クジラ,鯨・・

クジラ,鯨・・

イオンモールKYOTOがオープンして一ヶ月。店内には,多くの店舗が入っているが,大半は全国チェーンの専門店だ。零細規模の小売店が集積するような昔の市場ではなく,大手企業が集まって,それを一箇所に纏め上げているのも大手である。まるで巨鯨のような大手物流しか生き残れない時代だなと思っていたら,鯨の話がニュースに出ていた。しばらく考えていたのだが,やはり書いておく。

子供の頃,小学校の給食で肉が出るというと,クジラだった。
独特の臭みがあって,クジラが出ると,多くの子供たちが,なんだ~という失望を表していた。クジラは安い肉の代名詞であり,牛肉が一番「高価な肉」だった。

自分はクジラをあまり美味いとは思わない。昔,尾の身の刺身を食べたときは,それなりに美味いとは思ったが,さほどの感動があったわけでもない。独特の臭いがあったからだ。推するに,冷凍もどしであるから,臭いがこもっていたのだろうと思われる。

たまに食べると,その臭いが懐かしく,なにやら郷愁を覚えるから,しみじみとはするけれども,何度も食べたいとは思わない。ただ,昭和の時代を思い出すための機会にしかならない。

本当に美味い鯨肉を食べたことが無いからかもしれないし,あるいは新鮮なのを食べてもそれほどではないのかもしれないが,もうひとつの懸念は,ダイオキシンの含有量でもある。マグロと同じく,食物連鎖の頂点に位置する最終捕食者であるクジラは,ダイオキシンなど有害物質が多く蓄積されている。マグロほど美味いと感じるわけではないので,危険を承知でまで食べたいとは思わない。

さて,下記にフェアユースさせていただいているニュースだが,グリーンピースは,「日本のクジラの食文化に反対ではない」のだそうだ。クジラを食べるという食文化を否定はしない,しかしクジラを乱獲するのは反対する,ということか。

食文化を否定しないという程度まで譲歩しながら,食文化の域を超えた乱獲は許さないというならば,マグロの乱獲に対してはなんら肯定の余地はなかろう。物流システムの結果の流行で冷凍マグロと合成ワサビを覚えて,ひたすらマグロを乱獲している日本以外の国々に対して,マグロ捕獲を禁止したらよい。日本のマグロは食文化であるから,それ以外を禁止すれば,鯨と同様にすぐに数は増えるだろう。食文化を尊重し,巨大物流システムを否定したらすべて解決するはずだ。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100702-00000006-maiall-soci

<IWC>商業捕鯨再開先送り 世界のクジラは増加傾向
7月2日8時16分配信 毎日新聞

世界の海にいる主なクジラの分布と数(日本鯨類研究所公表、数字は頭)
 商業捕鯨を認める議長案が提出された先月下旬の国際捕鯨委員会(IWC)では各国の対立が続き、同案は合意に至らなかったが、そもそも、世界にはどんなクジラがどのくらいいるのだろう。世界のクジラ事情を改めて調べてみた。【小島正美】

【ニュースがわかる】どうなる日本のクジラ捕り

 ◇日本沿岸で30種超 シロナガスは乱獲で激減

 世界には、イルカも含めて約80種類のクジラがおり、日本の沿岸だけでも30種類以上いる。このうち捕鯨について国際的な議論となっているのは、IWCが管理対象とする13種類だ。

 水産庁や日本鯨類研究所によると、南半球では、ミンククジラが約76万頭と最も多く、マッコウクジラ、ニタリクジラ、ザトウクジラ、ナガスクジラも多い。一方、少ないのは体長約30メートルと世界で最も大きいシロナガスクジラやイワシクジラ、ミナミセミクジラ。北半球ではミンクやマッコウが多い一方、シロナガス、セミ、ホッキョク、コクは少ない。シロナガスは60年代までに大量に捕獲されて激減、代わってミンクが急増した。最近はザトウが爆発的に増え、ナガスも増加気味だ。これらの数字は鯨類研や世界の科学者の推計に基づき、IWC科学委員会でおおむね認められたものだ。

 IWCは82年に商業捕鯨の一時停止を決め、日本は国際捕鯨取締条約に基づき、87年から南極海、94年から北太平洋で調査目的の捕鯨を開始した。捕獲数は年によって異なるが、ミンクが約700~900頭、ニタリ50頭、イワシ100頭、マッコウ1~6頭だ。

 世界では、IWC規定を留保しているノルウェーとアイスランドが商業捕鯨でミンククジラやナガスクジラを捕獲。デンマーク、米国アラスカ、カナダ、ロシアなどの先住民族もホッキョククジラやナガスクジラなどを捕獲する。日本国内では北海道、宮城、千葉、和歌山の4カ所でツチクジラなどが捕獲されているが、これらはIWCの管理対象外だ。

 先月のIWCの議長案は、日本沿岸での商業捕鯨を認め南極海での捕鯨数を最終的に200頭に縮小する案だったが、反捕鯨国の同意は得られなかった。

 ◇価格高く、だぶつく在庫

 クジラ肉は価格が高いことなどから、大衆料理とはなっていない。専門料理店が仕入れる価格は100グラムあたり約600~1000円と国産和牛並みの値段。年間約70億円かかる調査捕鯨の費用は、国の補助金(約8億円)と捕獲したクジラの肉を売って賄う仕組みのため、調査捕鯨を行う日本鯨類研究所が安く卸すと調査費用が捻出(ねんしゅつ)できなくなる恐れがある。

 クジラ肉があまり売れないため、1年程度の在庫があるのが現状だ。環境保護団体のグリーンピース・ジャパン(東京)は「日本のクジラの食文化に反対ではない」としたうえで、「捕獲した冷凍クジラの在庫は、1年分の消費量に相当する約4000トンもだぶついている。調査捕鯨は税金の無駄遣いだ」と消費者のクジラ離れが進む中、南極海などで捕獲する意味はないと主張する。

 5月下旬、東京都内で第22回「捕鯨の伝統と食文化を守る会」(日本捕鯨協会など主催)が開かれ、国会議員などが各種クジラ料理に舌鼓を打った=写真。刺し身、ベーコン、ステーキ、空揚げなどが並び、コッペパンにはさんだカツドッグに群がった人たちは「昔、食べた味だ」と懐かしい味を楽しんでいた。「クジラ食文化を守る会」の梅崎義人事務局長は「大量の水やえさを食べて育つ牛などの家畜に比べて、海で育つクジラは将来の食料不足を解決する食品のひとつになりうる」と語り、国が世界的な食料問題の解決の糸口にクジラを位置付けるべきだと訴えている。

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 ■IWC管理対象のクジラ

 シロナガス、ナガス、イワシ、ニタリ、ミンク、マッコウ、ザトウ、ホッキョク、コク、セミ、コセミ、ミナミトックリ、キタトックリ

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