「内定取り消し」「就職活動・就活」「求人」・・・?

内定取り消し,就職活動,就活,求人.・・・・

別の欄にも書いたのだが,内定取り消しが多数出ているという報道が繰り返されていることについて。

就職先を探して,求人情報を閲覧して,様々に就職活動をしながら,やっとゲットした内定を,この秋の終わりになって取り消されたら,当の本人は,たまったものではないだろう。

今年から来年は,この調子だと景気好転は望めまい。
再来年の春の卒業予定者(現大学3年生)にとっては,「就活」は,かなり深刻な事態である。

しかし,景気の良し悪しに関わらず,全国のIT・コンピュータ関連企業で,深刻な人材難が継続しているのも事実である。仕事は,まだまだあるのに,人が足らないという状態である。KCGには圧倒的多数の求人が寄せられている。

ITは今後20年くらいは拡大する一方なのだが,若者の人口減少と,高校までのいわゆる理工系離れが,IT業界の人材難の大きな原因となって,就労人口が不足したままなのである。このままだと日本は世界に取り残されてしまうかもしれない。

日本の将来と,自分の将来を考えて,高校生の皆さんも,大学生の皆さんも,京都コンピュータ学院,または,京都情報大学院大学に入学するという選択肢を考慮してみて欲しい。
多くのIT関連企業から,求人が,まだ寄せられている。

他大学を卒業・中退してから,京都コンピュータ学院に入学・編入学するという道も,関西圏では,昔からよく知られた定番の進路である。当の本人が理工系・文系出身のどちらであっても,当人が学部卒の時点では考えられなかったような,IT関連企業に高給で採用されている。

経済的事由で,勉強できないという学生さんには,KCGグループは最大限の配慮を行っている。どちらも奨学金制度が色々あるので,ぜひ検討していただきたい。

「景気の悪いときは,学生してパワーアップしているのが一番だ」と,昔から言われている。いまこそ,「ITでパワーアップ」のときだろう。

「とりあえず大学卒」というだけでは,意味をなさない時代になった。
「格差社会」と言われているが,それは,実力で大きく差がつく社会でもある。

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理念を拝借する大学??

これまた,驚いた驚いた。
教育理念を,他の大学から無断で引用!!
教育理念を,盗用する大学なんて,あるのか・・。
理念という「文書」は,事務的に,作成するものなのか・・。
もうちょっとモノを考えて,大学経営・運営しろよと言いたい。
こんな程度の低い大学が増えすぎて,大量に定員割れをしていて,しかも,国庫補助を受けているというのは・・・。
いや,よそ様が何をしていようが,関係ないのだが,最近,自分の税金が,そういうところに流れているとか,社保庁で消えているとか言うことに腹立たしさを感じるのだよ。

——–以下,読売新聞サイトから引用—————————-
前橋工科大が「教育理念」を拝借

岡山大から無断引用で謝罪
 前橋市立前橋工科大学(江守克彦学長)が2008年度の学生便覧に掲載した「教育理念」を、岡山大学の理念から無断でそのまま引用していたことが、わかった。

 前橋工科大は岡山大に謝罪し、ホームページで閲覧できない措置を取った。

 前橋工科大の「教育理念」は、岡山大の「自然と人間の共生を希求する」など3項目を順番を変え、ですます調にしただけだった。工学部の「育成のための教育理念」5項目もほぼそのまま使っていた。

 江守学長によると、学内から6月ごろ、酷似していると指摘があった。「理念」は複数の教官が作成にあたった。中心となった教官は06年度末に退職しており、ほかの担当教官らの話などから無断引用と確認した。理念を新たに作成中で、学生に経緯を説明する。

 江守学長は「(理念作成で)他大学の例を参考にすることがあるが、作成者が忙しさから引用してしまったと認識している。学生に申し訳ない」と話した。岡山大総務課の菅原康宏課長は「同じ文言は適当ではない。(前橋工科大が)適切に対処すると考えている」としている。前橋工科大は1997年開校で、前橋市立工業短期大が前身。

(2008年11月26日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20081126-OYT8T00222.htm

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デリバティブ,東大早慶も??

なんとまあ,東大,早慶も・・・。
資金運用も,そりゃあ,国家でもしているんだから,ここらあたりになると,それなりにプロがついて,それなりに考えているのだろうけれど・・・。

しかし,多かれ少なかれ,我々の税金を基にしている資産をだね,こういう失い方,しないで欲しい。少なくとも私学では,学校法人に関する「法の精神」に反する筈だ。学校法人会計で,基本金は使わずに置いておかないといけないことになっている。また,学校法人が免税法人であるのは,学生納付金が利益ではなく,学問・教育に供する資金として法的に理解されているからだ。その使途は,学生のため・学問のために限られているのであって,博打の資金ではないだろう。
大学の資産を投資に回すのもどうかと思うが,それを,スッてしまうとは・・。学生納付金と,国税からの助成金の意味を,もうすこし認識してもらいたい。これは,アメリカの経済問題が悪いのではなくて,そんなものに運用するのが悪い。

—–以下,ブルームバーグより引用————————
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90001002&sid=aai.WQR7PRYo

教育界に金融危機の余波、駒沢大が資産運用で損失―慶応、早稲田(3)
11月19日(ブルームバーグ):世界的な金融危機の余波が、日本の大学の資産運用にも暗い影を落としている。駒沢大学が金利スワップ・通貨スワップのデリバティブ(金融派生商品)取引で運用損失を計上したほか、有名大学でも損失を被っているとみられている。

  デリバティブ取引で約154億円の損失を計上した駒沢大学の小林清次郎総務部長は、ブルームバーグ・ニュースの取材に対して「フランス系とドイツ系の外資系金融機関2社に運用を任せていた」と述べ、「不動産を担保にみずほ銀行から約110億円の融資を受け、運用を解消したのでこれ以上損失が増えることはない。学生、同窓生、父母の方々に不安を与えて申し訳ないと思っている」と語った。同大学では、調査委員会を設置するが、詳細は明らかにしてない。

  今年に入ってからの金利スワップ市場では、5年物などで固定金利となるスワップレートが6月中旬に高水準を付けた。例えば、6月12日の円建てスワップ金利は1.78%台。その時点のスワップ取引で、さらなる金利の上昇を見込んで支払い金利を固定化した場合、現行の金利水準からは70ベーシスポイント(bp)相当の余分な金利を支払う計算になる。

       慶応など有名大が3月期決算で評価損

  2008年3月期決算では、慶応義塾大学の運用資産の評価損は225億円に上った。北村和夫運用担当課長は、ブルームバーグ・ニュースの取材に対して、「運用資産1000億円を超えて、現時点での評価損は約225億円で2008年3月末決算から変わっていない」と述べている。ブルームバーグ・データによると、世界の株式の時価総額は08年3月末と比較して4割近く目減りしている。マーケットが改善しないと、今年前半の評価を維持するのは難しい状況だ。

  慶大では、「資産運用のアロケーション(資産配分)は大学自体で行っており、ヘッジファンド、REIT(不動産投資信託)、商品などに投資している。デリバティブもヘッジ的なものでいろいろな通貨スワップに投資しているが、どの通貨かは言えない」(北村氏)と説明した。

ほかの有名大学でも評価損を抱えている。早稲田大学の08年3月末決算書では「運用資産は約1000億円で、政府保証が付いている格付けの高い外債を中心に運用している。3月末時点で評価損が約5億円あったが、その後9月末にかけて膨らんでいる」(大出達夫資金運用担当課長)もよう。

  市場では、「事業法人だけでなく、学校法人、宗教法人、医療法人など公益法人も運用を行っているところは影響を受けている。学校法人は、運用基準は緩いが、運用委員会を作って運用しており、ガバナンス(経営)の問題になりつつある」(大和証券SMBCチーフストラテジストの末沢豪謙氏)などの声も聞かれた。

  一方で、東京大学本部経理グループ長の松沢登氏は、「資産運用額(有価証券)は10月末時点では約800億円で、譲渡性預金(CD)、国債、債券(外債、社債、金融債)、特約定期、金銭信託などに投資している。運用先は銀行・証券会社17社。全て満期保有で途中解約しないことになっているため、評価損益は発生しない」と語った。

更新日時 : 2008/11/19 19:09 JST

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駒大,デリバティブ取引で154億円損失!!

これはひどいと思う。大学理事会が,大学の資産をデリバティブに投じていただと!!
これは理事会全員,クビだけでは済まないだろう。損害賠償問題だ。

デリバティブや先物取引など,ハイリスクハイリターンの金融商品は,当たったときには大もうけするけれど,スッたときの大損は,タダモノではない。それなりのプロが関与しているならまあよしとするが,素人が手出ししてはいけないものの筆頭である。そんなことすら,ここの理事たちは知らなかったのかと驚いたら,なんと,全国で70大学ほどが,デリバティブに手出ししているという。

「日本私立学校振興・共済事業団によると2005年度末現在、資産運用を目的に少なくとも61大学、14短大がデリバティブ取引を行っていた。」とのこと。

一体,大学資産,学生納付金をなんだと思っているのだろう?これは,バブル崩壊で不動産で失敗したなんていうものではない。
大学の金を使って,デリバティブ,その意味がわかってないようだ。そして,損金が150億だと・・・。おまけに,【「大学経営に影響はない」(駒大広報課)】だと。ないわけないだろうが!簿価で総資産900億円程度だと,実勢価格ならば,かなり落ちるはず。株式会社が,その程度の資産総額で,150億も損金出したら,役員(理事)退任だけでは済まないぞ,普通。株主代表訴訟に発展して,刑事罰にまで至るんではないか。

一般の中小企業の社長なら,絶対こんな馬鹿な真似はしないと思う。例外はあるだろうが,普通の常識さえ持ち合わせていたら,デリバティブで,損したときの損害額の大きさくらいは予測できただろうに。そんな大学が,なんと70校以上もあるなんて,これには驚いた。

これねえ,その大学の,学生さん,保護者さん,黙っていてはいけないよ。全員で理事会全員に損害賠償訴訟を起こすべきだ。デリバティブも先物取引も,一種のギャンブルなんだよ。理解もせずに手出しするのは,経済博打と言ってもいいと思う。大学の資産をそんなものに回すなんて,根本的に,間違っている。「理事が全員で,競馬やパチンコで,学生納付金をスッてしまった」としたら,怒るでしょ。責任の所在を明確にするなんて書いてあるけど,承認したのは理事会でしょうが。「金融の仕組みを知らなかった」で済む問題ではないぞ。関係者全員の連帯責任だろう。

立正大学は,国債や外貨などの為替差損みたいに書かれているが,同じように損益が150億程度!!買ってたのは,たぶん,欧州の国債だけじゃないだろうね。これもひどい。為替差損だけでも,投下資本半分以下になってしまう例はいくらでもある。それに証券の価格変動が加わると,どうなるかくらいは,算数レベルの問題だ。

外貨立てで資産運用するとはねえ,国税をかなり消費している日本の大学法人が・・・。
学部課程の大学なら,たっぷりと私学助成金,もらっているんでしょうが。私学助成金も,元はと言えば,国民の血税なんだけども。私も税金払っているんですけど。彼らが失った大金の中のごく一部は,私の支払った税金なんですけど。

いやあ,あきれた。いままでの大学経営に関する話の中で,一番,ビックリした。この国の大学には,これほどまでに,ひどいのがあるのか。
ここまできたら,よく言われる,「大学崩壊」どころではなくて,「大学発狂」だと思う。

ーーーー以下,読売から引用ーーーーーーーーーー
駒大、デリバティブ取引で154億円損失
 世界的な金融不安の影響により、駒沢大学(東京都世田谷区)が資産運用で行ったデリバティブ(金融派生商品)取引で154億円の損失を出していたことが19日、わかった。

 駒大は学内に調査委員会を設置し、損失が発生した経緯の調査に乗り出した。文部科学省も、報告書の提出を求めている。

 駒大によると、問題の取引は昨年7月、大学理事会の了承を得た上で、外資系金融機関3社との間で行われた。資産運用としてのデリバティブ取引で、総額は110億円にのぼった。

 ところが、金融不安の広がりにより、今年3月末の昨年度決算時点で53億円の評価損を抱えることになった。その後も好転する兆しが見えず、金融危機が決定的となった後の先月下旬、すべての契約を解除。最終的な損失額は154億円に上った。駒大は今月2日、世田谷区内の野球部グラウンドなどを担保にみずほ銀行から110億円の融資を受け、5日に3社に対する清算を終えた。「大学経営に影響はない」(駒大広報課)としている。今月17日には、弁護士と公認会計士、大学理事からなる調査委員会を設置。巨額損失を発生させた経緯や関係者の責任を明確にし、文科省に報告する。

 デリバティブ取引は、株式や債券を売買する権利の取引などが組み合わされた金融派生商品。少ない手持ち資金で取引ができる反面、見通しを誤れば多額の損失が出る危険性もある。

 日本私立学校振興・共済事業団によると2005年度末現在、資産運用を目的に少なくとも61大学、14短大がデリバティブ取引を行っていた。

(2008年11月19日13時45分 読売新聞)

立正大、資産評価額で148億円損失
 立正大学(東京都品川区)が資産運用を目的とする金融取引で、今年9月末時点で約148億円の評価損を抱えていることがわかった。

 同大の財務担当理事は「債券は長期保有を目的としており、ただちに学校経営に影響するものではない」と説明している。

 理事によると、同大は国内の証券会社を通じ、欧州の国債などを外貨建てで購入して運用しているが、円高や金融市場の混乱で評価額が下がり、今年3月末時点で約96億円だった評価損が、約148億円に拡大したという。

 大学の金融取引を巡っては、駒沢大学が154億円の運用損を計上したことが判明。文部科学省が報告書の提出を求める事態になっている。

(2008年11月21日00時56分 読売新聞)

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景気が急速に悪化している・・・

リーマンブラザーズの破綻,アメリカの公的資金の投入とその結果,,,日本でも貸し剥がしが始まり,景気が急速に悪化している。

昔から,「景気の良くない時は,学生しているのが良い」と言われる。そして,勉強するなら,仕事に役立つことを学んで,将来的に絶対無くならない業種を選ぶべきだ。言うまでもなく,IT分野はその筆頭である。それぞれ細分化すると流行りすたりはあるけれども,それぞれに景気に多少は左右されるけれども,全体として継続発展していくことには疑いは無い。すでに理論的に完成していて,これから実用化されていくIT関連の技術は山積している。

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働き先の景気が悪くなったら,このままではマズイ,などと思ったら,迷わず本学大学院に来てください。社会人を経験してから後,もう一度学生時代を過ごしてパワーアップすると,今とはまったく違うフェーズに行けますよ。最前線に躍り出るために,勉強してください。

日本は,技術で立っていかなくてはならない国。現代の技術には,すべてにおいて,ITが応用されており,その範囲は拡張するばかりです。IT業界は,慢性的人材難で,人が足らないという状態が継続しています。

時代に翻弄されるよりも,時代をリードする側に立ちたいと思いませんか?

私たち京都情報大学院大学は,ほんの小さな大学ですが,卒業生の皆さんとともに,これからの日本とアジアを,ITの分野から支え,リードしていきたいと願っています。

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IT・コンピュータ関係への進学と業界に関する誤解について

あなたと違うんです??

IT・コンピュータの分野について,一般社会が誤解していることが多々ある。高度経済成長期にわが国に蔓延した誤解とともに,これは由々しき問題であると思っている。実は今日もその大きな誤解に遭遇したので,思いつくまま書いておく。誤解とは,「大学の文系学部に進学するとツブシが利く」という昭和のなごりのような思い込みと,「IT・コンピュータは理工系である」という思い込みである。

【文系学部はツブシが利く,というのは思い込みに過ぎない】
高度経済成長期に,高校の数学や物理・化学が苦手だという理由で,高校のクラス分けで文系を選び,いわゆる私立文系へと進学する層が増えた。
昭和の戦後にできたいわゆる新制大学の大半は,予算不足が大きな理由で文系学部しか開設されなかったから,そういった高校生は大挙して私立の文系大学に進学した。
それらの大学内では,卒業後就職を望む学生に対して,あまり関係の無い文系の「学問」を教えてきた。言うまでも無く,文系学部で勉強する学問の大半は,就職後の仕事と関係が無い。(昭和の当時,理工系の大学の認可を得るには,それなりの設備が要求されたから,私学で理工系を開設するのは非常に難しかったのである)

現在,日本のビジネス界で出身大学を尋ね,専門の勉強は何をしたかを聞くと,「学生時代はクラブばかりしてました」とか,「学生時代は何も勉強しませんでしたわあ~」などと答える人がかなり多いのはご存知だろう。世界の他の国で同じ質問をすると,「大学時代は○○を勉強した」と,普通は答える。「学生時代は勉強していない」などと答えたら最期,「コイツは馬鹿か」と思われてそれで終わりである。なぜそういった差異が生じるのか。ここに戦後日本の大きな問題が横たわっているのだが,詳述はまた別の機会にしよう。

実のところ,「文系学部はツブシが利く」というのは,「大学では職業に関することは何も勉強していない」=「何にも染まっていない」ので,「企業の色に染めやすい」から,企業に歓迎されたということなのである。あまりにもそういった例が多すぎるので,日本は,「学生時代は勉強しなかった」と平気な顔で言える国に成り下がっているのだ。

ともあれ,日本という国は,「大学で勉強してもそれが就職や生涯の仕事に関係が無い」という常識が出来上がってしまっているのは事実であろう。戦前から続く「とりあえず大学へ」という信仰が根強いために,そしてまた,日本の私立大学は文系が大半であるから,上述の常識が出来上がってしまっていて,「理工系への進学者が増えない」=「理工系と思われている仕事の従事者が増えない」ことの大きな理由になっているのではないかと思われる。

・【IT・コンピュータは理工系だけではなく,文系の仕事も多くある。】
高等学校の進学先としても,京都コンピュータ学院へ進学したとか,某大学から京都情報大学院大学へ進学した,というと,「理工系へ進んだのだ」と思われるのだそうだ。
プログラミングは,確かに,数学の応用が多用されるので,プログラマーという仕事は理工系の仕事だと思い込まれている。しかし,実はどちらかというと文系の仕事であり,プログラミングは文学の一種ともいえる。そして,ひところ喧伝された「IT革命」という言葉の真の意味は,そういった理工系と思われていたコンピュータが,文系人間のものになったという意味を含んでいた。つまり,人類社会に必要不可欠なコンピュータの利用方法は,今まさに文系的な視野でもっての対処が求められているのである。

ところが,である。今なお世間の大人の大半も高校の先生たちも,「コンピュータは理工系の分野だ」と思い込んでいるので,高校生たちもそう誤解する。大学生もそう誤解している。これには情報系やコンピュータを,いまだに工学分野に分類している文科省の責任も重いのだが,そういったことの結果,IT・コンピュータ業界では慢性的な人材難が継続しているのである。

【そして必要な認識は?】
コンピュータは空気と水の次に大事である。人間社会ではすでにコンピュータは無くてはならないものになっている。すでに,コンピュータが無くては人間社会は成り立たない。経済に関するあらゆる事物や航空や鉄道等の交通制御システムから,家庭での自動車や電化製品まで,コンピュータがかかわっていないものはない。皆が持ち歩いている携帯は,あれは小型のコンピュータである。

「人類社会に必ず必要な分野で仕事をしていく」,「生涯の生業をIT・コンピュータ分野に求める」,ということが,実は昭和の時代に出来上がった「経済学部はツブシが利く」などといった妄念を遥かに超えて,現代においては,最も食いはぐれの無い賢い選択なのだが,上述の「理工系だ」との思い込みと,高等学校での理数系教育の不成立など様々な理由によって,敬遠されているのが実情だ。

結果,コンピュータ業界での求人は多いまま,就職活動という意味での売り手市場が継続しているのだが,進学に直面している高校生とその親たちと,多くの先生たちは,まだ,社会の実情からかけ離れた判断をしている向きがあまりにも多いように思う。

今,日本全国の数多のコンピュータ関連企業で,人材が求められている。大量に仕事があるのに,人が足らないという状況に陥っている。高校の先生たちも,文系大学の教授たちも,家庭の親御さんたちも,その現実を知ってもらいたいものだ。日本のソフトウェア産業界にかかわる一人として,声を大にして言っておきたい。

IT・コンピュータについて客観的に判断して,その分野に進学して,その分野の仕事に従事し,「あなたと違うんです!」と言ってみては??(笑

京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

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私立大学定員割れ

—私立大学・短大定員割れ過去最悪—

ここ数年,大学の定員割れは4割のままで推移しており,「淘汰がいっこうに進まないな,やはり旧制度(昭和の制度)の大学は強いな」と思っていたら,来た。いきなり7.4ポイント増え,とうとう私立大学の定員割れが,47.1%になったという。これには驚きを禁じえない。

大学と短大を合計すれば933校で,大学266校+短大243校=509校が定員割れだから,なんと,高等教育の頂点であった大学と短大の半数以上,54.5%が定員割れとなったのだ。

半数以上。わが国の旧来の大学・短大制度は戦後すぐにできた旧来の制度であるが,これがとうとう崩壊したと言ってよい。

下記毎日新聞の記事には,「800人未満の大学が学生数減少」という記載があるが,日本各地には,総定員800人以下(一学年200人以下)というような小規模大学がたくさんある。昔から,地方,小規模,文系,単科のいずれかの条件を複数持つ大学は危ないと言われてきた。

2004年の制度改革以前,とりわけ昭和に出来た旧来の4年制大学や短大は,法が求める設備要件が厳しく,「定員を充足して始めて成立する経営モデル」として認可を受けているため,定員割れは即座に経営困難を意味する。その定員割れが,とうとう私学のほぼ半数にまで至ったとは・・・。最終章が始まったということか。

昭和の高度経済成長期には,誰もが大学を目指した。一般市民は,「大学に行けば,学士様になって出世できる」と思いこんでいたのである。
そして,多くの名ばかりの大学が乱立されて,この20年ほどで大学数は倍になった。ところが,その大半は「文系」で,実務教育や先端のITに徹底して疎い。将来就職を志す学生には,あまり関係のない教育内容である。「大学を出たけれど」と言う現実的結果が,世の中に知られていくようになった。
今,半分の大学が定員割れである。もはや,大学進学妄念の時代は終わった。

問題は,そこまで経営破たんしつつある大学に,何千億円もの国庫補助(我々の税金)が,人件費や運営費として,今なお歳出されていることなのだが,どうして誰もそれに文句を言わないのだろう。社保庁の消えた年金も大問題だが,無駄遣いの私学補助金も実は大問題だ。経営破たん大学の中には,人件費比率が学費収入の10割を超えているところもある。そこに投入されるのは,国税からの補助金である。大学の淘汰が進むと,税金もかなり節約できることになる。

大学はあと3年が正念場」と言われはじめて,一年が過ぎつつある。あと二年で,小規模4年制大学と短大が,多数消えていくのだろう。「やがて消える大学」へ,進学すると,将来学歴を失うことになりかねない。

専門学校と大学院の複合体であるKCGグループは,日本最初のIT・コンピュータ教育機関であることと,京都という「地の利」があるからだと思われているようだが,本質的には,国庫補助に依存する経営モデルではないところが強みである。

今,IT人材の不足は日本の大問題である。かつての読み書きそろばんは,IT実務教育にとって変わった。そして,今や空気や水の次に大事と言って過言ではないIT・コンピュータ。自動車や家電には小型のコンピュータが仕込まれ,携帯電話は電話の機能を持ったコンピュータである。人間ひとりあたり,数十台のCPUを持っている時代である。IT・コンピュータ関連の仕事は今後も拡大を続ける一方である。

我々KCGグループとしては,良い学生を獲得して,技術立国日本のIT分野に送り出したい。そして,それら我々に賛同してくれる学生たちが,日本の文化の中心である京都で学んで,社会に貢献してくれることが,日本の将来のためであると思っている。

毎日新聞 2008年7月30日  以下は同記事の引用。
私立大:47%が定員割れ…今年度、半数未満も29校
 今年度の入学者が定員割れした私立大は全体の47.1%(266校)に達し、過去最多となったことが30日、日本私立学校振興・共済事業団の調査で分かった。定員の半分に満たない大学も5.1%(29校)で、昨年度(17校)の1.7倍に急増して過去最多。定員割れが進むと補助金の削減率が上がるため、文部科学省は「経営難に陥る大学が増える危険性がかなり高い」と懸念している。

 私立大565校の今年度入学定員は44万8580人で、前年度比0.8%(3535人)増。志願者は延べ306万2825人と同1.3%(3万9138人)増だった。一方、入学者は47万7918人と同1.4%(6997人)減だった。

 大学の規模による二極化が顕著で、1学年の定員800人以上の大学では志願者が前年度比約6万7000人増えたが、地方を中心とする800人未満の大学は約2万8000人減った。

 全体の定員充足率は過去最低の106.5%で前年度比2.4ポイント減。定員割れした大学は前年度の222校から266校へと大幅に増えた。学部別では福祉系の低迷が目立ち、定員充足率は同7.9ポイント減の92.1%だった。

 入学者が定員の半数に満たなかった29校のうち、志願者数が定員を上回ったのは3校のみ。最も定員充足率が低かった大学は11.3%だった。

 同事業団私学経営情報センターの堀敏明私学情報室長は「今年の18歳人口は前年比約6万人の大幅な減少だったが、今後19年ごろまでは減り方が緩やかになる。地方の小規模校はこの10年で教員の人件費削減など経営改革を進め、収支を合わせていくことが重要になる」と話した。

 私立大への補助金は、学部や学科の入学者が定員の半分以下になるとゼロになる。文科省は昨年度から教育研究組織の規模縮小などを進める大学への新たな助成枠「定員割れ改善促進特別支援経費」を設けており、今年度は約8億円支出している。【加藤隆寛】

毎日新聞 2008年7月30日 22時14分

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