かつては銀座にあったのだが,今は移転して,広尾にある。昨年11月に新装開店して,モダンな店構えになった。ここの主人の鮨は,世界最高である。
筆者は学生時代東京にいた。卒業式が終わり,下宿を引き払って,あとは郷里に帰るだけとなった最後の夜,翌日の交通費を除いて最後に残ったなけなしの小遣いを握って,一度は本物の江戸前の鮨を食べてやろうと思いつつ,何もしらずに入ったのが木挽町吉野鮨だった。
先代の主人が貧乏学生を温かく迎えてくれて,最初に,低予算でおなか一杯になるにはどのようにオーダーしたらよいのか,教えてくれた。そして,ひとつひとつのネタについて,懇切丁寧に解説しながら握ってくれた。さらに,「うちの売りは,コハダと煮蛤,穴子と玉子」なのだと教えてくれて,それぞれ一貫ずつ握ってくれたのだった。鮪の赤身から最後の玉子まで,どれも,素材の味が生き生きしていて,本当に美味かった。
筆者は物心付いたときから一年のうち3分の一は,海辺の町で魚屋を営んでいた親戚に預けられていた。おかげで,新鮮で美味い魚を食べて育った。学生時代の東京では,学生街の食堂で出てくる魚が美味くないのに辟易していた。しかし,さすが江戸前を標榜する本物の店は違っていた。
以来,仕事で東京に行ったときには時々立ち寄り,美味い鮨を食べさせてもらっている。長い年月が経って,アメリカ帰りの長男が跡を継ぎ,先代夫婦も鬼籍に入った。代は変わり,店の場所も変わったが,120年の店の伝統は輝きを増すばかりで,先代から受け継がれる味はさらに洗練され,他に比肩するものがない。
流行に左右されること無く,真の江戸前を守りながら,膨大な知識をもって素材に徹底して拘り,常に最高の鮨を目指している姿勢は,素晴らしいの一言に尽きる。鮨を握る人が職人と呼ばれる所以であり,ミシュランごときには分かるべくもない,和の文化の極致,日本の誇りである。
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下記は,京都コンピュータ学院と京都情報大学院大学のイベント情報です。
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京都情報大学院大学
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2月24日 KCGI課程修了プロジェクトの発表