春は あけぼの

春は あけぼの
やうやう白くなりゆく山ぎは 
少し明りて紫だちたる雲の細くたなびきたる

ご存じ清少納言の枕草子の冒頭の行である。
京の都にいると,昔も今も,春が近づくと,この一節を思い出す。

今日は寒いれども,京都のスーパーマーケットには,ふきのとうやタラの芽,春の息吹を感じさせる山菜が並んでいた。

—ふきのとうやタラの芽を家庭で料理するときのコツ—
まずは一瞬湯がいて,アクを取る。
味付けには,日本酒,薄口醤油,だけ。あとは,せいぜい七味くらい。
京都の料理屋がよくしているように,鰹の出汁を入れるという手もあるが,入れるならば,純粋の鰹節だけにする。昆布出汁でも良いが,化学調味料は決して入れない。

ふきのとうの佃煮は,京都の鞍馬の辻井でも春の定番である。ほろ苦い中に新緑の匂いが満ちていて,筆者の好物のひとつである。これが出る頃になると,鞍馬まで買いに出かける。あまりデパートにまで行きわたってないという話を店主から聞いたことがある。

春の山菜ひとつとっても,京都に住むことの良さを感じる,今日この頃。

京都には古き良き日本の,四季のうつろひが現存していると思う。

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