JAグリーン日高が,「ゆらっ子」と命名して,ブランド化している蜜柑がある。かなり小ぶりのみかんだが,これは糖度12度以上というだけあって,濃くて甘くて,美味い。
皮がポロポロと割れるように剥けていって,一口大の蜜柑が現れる。大口を開けると一口でひとつ全部を食べられる程度に小さいのだが,たっぷりと甘く,プリプリしていて,豊饒の香りに全身を包まれる。みかん,ミカン,蜜柑,いくつでも食べられるのでいつまでも未完の腹。
ちょっと寒くなってきた秋から12月一杯までが温州みかん系の旬である。長い間,天下の伊予柑を擁する愛媛にかなり押され気味だったが,紀州和歌山のみかんは近年,盛り返してきた。
あちこちで品種改良も色々と試みられており,デコポン,キヨミオレンジ,キヨミとポンカンを交配して育成されたハルミ(←イチオシ)等々,秋から冬のみかんはすでに数十種類はあると思う。ネットで検索し,現地の八百屋や農家から取り寄せて,色々試していただきたい。地元でしか流通しないような発展途上,未完成のレアものもある。
冬の蜜柑はすでに単一概念では無い。新しい味覚の地平を開拓して欲しい。
ところで,京都コンピュータ学院の一等最初の前身は,最初期は井上数学塾(井上は学院長の旧姓},後の和歌山文化研究セミナーという私塾である。蜜柑の国,和歌山市で,中高生対象の小さな私塾が始まり,それが京都に移転して,京都ソフトウェア研究会の発祥の地となった。したがって,KCGの歴史は,私塾時代(コンピュータを教育・研究していなかった時代)にまで遡ると,1958年からになる。
和歌山蜜柑は,KCGにとっては,原点回帰の味覚でもある。