日本古来の酢  那智の醸造酢 

うまい酢

 和歌山紀伊半島の南端,那智勝浦に「丸正酢醸造元」という,酢の生産販売の合名会社がある。ここでは,昔ながらの酢を樽で造っていて,その酢が滅法美味い。いつだったか,「不眠耐久紀伊半島一周ドライブ」に行ったときに見つけて,小箱一杯買ってきた。以来,時々送ってもらっている。

 街のスーパーに流通している酢は,化学合成の酢が一般的で,そういった工業製品としての酢は,匂いを嗅いだとき鼻腔に刺激が突き刺さり,咳が出る。しかし,古来の手法でしかるべく造った酢は,そうではない。酸っぱいけれど,柔らかく,やさしいのである。

 「丸正酢醸造元」では様々な酢が製造発売されていて,筆者のイチオシは,「那智黒米酢」。これはそのまま水で薄めて,蜂蜜を好きなだけ混ぜて,ドリンクにしても,まろやかに美味い。同醸造元には,日本酒から造った酢もあり,これはこれで,ほのかに甘くて丸く,日本酒の香りがかすかに残る。酢は,刺激物ではないのである。本物の酢は,人に優しく,健康に良いものだ。

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醤油

湯浅醤油

 近畿では和歌山の湯浅醤油が有名である。そもそも,醤油というものが発明されたのは,この紀州和歌山の湯浅なのだそうだ。湯浅の醤油は,本醸造の生揚醤油を基にして,再度麹を仕込み,二度仕込みとしたものなのだそうだ。(普通は,塩水を基にする)
 そうは言うものの,一般的な湯浅醤油は,塩辛い。薄味関西にどうしてこんな,と思うくらい,アミノ酸に対して塩が勝っている。しかし,その塩が勝っていることこそ,無添加で,昔ながらの醤油なのかもしれないな,といつも思いながら,減塩という名の化学調味料入り醤油を極力避けて,断乎として精神の健康のために,塩辛い無添加の醤油を使っている。
 湯浅のたまり醤油は美味い。味が濃く,ほのかに甘く,奥深くて,まろやかだ。すき焼きには,湯浅のたまりである。酒をちょっとたらすとなお良くなる。すき焼きには,湯浅のたまり醤油と,柔らかにやさしい伏見の酒をすこし,あとは砂糖だけでよいと思う。

京都コンピュータ学院初代学院長は,,すき焼きの名人であった。

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ゆらっ子 和歌山みかん

みかん

 JAグリーン日高が,「ゆらっ子」と命名して,ブランド化している蜜柑がある。かなり小ぶりのみかんだが,これは糖度12度以上というだけあって,濃くて甘くて,美味い。
 皮がポロポロと割れるように剥けていって,一口大の蜜柑が現れる。大口を開けると一口でひとつ全部を食べられる程度に小さいのだが,たっぷりと甘く,プリプリしていて,豊饒の香りに全身を包まれる。みかん,ミカン,蜜柑,いくつでも食べられるのでいつまでも未完の腹。

 ちょっと寒くなってきた秋から12月一杯までが温州みかん系の旬である。長い間,天下の伊予柑を擁する愛媛にかなり押され気味だったが,紀州和歌山のみかんは近年,盛り返してきた。
 あちこちで品種改良も色々と試みられており,デコポン,キヨミオレンジ,キヨミとポンカンを交配して育成されたハルミ(←イチオシ)等々,秋から冬のみかんはすでに数十種類はあると思う。ネットで検索し,現地の八百屋や農家から取り寄せて,色々試していただきたい。地元でしか流通しないような発展途上,未完成のレアものもある。

 冬の蜜柑はすでに単一概念では無い。新しい味覚の地平を開拓して欲しい。

 ところで,京都コンピュータ学院の一等最初の前身は,最初期は井上数学塾(井上は学院長の旧姓},後の和歌山文化研究セミナーという私塾である。蜜柑の国,和歌山市で,中高生対象の小さな私塾が始まり,それが京都に移転して,京都ソフトウェア研究会の発祥の地となった。したがって,KCGの歴史は,私塾時代(コンピュータを教育・研究していなかった時代)にまで遡ると,1958年からになる。

 和歌山蜜柑は,KCGにとっては,原点回帰の味覚でもある。

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キヌヒカリ 米

 鈴鹿サーキットから京都に帰ってくる途中,湖南市,甲賀市のあたりから近江の田園地帯が広がる。この辺りから京都コンピュータ学院に来ている学生さんは多い。

 近江の米は「キヌヒカリ」が有名である。近江悠紀会の作るキヌヒカリは,綺麗に精米してあって,表面は艶々している。これは,コシヒカリに比べると,あまり甘くなく,あっさりしていながら,きちんと押さえる所を押さえてある。毎日の食事には,あまり重くなく,あっさりした米が良いと思う。

 さて,その近江の郊外では,畑の横で野菜や米や玉子を売っている。葱や白菜も,取れたては美味いのはもちろんだが,そもそも,近江の農産物は美味いのだ。フレッシュな野菜を噛むと,細胞が弾けて地下水が迸る。清らかな土の匂いと,その野菜独自の甘みが口中に広がる。
 玉子は味が濃い。黄身が山吹色をしている。その玉子で目玉焼きを造って,本醸造の醤油をかける。付け合せに白菜と葱を炒めて塩コショウ。たったそれだけ。単純にして鮮,芳香強く甘い。

 美味い米といっしょに美味い野菜,生みたての玉子を使って,「目玉焼きと野菜炒め」でも,近江牛の薄切りを買ってきて「すき焼き」でもいい。
 お隣の滋賀県には,あの大きな湖があるからこそ,それを取り巻く肥沃な大地があるのだ。

京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

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京都コンピュータ学院HONDAインテグラの鈴鹿

HONDAKCGインテグラ

そういえば,メインスタンドの後ろの屋台の,牛肉の串焼きは結構美味かった。

京都コンピュータ学院インテグラ,頑張ってください。

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秋,柿,,,

柿

柿食えば また柿食って KCG

                  ・・・・柿と言えば,柿の葉寿司・・・。

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クレソンの季節

 秋も深まると,信州の小川に自生していたクレソンを想い出す。

 昔,信州の山中をマウンテンバイクで走っていたら,紅葉の下の清流で,クレソンが束になって水面に揺れているのを見つけた。

 野生のクレソンには,苺のような,昇り立つ高貴な揮発性の匂いがある。クレソンだけを山盛り食べたのだが,こんなに清くて美しい味覚の野菜があったのかと驚いたのを覚えている。脳天を突き抜けていく,透明で気高い香りだった。

 都会のスーパーやレストランの皿の上のとは格段に違う野生のクレソン。軽井沢の山奥や上高地の清流で,ぜひ見つけてもらいたい。京都の北山にもあるかもしれない。

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九条葱と春菊

 ネギといっても日本全国何十種類もあるので,十派一からげに葱と言っていいものかどうか,かなり疑問を感じる。
 群馬では下仁田葱が有名だが,こちらはぶっとくて甘くて,九条葱やわけぎに比べると,葱の根っこの熟したお化けみたいなものである。しかし,これはローストしても,味噌焼きにしても,煮ても,汁に入れても,それぞれに美味い野菜である。それだけで,一夜のおかずのすべてにすることができる。
 一方,俗に東京葱などと言われる白葱も,地方によって,土によって,様々に味が異なり,それぞれに美味いと言われる。地元の子供の頃から食べている葱が一番ということなのかもしれない。自分の郷土の土の味,というものがあるのだろう。
 京都では九条葱というトラッドな葱があって,そのDNAを保存して今に引き継いでいる農家がわずかながらある。葱の甘さ,辛さ,香り,歯ごたえ,みずみずしさ,それらの至高の融合が本物の九条葱だ。この九条葱を好きな人は多く,筆者などは,豆腐と生姜を付け合せにする葱のサラダが冷奴だと信じているくらいである。
 九条葱はローカルな京野菜なので別格だが,全国に普及しているにもかかわらず,京都と地方での認識が異なるものに,春菊がある。春菊は,日本人の心である菊の香りの野菜である。しかし,京都を中心とする関西と,それ以外の地方とではどうも理解が違う。京都で鍋物をするとき,春菊は,九条葱とともに欠かせないものだが,地方に行くと,皿ものの彩りの一種にしか思われていないのではないかと思うほど出番が少ない。

 京都の,地元の農家がそれなりに作った九条葱と春菊とがあれば,野菜など他になにもいらないという気になるほど,京都の春菊は,九条葱とともに,それぞれしっかりとした味を持っている。しかし,その味わいは,決して嫌味のあるものではなく,奥深く果てしなく広く,大地の味わいをスィートに知ることができるものだ。

 京野菜の粋のひとつとして,京都市内の畑の春菊と九条葱を味わってもらいたいと思う。九条葱は,京都である。春菊も,京都である。京都の鍋には,九条葱と春菊。

そういえば,先日書いた「すき焼き」に関して,書き忘れていたが,春菊は,すき焼きに入れても大変に美味い野菜である。

鮨,寿司,うまいすし,ラーメン,うどん,そば,美味いもの,グルメ@京都情報大学院大学

京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

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京野菜

 1200年の都は盆地で,海からは遠く海産物に乏しい。その京都の町で人々が開発してきた大地の恵み,伝統の京野菜。各々独特の奥深さがあって,知らない人には想像だに及ばない滋味溢れる深遠がある。

 有名な「九条葱」,「海老芋」,「賀茂なす」,「万願寺とうがらし」,ブランド商品となった「金時にんじん」。
 蕎麦の薬味や刺身の付けあわせにもなる「辛み大根」を筆頭に,「聖護院大根」,「青味大根」,「茎(中堂寺)大根」,「桃山(大亀谷)大根」,「時無し(藤七)大根」など,大根だけでも各種あり,そのそれぞれがかなり強烈に異なる個性を持っている。
 他には,鶯菜,聖護院カブ,聖護院胡瓜,すぐき菜,松ヶ崎浮菜(八頭)カブ,松ヶ崎浮菜(八頭)カブ,佐波賀(天神)カブ,大内カブ,舞鶴カブ,水菜,壬生菜,畑菜,もぎナス,山科なす,鹿ケ谷カボチャ,伏見とうがらし,田中とうがらし,桂ウリ,聖護院キュウリ,柊野(3尺)ささげ,堀川ゴボウ,京うど,京セリ,京ミョウガ,花菜,鷹峯とうがらし,洛西竹の子・・・。
 中には,郡(コオリ)ダイコン,東寺カブなど,文献にはその名を留めるも,絶滅したものもある。

 それぞれ,町名を冠する名前が多い。すなわち,ほんの小さな区域で開発され独自の進化を経てきた野菜なのである。都で長年,熟成されてきたそれぞれの野菜,百家斉放のすべてを知る人は少ない。しかし,京都の八百屋でときどき見かける,それらの京野菜を買ってきて食べてみると,各々に細やかに異なる味わいは,都1200年の春夏秋冬,茫洋果てない時間の流れが積み重なって,多くの人々の英知の結果が,かくも広大な味わいの地平を創り出したかと驚くのである。野菜ひとつ一口に凝縮され濃縮されて熟成された,雅の文化,嗚呼。

 日本の食文化の深奥,これら京野菜を知るためだけに,京都に一年くらい暮らしてみる価値はあると思う。

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各種鮨種について-キンキ

キンキ
 新鮮なのはオレンジ色で,古くなると赤くなってくる。分布しているのは樺太,千島から駿河湾までの太平洋側だそうだが,北海道で食べる炭火焼が最高である。鮨にしても美味いが,脂肪分とゼラチンが多いので,炭焼きで皮の側をパリパリに焼いたら,比較対象のない絶品の一つになる。煮ても美味い。鮨にする場合は,そのままでも良いが,表面をバーナーで炙って,ミディアムレアにするのも良い。しかし,キンキもサンマと並んで,やはり焼き魚が最上であると思う。

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