モンティ・ホール問題をディシジョンツリーで解く(´ー`)

さて、むしまるくさんところに、

確率二分の一?」という問題が出されました。

実はこれはかなり有名な問題で、

モンティ・ホール問題と呼ばれています。

別名「モンティホールジレンマ」です。

これは、アメリカのクイズ番組の司会者のMonty Hallさんが担当しているコーナーから派生した問題です。

なぜ有名になったかというと、

1990年に "Parade magazine" の中の Marilyn vos Savant の

「Ask Marilyn」という質問と回答のコラムでこの問題の解が議論された後、

数百人の数学教授を含む約一万の読者が、(実際には正答であったにも関わらず)

「彼女の解答は間違っている」と投書したこと…らしい。ヽ(;´Д`)ノ

(*by モンティ・ホール問題のWIKIpedia

で、解答なんですが、これも「モンティ・ホール問題」をグーグルで検索したら、

山のように出てきますね。

で、折角なので、ここはよくある数学、確率論やベイズの定理など方法ではなく、

私がKCGIで教えている経営学特論の意思決定メカニズムの章で紹介した、

ディシジョンツリーを使って説明してみます。

簡単に言うと、これは経済学のゲーム論の「ゲームの木」と似たようなものですね。
(*これで皆さんが「簡単」と感じてくれるかどうかはめちゃ微妙だが…。)
(*ゲームの木についてはKCGの経済学1で軽く触りました。)

まず、モンティ・ホール問題をおさらいします。

koho通信から拝借。

あるクイズ番組がありました。

3つの扉があり,そのうち一つの奥にはクルマが置いてあって,
クルマのある扉を選べばもらえる,というものです。

普通に考えれば確率3分の1なのですが,このクイズには
ちょっとした仕掛けがあります。

回答者が選んだ扉の前に立ったときに,司会者が
残りの2つのうち,クルマがない扉を開けるのです!

ここで回答者は扉を変えることもできるし,
そのままにしておくこともできます。

変えたほうがよいのか,そのままの方がよいのか,
みなさんなら,どうされますかー??

ここは「確率」ではなく、「期待値」としてこの問題をみます。

一応、景品の車の価値を¥1,200,000と仮定しましょう。

以上の仮定から、以下のようなディシジョンツリーを描くことが出来ます。

↓モンティ・ホール問題のディシジョンツリー

モンディ・ホール問題の>ディシジョンツリー

(*以上の画像を、別ウィンドウで開いたまま、以下の説明文と同時に読むことをオススメします。)

ディシジョンツリーでは、

□は決定ノードと言って、行動の分岐を表しています。

○は確率ノードと言って、コントロールできない事象を表しています。

描くときは、左から右を描いて、各ノードや枝の状態を書き込み、

そして右から左に最適な意思決定を探ります。

今回では、意思決定ノードは:

1.どの扉を選ぶか
2.その後、扉を変えるかどうか

の二種類がありますが、

ここでは、どの扉を選んでも「同じよう」に扱って、

選んだ扉の「アタリ率」を確率ノードで表現するようにしました。

そして、一種類の決定ノード(扉変えるかどうか?)と、

一種類の確率ノード(最初の選択はアタリかどうか?)を用いて、

ディシジョンツリーを描きます。

で、とりあえず左端に決定ノードを描き、

このノードから二つの枝、「扉変える」、「扉変えない」を描きます。

このいずれの枝は、「現選択はアタリかどうか?」の確率ノードに繋ぎます。

そして、二つの確率ノードから、さらに「アタリだった」と「ハズレだった」の二つの枝に分岐します。

設定から、「最初でいきなりアタリ」の確率は三分の一で、

「最初からハズレ」の確率は三分の二ですね。

利得ですが、このように考えます。

「アタリだった」のに→「扉変える」→ハズレに成るので→¥0
「アタリだった」→「扉変えない」→アタリのままなので→¥1,200,000
「ハズレだった」→「扉変える」→アタリに成るので→¥1,200,000
「ハズレだった」のに→「扉変えない」→ハズレのままなので→¥0

ここまで出来たら、右から左へ検討していきます。

「扉変える」場合の確率ノード(上のほう)の期待利得を見てみると、
(¥0*1/3)+(¥1,200,000*2/3)=¥800,000

「扉変ない」場合の確率ノード(下のほう)の期待利得を見てみると、
(¥0*2/3)+(¥1,200,000*1/3)=¥400,000

で、更に左端の決定ノードを見ます。

この決定ノードの右上の枝の期待利得は¥800,000で、

右下の枝の期待利得は¥400,000です。

「¥800,000>¥400,000」なので、

右上の枝、つまり「扉変える」ほうが、期待利得が高い…ということになりますね。

ちなみに、扉変える時の期待利得は変えない時の2倍…です(倍違い!)。

従いまして、モンティ・ホール問題において、

「扉を変えたほうがいい」というのが正しい意思決定になりますね。Ψ(`∇´)Ψ

正直、PPTやフラッシュなど動的コンテンツを使ったほうがず~っと説明しやすくて、

ブログ上でHTMLで説明するのはむずい…ですね。

ん~やっぱりEラーニングコンテンツをラクラク作成できるKCGはスゴイかも。

でも、まあ、じーっとにらめっこしてもらいましたら、

多分分かってもらえると思いますので、

これでよしとしましょう。(゜▽゜)

長々と、ご清聴ありがとうございました~(‘◇’)ゞ

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