全天で2番目に大きな星座で,今はまさに太陽と同方向で全く見られません。一番よく見えるのは初夏、麦の刈り入れのころです。おとめ座にはスピカという青い光を放つきれいな星があり,それは女神が持つ麦の穂の先端にあります。おとめ座の女神は農作・豊穣の神デーメテル(別名ケレス)です。
デーメテルにはペルセポネ(別名プロセピナ)という愛娘がいました。ある日ペルセポネが仲間のニンフ と一緒に花摘みをしていたところ,いきなり大地が裂けてそこから黒い4頭だての馬車に乗った死の国の神ハデス (別名プルート)が現れ,あっという間にペルセポネをさらっていきました。娘を失ったデーメテルは悲しみのあまり谷間の洞穴に閉じこもってしまい,誰とも会わなくなりました。さあ大変,大地は荒れて,草木は育たず,穀物は実らず,生きとし生けるもの飢えに苦しみました。
–長い物語なので以下次項