています。
1はめちゃあっさり、3はあっさり、5は普通、7はこってり、10はめちゃこってり…という感じですね。
で、例えば(C,3)に書かれている「12」は、こってり(3)の細麺(C)を好む顧客は12人居る…って感じですね。
さて、この図表は、仮想なマーケティングリサーチの結果をまとめたものですが、
このような結果を基づいて、「どのようなラーメンなら一番ウケがいいのか」を探っていくのです。
ここらへんは、本来は色々な手法があったりしますが、
KCGで行われた授業そこまでディープなものではありませんので、とりあえず「勘」で決めてもらっています。
この図を見れば、ここの「ラーメン愛好者」は、大きく4つのグループに分かれていることが分かります。以下の4グループですね。
- (C,3)を中心とするあっさり細麺グループ
- (B,8)を中心とするこってり細麺グループ
- (H,9)を中心とするあっさり太麺グループ
- (I,8)を中心とするこってり太麺グループ
もちろん、本来なら顧客の分布だけ見ればよい…ではなく、
自分の強み・弱みも考慮しなければなりませんし、
さらにライバルのラーメン屋の戦略も考える必要があります。
簡単に言うと、自分のラーメン屋は「太麺」と「細麺」のどっちが得意のか?
「こってりのとんこつスープ」と「あっさりとりがらスープ」のどっちのほうが美味しく作れるのか?
これらにも大きく影響されるのですね。
客が多くても、自分が作ったラーメンがまずかったら、
顧客を満足させることが出来ず、誰も来てくれません。
そして、仮に(B,8)のようにこってり細麺グループに顧客数が多く、
更に自分はこってり細麺を得意としていても、
もしそのカテゴリのラーメン屋が大量に開店されているの…、
あるいは強力なライバルが更に美味しいラーメンを作っている…なら、
競争を避けたほうがよい…っと言った判断もありえます。
今日の授業では、とりあえず「自分」と「ライバル」の能力差を考慮せずに、
単純に「どの顧客向けのラーメン」を作るについて、学生達に考えてもらいました。
この類のゲームは簡単そうに見えますが、
ライバル(クラスメイトが開いているラーメン屋)と戦略の読み合いをしないといけないので、
実は結構難しかったりします。
なにはともあれ、今日はこのゲームを実施して、
学生達は結構楽しんで学んでもらったので、
個人的には大満足です。(*゜ー゜)v
ちなみに、今日の授業で学生に考えてもらった「どの顧客にどのような商品」の問題は、
マーケティングの「ターゲティング」と「ポジションニング」に関わっています。
興味のある方は、この二つのキーワードで検索してみましたら、
色々な情報が出てきます。