京都ラーメンLegend

 このへんで,もはや高級食品となった鮨の話は一休みにして,その対極の身近なものに転換しようと思う。

 京都に育ち,中学の頃から自転車で市内のラーメンを食べ歩くことにより,グルメ道の門戸を開いたのだから,しばらくラーメンを中心に麺類を考えたい。世界中いろんなところでラーメンを食べたが,京都のラーメンが一番美味いと思う。

 中国本場のローメンを日本的にアレンジして,ある極を確立したもののひとつがラーメンである。中国人でさえ,日本のラーメンはおいしいという。
 そのラーメンには,東京式ラーメン,札幌ラーメン,博多ラーメンなど,伝統的定番ラーメンから,京都ラーメン,喜多方ラーメン,和歌山ラーメン,などバリエーションも増えてきた。

 ラーメンとは,中国のローメンでもなく,中国語で言う麺の範疇を超えている。かん水(アルカリ性の水)でコシを出した小麦麺を,鶏ガラや豚骨のスープで食べる汁麺で,日本独自の食文化である。東京の某中華料理店が始めた麺料理が日本中に広まったと言われているが,そのような一元的で面の広がりではなく,中国からの文化輸入を随時伴いながら,複合的に発展してきたのではないだろうか。

 まずは,京都の消えてしまったラーメン屋さんの伝説から始めよう。

京都のラーメン考

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