引用するまでもなく、皆さんご存知かと思いますが。
円高です。
まあ、一応念のため、適当に日経の記事を引用しましょう。
ふつ~うに日本国内で生きていると、
普段の生活は日本円しか使わないので、
円高円安とかは、他国の貨幣を持たない限り、
あんまり関係ない…と思うかもしれませんが、そんなことありません。
何故かというと、日本のような自由貿易(まあ、厳密な定義はともかく)の国では、
為替の変動によって、いろいろと大きな影響が出てきます。
ニュースや新聞では、「円高だ、日本の経済大変だ~」と言いますよね。
ここで簡単に「円高」の大変さを説明してみます。
皆さんが日常的に購入している商品、
その中のかなりの割合は外国製品になります。
円相場が変動したら、円の購買力が変わりますので、
「同じ日本円」で買えるモノの値段も変わってきます。
例えばアメリカ製のビタミンを買うとしましょう。
アメリカのメーカー的に、1ビン10ドルで売りたい。
で、もし為替は1ドル=150円(円安)なら、
この商品を購入するために、日本人は150*10=1500円を出す必要があります。
しかし、円高が進み、為替は1ドル=100円になりましたら、
日本人は100*10=1000円だけでこのビタミンを買えるようになります。
簡単に言うと、円高になると、円の購買力が高まり、
円を使う人は、より安く購入できるようになります。
さらに言えば、他の国の商品は、安くて競争力が高まりますので、
他国製品は日本製品よりも売りやすくなります。
まあ、この部分までなら、
「えへへ、我々が持っている日本円で、安い外国製品を一杯買えるからええやないか~」と思うかもしれません。
しかし、これだけではありません。
外国製品は安くてお得ですが、
日本人も「うむむ、これだけ値段差があれば、国産を諦めるしかないな…」のような人も増えます。
そうしたら、日本製のものが売らなくなり、日本の産業の景気が悪くなり、
企業倒産やサラリーマンのリストラも起こりやすくなります。
「お、こりゃ大変」と思うかもしれませんが、
大変のはこれだけではありません。
円高の影響は、日本国内に留まらないのです。
例えば日本のゲームをアメリカに輸出しているとしましょう。
日本のゲームメーカーは、一つ6000円で売りたいと考えています。
で、もし為替率1ドル=150円なら、
アメリカ人はこのゲームを40ドル(6000円/150)で買えますね。
で、円高が続き、為替率1ドル=100円になっただとしましょう。
そうしたら何か起こるかというと、
6000円のゲームは60ドルに成ってしまいます(6000円/100)。
そうしたら、当たり前のことですが、
アメリカ人的に「日本製のゲームはなんか高いな…」ということに成りますので、
日本製のゲームを買わずに、アメリカ製のゲームを多く買うようになります。
勿論、日本のメーカーも割り切って、
「じゃ、やっぱり40ドルで売りますので、買ってくださいな~」という手もあります、
そうしたらアメリカ人的に値段は同じなので、売れ行きは変わらないのですね。
しかし、そうしたら何か起こるかというと、
本来6000円で売るつもりの商品は、気がついたら4000円(40ドル*100)しかゲットできません。
つまり円高になると、日本製の輸出商品は、
「1.利益が減る」か
「2.売上が減る」
の2択になってしまいますので、
いずれにしても、苦汁をなめることになりますね。
まあ、今回の為替の現象は、「円が高くなった」というよりも、
サブプライムローン問題で「ドルが安くなった」のほうが大きいので、
波及効果は致命的にはならないと思いますが、
日本の企業は昔よりも商売しにくくなっていく…というのも事実じゃないかと思います。
で、日本の産業はどうすればいいか…というと、
色々な解決策が考えられますが、
とりあえず企業の効率を高めなければ前に進むことが出来ません。
KCGIのコラムにも出てきた話ですが、
どうも日本の生産性は、他国と比較したら結構悪い…と言われているそうです。
ITの活用による生産性向上は、これからますます重要視されるじゃないかと思います。
国も背負う重要なポジションに居るとも言えるかもしれませんね。