NAIS講演会の続きです。
今回は、前回の「情報システム部門における人材育成(1)」の続きになります。
まず、NAIS特別講演会の概要とこのメモについて、
簡単に振り返ります(以下コピペー)
○NAIS講演会について:
2007年8月24日、KCGI(京都情報大学院大学)で特別講演会が行われました、
お題は「情報システム部門の役割」で、
講演者は川崎重工グループのIT子会社、
「べニックソリューション株式会社」のIT基盤本部の滝本郁也さんです。
○このメモについて:
私は日本語のネイティブではありませんし、
聞き間違い、勘違いなどもあるかと思いますので、
私のメモを100%信用…ではなく、参考程度に留めてください。
もし誤りがありましたら、ご指摘を頂きましたら幸いです。
今までのメモ:
一回目:べニックソリューション株式会社
さて、情報システム部門における人材育成の話を続けていきます。
情報システム部門に限らず、以下の「人材育成の課題」は、
あらゆる業種に当てはまるじゃないかと思います。
1.期待どのギャップ
「勉強は、しなければならないからするのではなく、したいからするもの!」
というのは、会社側の主張です。
つまり、「楽しい」から技術の勉強をしたい…というのは一つの理想な形ですが、
最近雇用される情報システム部門の人員は、
どうも、「しなければいけない」と考える人が多い…らしい。
私もいくつかの学校で色々教えたりしていますが、
教員として、やっぱり、学ぶことを「強制する」よりも、
学ぶことを「手助けする」姿勢が理想じゃないかと思います。
もちろん、そのためのサポートをいろいろします。
例えば「なぜ学ぶのか?」の意味を整理したり、学ぶやすい環境を整備したりします。
しかし最終的に、学生が「学びたい」と思うことは、非常に大事ですね。
私の今までの経験からしてみれば、
「楽しいから学びたい」、「役立つから学びたい」と思う学生は、
「単位取らないと卒業できない」、「仕方ないから学ぶしかない」学生よりも、
す~っと成果を出していて、
結果として、自分の夢に繋がっています。
2.育てられる側の言い分:
-研修に行かせてもらっていないから出来ません!
-教えてもらっていません!
-勉強する時間がありません!
スキルは自ら習得するものではなく、「与えてもらうもの」との認識が強い。
一見、もっともらしいのですが、
スキルは決して「与えてもらうもの」ではなく、
自分で「育つ」、「盗む」、「奪い取る」ものですね。
指示待ちだけなら極端な話、ロボットでも出来そうですね。
やっぱり自発的に、自ら習得する姿勢を持たないと、
成長に繋がりにくいのです。
3.育てる側の言い分:
-昔は、ほったらかしても人は育ったのに…。
おじさん世代の感覚とは異なる世代であるとの認識が必要…ということですね。
そこで、何をするべきかを考えることは、
人材育成の大きな課題になります。
4.キャリアパスの不一致
○プロジェクトXへの憧れ
-開発やソリューション系の業務が魅力に感じる
-運用は日陰?と思っている。
これについて、前回もちょこっと話が出ましたが、
誰でもドラマチックな仕事をしたい…と考えているわけですね。
しかし、会社の仕事というのは、
その「ドラマチック」の部分はあくまで一部であり、
多くの業務はそういう壮大なものではありません。
例えば、野球で言うと、
「チーム全員が四番バッターにすればうまくいくのですか?」っと言うと、
そうでもないですね。
バンドがうまい人や、守備職人も必要ですね。
更に裏方として、例えば選手の体調管理をしているドクター、
グランドや練習場の整備を行っている方など、
強い野球チームには、さまざまな人材が必要です。
誰でも「オレを四番バッターに育ってくれ!!」と思いたいところですが、
現実では、そういうわけには行きません。
○やりたい仕事ではなかった場合はモチベーションが低下
-学校で学んだことへのこだわり
-入社時の志望動機へのこだわり
つまり、今まで学んできたものを生かしたい!と思うのはアタリマエですが、
世間はそんなに甘いものではありません。
これも野球を例で説明すると、
例えば、野球のドラフトで選ばれる選手は、
恐らく全員元のチームのエースと4番バッターだらけです。
「今まで四番バッターを学んできたから、それ以外の仕事はしたくない」
「今までずっとエースだったから、リリーフなんて論外」
に成ると、会社はうまく回りません。
更に、場合によって野球選手として入団したが、
気がついたらサッカーをやったり、水泳をやったりしないといけません…、
というのが現実です。
もちろん「やりたいことをやりたい」の気持ちもよく分かりますが、
そこらへんは、あんまり固執せずに、
柔軟に会社(ある意味、社会の)の希望に応じて、
さまざまな体験をすることは、決して損にはならないと思います。
野球で言うと、
「リリーフを経験したら、より先発として成長した」…みたいな感じですね。
やっぱり長くなってしまいましたので、今回はここらへんで切り上げます。
次回は、以上の「人材育成の問題点」に対する、
ベニックソリューションが考案した、会社側の解決案を紹介したいと思います。(‘◇’)ゞ