紀州のなれ鮨(なれずし)
和歌山の鯖鮨。塩漬けにした鯖をご飯とともに,笹の葉で包みこむ。数日おいておくと馴れてくる(発酵してくる)。熟成が進んだものは,飯の粒を感じなくなり,発酵の酸っぱさも強くて,ちょっとマニアックな味の伝統的鮨である。一週間ほど熟成させたものを食べるが,なかには10年寝かせてドロドロになったものもある。美味さがわかるまでそれなりの年季を要するので,つまらない先入観をまず捨ててから対峙するべきである。南紀のほうに行くと,秋刀魚でなれ鮨を作る。2日ほどで食べるものを早馴れと言い,和歌山ラーメンの店にはよく置いてある。