駒大,デリバティブ取引で154億円損失!!

これはひどいと思う。大学理事会が,大学の資産をデリバティブに投じていただと!!
これは理事会全員,クビだけでは済まないだろう。損害賠償問題だ。

デリバティブや先物取引など,ハイリスクハイリターンの金融商品は,当たったときには大もうけするけれど,スッたときの大損は,タダモノではない。それなりのプロが関与しているならまあよしとするが,素人が手出ししてはいけないものの筆頭である。そんなことすら,ここの理事たちは知らなかったのかと驚いたら,なんと,全国で70大学ほどが,デリバティブに手出ししているという。

「日本私立学校振興・共済事業団によると2005年度末現在、資産運用を目的に少なくとも61大学、14短大がデリバティブ取引を行っていた。」とのこと。

一体,大学資産,学生納付金をなんだと思っているのだろう?これは,バブル崩壊で不動産で失敗したなんていうものではない。
大学の金を使って,デリバティブ,その意味がわかってないようだ。そして,損金が150億だと・・・。おまけに,【「大学経営に影響はない」(駒大広報課)】だと。ないわけないだろうが!簿価で総資産900億円程度だと,実勢価格ならば,かなり落ちるはず。株式会社が,その程度の資産総額で,150億も損金出したら,役員(理事)退任だけでは済まないぞ,普通。株主代表訴訟に発展して,刑事罰にまで至るんではないか。

一般の中小企業の社長なら,絶対こんな馬鹿な真似はしないと思う。例外はあるだろうが,普通の常識さえ持ち合わせていたら,デリバティブで,損したときの損害額の大きさくらいは予測できただろうに。そんな大学が,なんと70校以上もあるなんて,これには驚いた。

これねえ,その大学の,学生さん,保護者さん,黙っていてはいけないよ。全員で理事会全員に損害賠償訴訟を起こすべきだ。デリバティブも先物取引も,一種のギャンブルなんだよ。理解もせずに手出しするのは,経済博打と言ってもいいと思う。大学の資産をそんなものに回すなんて,根本的に,間違っている。「理事が全員で,競馬やパチンコで,学生納付金をスッてしまった」としたら,怒るでしょ。責任の所在を明確にするなんて書いてあるけど,承認したのは理事会でしょうが。「金融の仕組みを知らなかった」で済む問題ではないぞ。関係者全員の連帯責任だろう。

立正大学は,国債や外貨などの為替差損みたいに書かれているが,同じように損益が150億程度!!買ってたのは,たぶん,欧州の国債だけじゃないだろうね。これもひどい。為替差損だけでも,投下資本半分以下になってしまう例はいくらでもある。それに証券の価格変動が加わると,どうなるかくらいは,算数レベルの問題だ。

外貨立てで資産運用するとはねえ,国税をかなり消費している日本の大学法人が・・・。
学部課程の大学なら,たっぷりと私学助成金,もらっているんでしょうが。私学助成金も,元はと言えば,国民の血税なんだけども。私も税金払っているんですけど。彼らが失った大金の中のごく一部は,私の支払った税金なんですけど。

いやあ,あきれた。いままでの大学経営に関する話の中で,一番,ビックリした。この国の大学には,これほどまでに,ひどいのがあるのか。
ここまできたら,よく言われる,「大学崩壊」どころではなくて,「大学発狂」だと思う。

ーーーー以下,読売から引用ーーーーーーーーーー
駒大、デリバティブ取引で154億円損失
 世界的な金融不安の影響により、駒沢大学(東京都世田谷区)が資産運用で行ったデリバティブ(金融派生商品)取引で154億円の損失を出していたことが19日、わかった。

 駒大は学内に調査委員会を設置し、損失が発生した経緯の調査に乗り出した。文部科学省も、報告書の提出を求めている。

 駒大によると、問題の取引は昨年7月、大学理事会の了承を得た上で、外資系金融機関3社との間で行われた。資産運用としてのデリバティブ取引で、総額は110億円にのぼった。

 ところが、金融不安の広がりにより、今年3月末の昨年度決算時点で53億円の評価損を抱えることになった。その後も好転する兆しが見えず、金融危機が決定的となった後の先月下旬、すべての契約を解除。最終的な損失額は154億円に上った。駒大は今月2日、世田谷区内の野球部グラウンドなどを担保にみずほ銀行から110億円の融資を受け、5日に3社に対する清算を終えた。「大学経営に影響はない」(駒大広報課)としている。今月17日には、弁護士と公認会計士、大学理事からなる調査委員会を設置。巨額損失を発生させた経緯や関係者の責任を明確にし、文科省に報告する。

 デリバティブ取引は、株式や債券を売買する権利の取引などが組み合わされた金融派生商品。少ない手持ち資金で取引ができる反面、見通しを誤れば多額の損失が出る危険性もある。

 日本私立学校振興・共済事業団によると2005年度末現在、資産運用を目的に少なくとも61大学、14短大がデリバティブ取引を行っていた。

(2008年11月19日13時45分 読売新聞)

立正大、資産評価額で148億円損失
 立正大学(東京都品川区)が資産運用を目的とする金融取引で、今年9月末時点で約148億円の評価損を抱えていることがわかった。

 同大の財務担当理事は「債券は長期保有を目的としており、ただちに学校経営に影響するものではない」と説明している。

 理事によると、同大は国内の証券会社を通じ、欧州の国債などを外貨建てで購入して運用しているが、円高や金融市場の混乱で評価額が下がり、今年3月末時点で約96億円だった評価損が、約148億円に拡大したという。

 大学の金融取引を巡っては、駒沢大学が154億円の運用損を計上したことが判明。文部科学省が報告書の提出を求める事態になっている。

(2008年11月21日00時56分 読売新聞)

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