北海道で最も伝統ある酒蔵,千歳鶴。創業は明治5年だという。
日本清酒株式会社
http://www.nipponseishu.co.jp/kura/history.html
その千歳鶴の高級酒のひとつが雪原の舞である。720mlで5000円くらいする。しかし,一口一口に,その高価さを超えるものがある。良い水でできた,しっかりとして力強い酒で,北海道の山水の如く透き通っていて,あまりにもクリアだ。
「塩を肴に酒を飲む」,ということは,実は京都人には理解し難い。京都の女酒ははんなりと甘く,塩よりも出汁の効いた美味い京料理が肴に良い。
しかし,秋田,新潟あたりから北上していくと,元の水の硬度が下がっていくから,日本酒は塩だけで美味く飲めるものが多くなる。
この「雪原の舞」は,日本酒とか清酒などと言う概念を超えそうなほどしっかりとして力強い味わいで,他に何もいらないとさえ思える。決して嫌味がなく,クリアなところが凄い。
よほどのことがない限り,自分で買うにはかなりの勇気がいる値段だが,とっておきの日に,これだけで祝うことができそうな日本酒だった。
とっておきの日の為に買ったのだけれども,ちょっと味見したら,あっという間に,空けてしまった。
(注;一度でも,75度のラムやウォッカを飲んで,味覚として「美味い!」と思った経験がある人ならば,強くお勧めする。蒸留酒をストレートで飲んで美味いと思った経験がない方には,味わいが強すぎるかもしれない・・。)