かき氷 その2

8月28日(土)の女の子限定スペシャルオープンキャンパス

宇治金時

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鮨,寿司,うまいすし,ラーメン,うどん,そば,美味いもの,グルメ@京都情報大学院大学

カレー・カレーライス特集
パエリア パエジャ のレシピ

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甘味 かき氷

かき氷

ビールが回っていたときに写真を撮ったので,ピンがきてないけど,アップしてみる。夏のビールの締めはかき氷。

緑色は抹茶で,その間に見え隠れするのがさとうきびの砂糖。濃い緑と薄茶色のまだら模様が美しい。

アンコは横に乗せてある。

ほろ苦く,さわやかに甘くて,冷たい。
このデザートを発明したのは,だれなんだろう。東南アジアの諸国に行くと似たようなデザートがあるのだが,ルーツはどこなのか。おそらく最初に製氷を実現した国なのだろうなと思っている。アジア圏では,やはり日本なのかも。

ほんのりと甘く,ほろ苦くて冷たい夏のお菓子。氷菓。

練乳をかけても美味いのだが,抹茶と砂糖とアンコだけのほうが,さわやかな大人の味かな。

かき氷屋は,製氷屋の氷を使うから,あの氷はとても美味いのだが,もしそれを使用したとしても,抹茶や砂糖の量を好みで調整できるような,家庭で作るのが,実は一番美味い。

暑いなあ~,今日も。

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日本の長寿もアテにならない

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日本の長寿もアテにならない

戸籍の管理もまともにできていない,長寿国日本。最長寿が186才だって??

美味いものを食べて,長寿長生きしようとしても,逆に,短命でもいいから美味い物を喰おうとしても,どちらが幸せなのか,わかったものではない。
そして,野菜や草食中心だとか,粗食の日本食が長生きの秘訣だとか言っても,どこまで本当なのか・・・。

「長寿食世界探訪記」by家森幸男(ちくま文庫 2007年)を読むと,京大医学部教授だった家森博士の研究では,医学で統計的に解ったことは,塩分を取り過ぎると短命であること,煙草を吸うとリスクが大きいこと,あとは大豆から摂取し易いイソフラボンとヨーグルト(乳酸菌)を摂取し続けると長寿だと,・・・くらいであって,他方,例外を観れば,実際のテレビ報道や日本最長寿の人のレポートをネットで読むと,塩分を採りすぎても煙草を吸っていても,長寿・長生きしている人がいるのも事実だ。

それで,長生き・長寿であるから幸せなのか,短命であるから不幸であるのか,問うならば,長生き・長寿・長命でも,あるいは短命でも,一番大事な事は,今,幸せで「生きている」ことだと言う他無いだろう。

長生きしても幸せでないなら意味は無いし,短命でも,幸せなら本人にとっては,幸せな人生だ。そして,死んでしまったら,長生き・長寿・長命であったとしても,短命であったとしても,どちらが良いのか,判断する自分はすでに死んでいたら,判断すらできない。

生きている間に,努力して,美食すべし・・・。

人間の持っている能力なんて大差無いんだから,楽しむためには,それなりに努力しないといけないんだよ。

努力して,生を楽しむことだ。筆者は今まで出来なかったのだが・・,せめて週末に来校する女の子たちには,生を楽しんでもらいたいと切に願う・・・。なんだかんんだ言っても,日本はまだ,女が独りで生きていける国ではないのだから,自分の幸せをつかむために,勉強して,手に職をつけて,技術でもって,自立してもらいたいネ。

—-以下,引用————————–
ついに186歳!文政7年生まれ「戸籍上生存」
 高齢者の所在不明問題で、山口県防府市で26日、文政7年(1824年)に生まれた186歳の男性が戸籍上、生きていることになっていることが判明した。
 同県光市で165歳の男性、同県周防大島町で164歳男性がそれぞれ、戸籍に残っていることもわかった。

(2010年8月26日19時35分 読売新聞)

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かき氷

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甘味 かき氷

地球温暖化で,日本もとうとう熱帯である。

子供の頃,京都市内で真夏の気温が30度を超えることは珍しかった。それが今や35度は当たり前,38度なんて日も,普通にある。

気温が上がると,頭がボ~っとしてきて,IQも下がる。かき氷で頭を冷やし,勉強・仕事に励もう。

日曜大工用品とか電化製品,カメラやパソコンまで,最近は大規模全国チェーン店ばかりである。猛暑だからか,あちこちで家庭用のかき氷機も廉く売られている。昭和レトロな鉄の鋳物でできたものもある。大がかりな刃物の大きなものが良い。また,ネジで刃の出を調整できるとなお良い。

市販のアイスを買ってきて冷蔵庫に入れておくよりも,家でかき氷を創るのが一番安上がりで,実は,一番美味くて,さらに低カロリーだ。

氷は山で湧き水を組んできて,冷蔵庫で凍らせるのがベスト。次は本格的な氷屋の氷が良い。最近はコンビニでも良い氷を売っているので,それでもいい。面倒なら水道水でも良いだろう。

ガリガリを氷をかく。削る。刃の出を調整できるならば,できるだけ薄く削るのが良い。大半の機械はそうではないだろうから,気にせず削る。

砂糖は,サトウキビ100%のものが良いが,しっかり甘ったるい方が良いのなら砂糖大根の砂糖でも良い(いわゆる上白糖だ)。
市販の氷蜜は,色々と混ぜ物が入っていて不味いので使わない。

抹茶の粉を1缶,いつも冷蔵庫に入れておく。

氷を削りながら,ある程度盛り上がると,砂糖と抹茶を振りかける。そしてまた氷を削る。何度か繰り返すと,氷,砂糖,抹茶の積層ができる。

あずきのアンコの缶詰を開けて,乗せる。あんこは少量で良いので,ジップロックに薄く延ばして小分けして,冷凍しておいたら良い。少量だけ割って使う。
京都の和菓子屋が作っている缶詰あんこだと,使用されている砂糖も上質であまりベタベタしない。

好みで練乳をかける。しかし,練乳にはまた別の砂糖が入っているわけで,わざわざ「さとうきびの砂糖」にこだわるときは,練乳はかけない方が良い。アイスクリームをのせても良いが,高く付くし,脂肪が多いからほどほどに。

かき氷をイッキに食べると,頭がキーンと痛くなり,その痛みが消えたときには,脳の温度が降下していて,実にすっきりする。

練乳,あずきなどは省略しても良い。
抹茶の代わりにインスタントコーヒーでも良い。
冷蔵庫で緑茶を凍らせておいても良い。
蜂蜜やジャムなど,お好みで試したらよいと思うが,抹茶が一番だ。
カフェインを摂取して,冷えた頭をさらにすっきりさせる。

最近は中国から廉価な抹茶が輸入されるようになり,抹茶のお菓子が増えた。アイスクリームも例外ではなく,抹茶フレーバーがたくさん売られている。
しかし,中国の抹茶はどれも独特の匂いがして不味いので,宇治や静岡の抹茶にしたい。
国産の抹茶は小さな一缶で1000円くらいする。上質のものだともっとする。しかしかき氷一皿分や,お薄一杯分の使用量はごく僅かだから,何十回か楽しめる。

ぜひ国産の本物の抹茶で「宇治金時」を。

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経済的晩飯 もやし

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株価が8000円台になり,1ドルが80円台になった。

リーマンショック以来,もやしが流行っているという話を何度か聞いた。美味い食べ方は何種類もあるが,簡単なのを・・。

①中華風モヤシ炒め
中華材料の問屋に売っている鶏がらスープの素。化学調味料の入っていないのがあるから,できればそれが良い。
ニンニクと胡椒と,モヤシ。醤油と酒少々。できれば本葛,なければ片栗粉少々。

油を熱し,ニンニクを炒める。モヤシを入れて炒める。酒を振り入れる。醤油をたらす。水分が出てきているはずなので,その水分で水溶き葛か片栗粉を入れて,からめる。とろ~りとしたスープがモヤシを別の一体に成す。

②モヤシの洋風炒め
肉を焼いた後のフライパンを洗わずに,そのまま使う。肉の油脂を利活用する。
ニンニクを追加して炒め,そこに塩コショウを追加する。
あればバルサミコ(ワインビネガー)かワインを入れる。牛脂とワインビネガーが混ざると,甘くねっとりと美味い。

③モヤシ飯
モヤシを,米粒の長さくらいに切る。それを炒める。水分が出てくるので,出てきた水分は別に取り置く。
冷や飯を,ニンニクを効かせて,炒める。
ある程度炒めたら,モヤシと混ぜる。
モヤシと飯の比率は半々くらいでも良いと思う。
味付けは,中華材料の鶏がらスープ,ブイヨン,バター,なんでも良い。その日の気分で決める。これはイケル!と思ったら,別に取り分けたスープにも醤油を入れ,それなりに仕立て上げる。

④モヤシのカレー炒め
レトルトのカレーでもいいし,昨夜の残りのカレールウでも良い。モヤシを油で炒めて,それを混ぜる。

色々,試していただいたら・・。

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グルメの経済効率 その2

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グルメの経済効率 その2

日常,家庭で経済的に美味いものを食べるための方法論は,百家争鳴だ。筆者の方法論を少し書いておく。

近所のスーパーで売られている味噌,醤油は防腐剤のたっぷり入ったものが高価である。醤油や味噌は,醸造元や製造元から直販の,廉くて美味いものを買うようにする。酢も醸造元から大びんで買うと廉い。通販してくれるところを押さえておく。

香辛料はスーパーで買うと凄まじく高い。15g程度の小瓶で数百円から,エスニック系のスパイスだと1000円近くするものもある。従い,調味料,香辛料の類は,できるだけ業務用を卸問屋で買う。最近はネット通販で業務用を買うことができるので楽になった。
家庭ではあまり消費しないからといって,小分けしたものにするから高くなる。例えば,ブラックペッパー・ホワイトペッパーは,500gくらい入った業務用だと1200円くらいで買える。これを,親戚と分けたりすると安上がりだ。
カレーに使用するクミンやカルダモンなどになると小瓶が凄く高いので,絶対,業務用を買うようにする。この手の香辛料は小分けにして冷凍しておけばよい。

蕎麦,うどん,素麺などの常備乾麺も,最近は美味いところのを通販で買うことが多くなったのだが,これも業務用だと安上がりだ。

インスタントラーメンは最近はあまり食べないが,カップめんよりもパックの方がきちんと料理すると美味く仕上がるので,パックを複数ブランドで常備していた。インスタントラーメンは,異なるブランドを混ぜると,結構美味くなったりして,楽しめる。

常備食材については,食べたいものを優先せずに,そのとき廉いものを優先して買うのは当然だろう。定番は,もやし,ネギ,ニンニク,豆腐,玉子くらいか。最近は菌床栽培の茸が廉いのでありがたい。ジャガイモと玉ねぎも,廉いときには多い目に仕入れる。他にはキャベツやきゅうりも普通の値段かそれ以下のときには常備野菜になる。

京都や滋賀では,少し郊外に出ると,農家が野菜を直販している。そういうのは新鮮で廉いから,休みのときにはできるだけ買いに出るようにしている。

牛肉は国産の霜降りよりも,オーストラリアやアメリカの赤身が好きなので安上がりだ。グラム100円程度だろう。国産でも赤身のモモ肉にすると廉いし脂肪も少ない。シチュー・カレー用というような赤味の硬い肉で,その日の見切り品で半額とかいう少々古いドドメ色のを選ぶと,丁度熟成が進んでいて,たいへん美味い。サイコロステーキにするには,これが一番だ。

鶏肉はせせりという首の肉が一番美味くて,日本では一番廉い部位になる。広東とかガーナなどに行くと,首の肉が一番高いのだそうだ。農家の庭で走り回っている鶏が一番美味いのだが,せせりはブロイラーでも結構いける。軟骨と並んで,美味いのに廉い部位である。

豚肉はバラの塊を買って家で切ると,中身がフレッシュで良い。豚肉は生姜と醤油と酒だけで生姜焼きにすることが多い。豚足は廉くてコラーゲンが多いので,健康のために月に一回は食べている。煮て脂肪を落として,酒と醤油とニンニクとショウガで味付けすると,しばらくは持つ。

多くは冷凍になるが羊肉も廉くて美味いので時々食べている。いずれの肉も,塩コショウとニンニクだけで網焼きにすることが多い。そして塩焼きの肉の付け合わせには,もやしを山盛り炒めて添える。化学調味料の入っていない鳥がらスープの素などで炒めると,奥深い味わいの付け合わせになる。

肉は数日に一回くらいしか食べない。たんぱく質を欲するときは,コレステロールを気にせず玉子焼きを食べることが多い。目玉焼きや出汁巻きにしている。これらについては,うんちくがあるので,また別稿で。

京都では魚が不味いので,街中ではまず買うことはない。そのかわり,海辺の卸商や大阪の卸商の近くまで出かけたときには,必ず魚を買って帰る。そういった卸商では,閉店間際になると,天然のヒラマサの80cm大のが2000円とかになる。ヒラマサ,ブリ,カンパチなどの大型の青ものは,冷蔵庫でしばらく寝かした方が美味くなるので,こういうのを一本買ってきたら,しばらくは持つ。タイやサバなども切り身ではなく,丸ごと買う。いずれも頭から骨まできちんと料理して食べてしまう。

京都のスーパーで買う唯一の魚が,サンマであり,魚は,サンマが一番の好物だ。今年はサンマは不漁で高いが,サンマだけは冷凍戻しでもヒラキでもそれなりに食べている。一本100円から150円くらいか。

イワシの丸干や塩鮭などは,乾物卸商で扱っているところがある。そういうのは,順番に買って食べて,これは美味い!と思ったら,そこから買うようになる。そうなると,スーパーに並んでいるものは絶対買わなくなる。卸値と送料とあわせても,スーパーの値段の方が高い。

だいたい,日常はあまり凝ったものは食べない。そうしておくと,ここぞというときに凝った料理の美味さが強調されるからでもあるが,中途半端に凝ったところで,たいした感動は無いからだ。

歳のせいもあって,素材の味を楽しむためにも,あまり面倒で中途半端な味付けなど無い方が良いと思うようになってきた。健康のことも気遣って,素材は廉くて美味いものを選ぶようにして,できるだけシンプルな料理にしている。

そして,鮨だけは,絶対に家で再現できないから,四季折々年に4回,独りで鮨屋で大枚を支払う。つまり,その4日間のための罪滅ぼしに,日常をシンプルに過ごしているということでもある・・。

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グルメの経済効率

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グルメの経済効率

こういうブログを書いていると,「食にずいぶんな金を使っているだろう」とか,「贅沢だ」とか,挙句には,「色々なものを食べてお金持ね~」などと嫉妬と揶揄の入り混じったような,わけのわからない羨望を浴びたりするので,念の為,書いておく。

結論から言うと,「美味い物を食べるには金が必要だ」,「お金があると美食できる」などと思っている人々は,さらには,「金が無いから美味いものを食べることができない」などと信じている人々は,いくら経済的に恵まれても,一生,美味い物を食べることはできない。

美味いものは,値段とあまり関係が無い。第一に,味覚は,幼いころから学習した結果と,その場と言う環境と,身体の状態(空腹かどうか,健康か否か,等)の関数である。そして第二に,「高い店だから美味い」とは限らないし,「廉い店が不味い」わけではない。つまり,美味い物を食べることや,美味い物を知ることと,その対価や当人の経済力とは,全くの無関係ではないけれども,実はあまり関係が無いのである。

大事な事は,「知識と情報を得ながら」,「五感を開いて認識しながら」,「考えながら」,「想い出しながら」」「どのような機会であろうと食に対する情熱を絶やさず」,「より美味いものを目指す向上心」を持って,食に対峙しようとする日常の態度である。

筆者が美食と経済効率を考え始めたのは中学の頃だった。在日の親友がラーメンの食べ歩きを教えてくれて,彼とともに自転車に乗って美味いと言われているラーメン屋を行脚しはじめたのである。ラーメンは庶民の食べ物であり,屋台のそれはいわばどん底の食べ物と言っても良かろう。多くの店を食べ歩きながら,その味の違いを知り,その奥底に潜む味のバランスを考え始めたのだった。

そして,家にある,ずっと廉いインスタントラーメンと比較しながら,どうしてあの屋台のラーメンはあんなに美味いのか,事あるごとに考えていた。腹が減ると,家の冷蔵庫にある残りものを,どのようにして食べれば美味いのか考えながら,インスタントラーメンにも胡椒やネギやニンニクを入れたりして,少しでも美味く食べようと努力を重ねた。つまり,中学の頃から,美味いものを食べるためにはどうしたら良いのか,「考え」始め,「行動」し始めたのだった。

きっかけはもう少し遡る。小学校の中ごろに,親戚に飯盒炊爨に連れて行かれた。今で言うと,野外のバーベキューみたいなもんだ。叔母が飯盒で飯を炊き,そこにレトルトのボンカレーを混ぜ入れた。カレーというものはメシとルウを別々に盛るものだと思い込んでいた小学生の筆者は,その混ぜメシを観たとたんに嫌がった。それを叔母に,「こういうところで食べるとなんでも美味しいのだ」とたしなめられたのだった。

そして,実際に食べてみると,それはとても美味かったのである。そのとき,食物は,環境と腹のすき具合によって左右されるものだと思い知ったのだった。見た目と実際の違いもそのとき理解した。味覚は複数の変数を持つ関数だということが,朧げながらわかったのだったと思う。

その後,中学生のときに,家には誰もいなくて,冷蔵庫には素材以外は食べるものが無く,台所にパンの切れ端だけがあった。昼下がりに,そのパンの切れ端だけを何もつけずに食べながら,ただのパンだけでもこんなに美味いのかと感じ入ったことがあった。そのとき,小学生のときの飯盒のカレーを思い出したのだった。

高校を卒業する頃から,当時は数少なかったグルメ本を読み始めた。当時,街の本屋に普通に並んでいるグルメ関係の本は,立ち読みで,ほぼすべて読んだと思う。開高健の「最後の晩餐」や,例の作者の「美味礼讃」など有名作品は,古書で買ってきて何度も読み返した。

書物から得る知識と,実際に食べてみる目前の食物との乖離を考え始めたのはその頃だ。もちろん,幼少のころから学習した結果である自分自身の味覚の嗜好性・志向性も考え始めた。素材の違いと料理手腕の違い,それらにどのようなバリエーションがあるのかも考察の対象になった。

そして,古今東西あれこれの文章に書かれている夫々の食物を,実際に可能な限り自分で食べてみようとした。スーパーに並んでいるのを見つけたときや,なにかのきっかけで産地にいったとき。あるものを食べたら,書かれた文章を思い出し,その違いや本質を考えたのだった。

若ければ誰もが知るように,「腹が減っていたらなんでも美味い」ということや,「腹が満ち足りても美味いと感じるもの」,さらには,「腹が満ち足りているときに,さらに食べたいと思うもの」と,「本当に美味いから食べたいと思うもの」との違いなど,書物を読みながら,あれこれ食べながら常に考えた。

つまり,喰らうことへの情熱が人一倍あったのだろう。友人のものの食べ方を観ていると,単に腹が満ち足りることが美味いということなのだろうな,と思われることが多々あった。また,友人といっしょに別の日に何か同じ料理を食べたときに,「先日のアレと,今日のコレとどちらが美味いか」という議論をしたことも何度もあった。

そういったことを話し合った中では,どちらも美味い,としか答えない,あのときは腹が減っていたから美味かったと言う,こちらの方が美味いと言うが,なにが違うか説明できない,等々,様々な回答があったが,名著に書かれているような,明確な分析の議論にならないのが大半だったのである。そういった多くの人たちは,舌に記憶が残っていない,あるいはそれほど大事に考えていないのだということがわかってきたのだった。

その頃食べたものは,屋台のラーメンやインスタントラーメン,居酒屋の焼き鳥と肉屋で買ってきて自分で焼いた焼き鳥の比較などであり,決して高いものではなかった。その他には,海岸の魚や山地の果物などは,たまたまその地に行ったときには,必ず,美味そうなものや店を探し,語られ書かれているものや店を選んで食べた。海鮮ものは,自分で釣るか,海辺の卸問屋で買うくらいだったが,それが家の近所のスーパーで売られているものとどのように違うのか,常に比較分析していた。

そうして,食べて考えて,舌に残る記憶と比較しているうちに,なにかひとつを食べたら,舌にその味の記憶が焼きつく度合いがだんだん強くなっていったように思う。この味を忘れずにおこうと思う意思や,この味には何が含まれているのか分析しようとする態度,そして,記憶を辿りながら面前の味と比較することなど,それらはその気にならない限り,無頓着に終わってしまう行為だが,その気になってそうして食べていると,味覚は鮮やかに記憶に残るようになってきたのだ。

一方で,書物やテレビなどから得た情報で,それを食べたいと思うことは,当然よくある話だ。そこで,例えばテレビを観てある食物の情報を得た後,近所のスーパーで買ってきた類似物を食べると大抵の場合は失望するものだ。マグロを食べたいと想い,スーパーで買ってきたマグロを食べること,ラーメンと食べたいと思い,カップラーメンを食べること,それらは類似の行為ではあるが,本質的に,徹底的に異なることだということが解ってきた。

そうすると,店に行くより廉いカップラーメンならばまだしも,スーパーに並ぶマグロの冷凍戻しや寿司の贋作に大枚払うことが愚かであることくらいは解ってくる。贋作の寿司に500円払うくらいなら,キャベツを刻んで喰って腹を満たせばそれで良いかという気になってくる。そして実際,一皿100円の冷凍戻しマグロを数十回食べることと,一口数千円のマグロの鮨を一回だけ食べることと,どちらが本当の満足を齎すのかを比較したら,普段一皿100円の贋作の鮨を20回~40回食べると,美味い鮨屋で一口数千円の本物のマグロと同値段だということくらい解ってくる。

20回~40回,失望を繰り返すよりも,たった一回の満足の方が良いに決まっている。そういった贋作による失望の度合いや回数と,本物によるたった一度の満足度の度合いの関数を認識すると,当然のことながら経済効率は上がる。

なんであれ,本物の美味いものに出会うためには,努力を惜しまないことだ。旅行に出かけて,途中に美味いものがあるということを知ったら,到着時間を遅らせてでもそれを食べに行く。出張の途中で,これは食べておきたいと思うものがあれば,訪問先で出された昼食を半分以上残してでも,それを食べに行く。そういうことを繰り返していると,全国,全世界の名品の産地で,極上とまでは行かなくとも,それなりの一品を食べることができるようになってくるものだ。

海外旅行に出かけても,その地で一番美味いと言われるものを食べるように努力する。「そうでないものは食べない」という意思があると,結構美味いものにありつけるものだ。現地の多くの人と食べ物のことを語り,美味いもの,美味い店を教えてもらう。教えてもらった限りは,それを食べる。

どこかに出かけるときは,その日そのとき,その地でなにを食べるのか,あらかじめ調べて,考えておく。とにかく,事前調査なしに食べるということをしないようにすると,かなり食生活は変わってくるのだ。また,関東に出かけていながら,関西の食べ物を欲しない。アメリカで日本食を食べようとしない,などという心掛けも大事なことだ。今いる此処で,一番美味いものを食べるようにする。

そういうことを繰り返していると,「経済力があれば,美味い物を食べることができる」などというのは,ただ単に,愚かな想いこみであることくらいはわかってくる。
座っていて高い金額を払う準備だけがあっても,美味い物は簡単に目前には出てこないし,高い店が即ち美味い訳では絶対にない。無一文では何も買えないが,いくら金があっても知識なしに美味いものを食べられるわけではないのだ。

書物やテレビで得た情報に影響され感化されて,近所のスーパーで似たようなものを買ってきても,それらは決して同じものではないし同じレベルの美味さではない。

高いマグロを食べる金がないからといって,スーパーに並んでいる冷凍戻しのマグロを買ったところで,それはタダの「偽物喰いの銭失い」以外の何物でもないのである。

グルメで大事なのは,偽物に惑わされない意識と,本物に対峙した時に分析しようという意識,即ち,本物を見極めて本物を楽しもうという人生態度だと思う。それは金で買うことのできない,自分自身の努力なのだ。

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暑いときには,マーボー豆腐(麻婆豆腐のレシピ)

マーボー豆腐

この暑さは災害なのだそうだ。
毎日,あまりにも暑いので,アイスクリーム以外は食べたいと思わない,なんてなこと言ってないで,本格的な麻婆豆腐でも作って食べよう。

本場の麻婆豆腐は,唐辛子の辛さと,花椒という中国山椒の実の,舌がしびれる辛さのブレンドであり,一口で汗が噴き出る。

日本でも激辛が流行して久しいが,花椒の辛みも好きになるとヤミツキになる。
最近は近所のスーパーでも中国の調味料が並んでいて,トウバンジャンやテンメンジャンは普通に買えるようになってきた。ドウチという中国納豆や花椒もスーパーに並ぶようになってきたから,それらがあれば,真夏の料理として最高の一品が出来上がる。
化学調味料の入った甘ったるいレトルトの「~の素」なんて使わず,本場の味を再現してみよう。基本は煮物であるから,それぞれの味付けは,あとからある程度は調整できる。
割と簡単な料理である。

材料

豆腐1丁
豆腐は,京都の木綿豆腐か,地方の絹ごし豆腐。
京都の豆腐はやわらかく,木綿で東京の絹ごしくらいである。豆腐というものはその土地の地下水の味に左右されるので,故郷の豆腐が一番美味いと感じる人が多い。
中国だと東京の木綿豆腐かそれより硬いのを使うが,暑い夏には喉ごしの良い,柔らかいのがいいと思う。

豚のひき肉
100g~200gくらい。鶏のミンチを混ぜても良い。豆腐と肉の比率は,お好みで。

白ネギ 1本くらい
にんにく1カケ
上質のごま油が良いが,なにか植物油
醤油は大さじ1~2
ドウチという中国納豆を少しつぶして大さじ一杯弱
鳥がらスープの素

鷹の爪 1本~5本もしくはそれ以上。お好みで。
花椒小さじ1から大さじ2(中国山椒の実,これがないと美味さが半減する。量はお好みで。小さじ一杯でも十分舌がしびれるくらいである)
豆板醤(トウバンジャン) 小さじ1~2くらい
甜麺醤(テンメンジャン) 大さじ1~2くらい
酒(紹興酒が良いが日本酒でもOK)少々
片栗粉少々

作り方
油を熱し,刻んだニンニクを入れ,塩少々でひき肉を炒める。
ネギも細かく刻んでいっしょに炒める。
酒を入れ,豆板醤とテンメンジャンを入れて,しょうゆも入れる。軽く炒めながら混ぜる。

鷹の爪の刻んだのと,花椒を入れる。激辛がお好きならば多い目に,辛いのが苦手ならば少なく。しかし,鷹の爪の唐辛子と花椒こそが本場四川料理の要であるので,ここは,ガバっと入れたい。汗が噴き出てその後,涼しくなるからだ。

豆腐を小さく切って入れ,即座に鳥がらスープを入れる。水分は容積にして1カップくらいかな。
煮えたら,片栗粉を少量の水で溶いて,入れて混ぜる。とろみがついたら,出来上がり。

家庭に豆板醤と甜麺醤,唐辛子と花椒を常備しておけば,そこらのスーパーで買える食材で,簡単にできる。
辛~っと,汗をかいて,スカッとするためには,花椒は良い。舌がビリビリしびれるくらいの量を食べて,明日に向かおう。

あとは,ビール。ビールとこれだけあれば,夏を乗り切ることくらいはできると思う。

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